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大晦日

 12月31日(金)
 東京地方で、大晦日に雪が積もったのは21年ぶりだという。今年一年を振り返って、心から良い年であったと思える人がどのくらいいるだろうか。
b0028235_18253129.jpg来年も、内外ともに多難の年のようだ。陰湿な犯罪、イラク戦争、テロ、自然災害、3万を超える自殺者、ひきこもり、倒産、失業、店じまい……等々、相変わらず不幸な出来事が続くのだろう。すでに地球は、人口過剰であり、刻一刻、人間の生存に適さない環境になりつつある。
 みんなが物的に豊かになろうとする努力が、環境を汚染し資源を枯渇させ、住みにくくしているのである。地球規模で、社会のシステムを変えていかないと、にっちもさっちもいかない状況になっている。
 政治の問題が大きいが、相も変わらず「自分益」にばかり関心を向けている政治家たち。
来年も明るいデータは少ないが、どこかに曙光をさがしだしたいもの。この道草日誌を読んでくださる「奇特なお方」、来年もよろしくお願いいたします。月並みですが、良いお年を!
by katorishu | 2004-12-31 18:28

珍しい光景

12月28日(火)
 役所や会社は「仕事納め」のところが多いようだが、フリーの物書きには関係がない。
 渋谷で作曲家の如安さんと来年2月11日に上演されるハンセン病ミュージカルの打ち合わせ。電車の中で、ちょっと珍しい光景に出会った。田園都市線の中央部の車両に駒沢大学駅から乗ったところ、数人の人しか立っていず、ほとんどは座っていた。
b0028235_3135151.jpgぼくの立っている前方の席には左右で14人の客がいたが、そのうち5人が本を読んでいて、携帯でメールをこちょこちょやっている人はゼロ。過日、駒澤大学駅のプラットホームに立っているお客、6人のうち5人が携帯をいじっていたが、それと極めて対象的だった。 
 若い人も年配の人もいて、文庫本や単行本を読んでいる。以前は当たり前の光景であったのだが、近頃ではひどく珍しいものになってしまった。年々、日本人の知力が落ちてきているようで、その原因は読書量の少なさ……と思っていただけに、ちょっと安堵した。
 その後、渋谷の旧東急文化会館裏にある本屋に入ったところ、以前、文芸書や人文科学関係の本のあった棚がすべて漫画にかわっていた。漫画と軽めの若い人向けの絵入りの本の棚だけで、3分の1以上をしめ、あとjはビジネス書ばかり。 文芸ものやちょっと堅い本は、ほとんどおいていない。新書本でさえ、片隅に追いやられていた。
 そうしないと本屋も生き残れないのだろう。それだけ、本を読まなくなった人が増えたということだ。電車の中で読者するひとと、漫画本に占領される本屋。どちらが日本の現実なのか……。(といって、漫画は俗悪などというつもりはなく、存在価値を認めているが、あまりに偏りすぎている)。
 じっさい、国際機関の各種の統計でも、日本の若者の知力、学力は低下の一途をたどっている。大人も、推して知るべしだろう。電車の中の光景は、たまたま遭遇した希有のことなのか、あるいは良い兆候なのか。
 思考力を養い脳を活性化させるには、読書ほど手軽で効果的な方法はないのだが、日々の習慣になっていないと、苦痛なのだろう。かくて、文化的にも日本は三流国への坂を下り降りていく…
by katorishu | 2004-12-29 03:17

大津波

 12月27日(月)
 スマトラ地震による大津波で死者が2万人を超えたとのこと。
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 今年は天災が多発したが、追い打ちをかけるような大災害だ。亡くなったに人は気の毒だが、こういうことが起きると、われわれは地上の脆弱な部分にはりつくようにして暮らしており、いかに小さな存在であるかを、思い知らされる。
(写真は駒沢公園のススキ)
by katorishu | 2004-12-28 00:07
 12月26日(日)
 図書館、三軒茶屋などを散策。毎日曜日はハンスト(断食)の日。水ないし白湯しか飲まない。数日来、少し食べ過ぎたので、体重64キロ。すぐに減って理想の体重である63キロに戻るにちがいない。
b0028235_2249141.jpgテレビが壊れてしまったようで、画面が写らず音声のみ。ラジオは仕事中もつけっぱなしだが、テレビはあまり見ない。以前、テレビ局に勤めているときも、テレビをもっていない時期があった。受信料を払えといわれたが、もっていないので払わなかった。子供が生まれたのを機に買った、と記憶している。
 昭和30年代から40年代には、テレビにも「夢」があったが、今や、ものいえば唇さみし、秋、ではなく冬の暮れ……。
 以前、誰かが日本の現状を指して「タイタニック号の上でポーカーをやっているようなもの」とたとえていたが、国家財政の破綻、デフォルトも迫っているし、刻一刻、破綻にむかって突き進んでいる。そのことを自覚していない人間が多すぎる。最大の危機はそのことかもしれない。「自分さえよければ」と思っていると、全体が沈んでしまう。
 来年、再来年あたりが、日本の重大な岐路になるだろう。
by katorishu | 2004-12-26 23:05
 12月25日(土)。
 短編戯曲「まぼろよ」を、前夜から朝、さらに午後までかかって完成。添付メールでレクラム舎の鈴木一功氏に送る。来年2月、三軒茶屋の小劇場で公演するものだ。
 折り返し一功氏から電話あり「面白かった」との言葉に、一安心。
 途中、朝日新聞社会部記者から電話取材。「ガンジーの会」の活動について。
 過日、朝日の関西版に載った「ガンジーの会」の記事を、東京版にも載せたいとのこと。ついては、追加取材をしたいとのことで、30分ほど、個人的意見もまじえ話す。
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(写真は京葉線車内から)
 ガンジーの会の活動は、イラクへの自衛隊派遣に反対する運動として、リレーハンストを行うといった形ではじまったのだが、ぼくの中では一種の「文化運動」となってきている。
 先進国、とくにアメリカ主導の「大量生産、大量消費」の資源浪費のシステムにブレーキをかけないと、地球の環境は悪化し、天然資源は枯渇、いずれ食糧争奪の争いが起き、とんでもない世の中になる。
 人類はいずれ滅亡するのだとしても、滅亡を遅らせる必要がある。われわれの時代で石油資源などの天然資源をほとんど使いきって、子々孫々に伝えないことは、現代人の傲慢であり、驕りである。そんな流れを阻止するには「欲望」を抑制するしかない。しかし、単に欲望を制限しようとしても出来るものではない。
 欲望の対象を「物」から「精神的なこと」に変えることで、この流れをとめたいという思いがぼくにはある。他の動物と違って人間だけに備わっている過剰な欲望。これを否定することはむずかしいだろう。対策として、過剰な欲望を、「スポーツ」や「芸術」といったバーチャルな領域で消費させ、そのことに生きる喜びを味わう。その方向に人類はカジを切ったらどうなのか。
 週に一度の断食を続けながら、そんな思いが日増しに強くなり、次第にこれしか人類を救う道はない……という確信に変わってきている。
 現在、地球にはおよそ60億の人間が生きている。先祖からの遺伝子をたまさか引き継ぎ、存在しているわけだが、一種の義務として、次の世代にバトンタッチをしていく「走者」の役割も果たしているのだと思う。命と命の連鎖である。
 なぜそうしなくてはならないのか……といった問いに、明確な答えはだせないが、とにかくそうしなければ人類は滅んでいく。先祖代々の「走者」がいて、一定の役割を果たしてきたからこそ、今の世界があるのである。物質的欲望に目がくらんだ現代人はそのことを忘れているのではないか。
by katorishu | 2004-12-26 03:30

クリスマス・イブ

 12月24日(金)
 クリスマス・イブであるが、一応、仏教徒であるぼくには、なんの関係もない。昨夜、パソコンの調子が悪くインターネットになかなかつながらず、悪戦苦闘するうち朝になってしまった。
 久しぶりに睡眠薬を飲んで寝た。熟睡できたのはいいのだが、起きたのが午後の7時。まったく夜昼が逆転してしまった。 
b0028235_417735.jpg昼食だか夕食だかわからないような食事をして、外出。喫茶店で執筆。2月公演の短編戯曲をなんとか仕上げた。まだ推敲をしようと思うので、主催のレクラム舎には送らず。
 近所では相変わらず、マンションの解体工事で地震のような揺れが続く。日本の住宅政策の貧困さなのだろう、年を追って、住宅の面積が減っていっているようだ。
 一年前、近くの比較的大きな家が解体された。立て替えかと思ったらそうではなく、三つに区切って売却したようだ。最近になって三等分された狭い土地に3戸の家が建った。土地代を含めれば恐らく5000万をくだらない価格なのだろうが、新建材の安っぽい家である。 
 欧米であったら貧民窟に近い状態の家並みが、日本では「高級住宅街」なのだそうだ。
 今でも日本はODAと称して海外に多額の寄付をしているようだが、そんな余分なお金があるのなら、国内の都市整備に有効利用したほうがいい。
 過剰な「私権」は抑え、土地も「公共財」であることを国民に周知させ、ちゃんとした都市計画をたて、美的で機能的な都市作りをしてもらいたいものだ。
 東京は「ゲロを吐いた」ような街であり、まったく美しくない。デジカメを買ったので、持ち歩き町並みを撮影しようとするのだが、「絵になる」景色が極めて少ない。
 たとえばモスクワなど、どこを撮っても「絵になる」風景にあふれている。先進国ばかりでなく発展途上国でも自然が豊かなので、撮影に値する光景がいくらでもある。
 ところが日本は(都会では)残念ながらそうではない。
 ぼくの子供のころ、東京でも自然が豊かであっただけでなく「絵になる」光景が至る所にあったのに、今は本当に少ない。
by katorishu | 2004-12-25 04:50

近所迷惑

 12月22(水)。
 すぐ近くのマンションの解体工事がずっとつづいている。近くの小学校の建て替え工事のときも騒音や揺れで、かなり悩まされたが、マンション工事はもっと近いので、連日、地震の揺れを味あわされている。
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 決まって朝の8時からはじまる。大型の機械が3台でコンクリートを力任せにたたきつぶし、ひっかいているようだ。一週間程度で終わるかと思ったら、すでに2週間以上も続いている。
 こちらは午前4時ごろまで起きていて、それから眠るので午前8時といえば、普通の人の午前3時ごろに相当する。
 地盤がつながっているのか、あるいは弱いのか、家はみしみしきしみ、上下左右に揺れ、まことにひどい。学校の工事の際は関係者が迷惑をおかけします、と挨拶にきたが、マンションのほうはおかまいなし。
 早朝7時ごろから、隣家でピアノを弾くのでうるさく、かなり気になっていたが、解体工事の音と揺れがあまりに激しいので、ピアノの音など蚊のうなり声程度に思えてしまう。
 地下鉄工事の現場周辺や、新幹線の沿線、飛行場の周辺などは、年中こんな調子なのだろう。町へでれば、有線放送や商店の音響が甲高く響き、正常な耳をもっていると、おかしくなる。テレビやウオークマンなど、朝から晩まで騒音にさらされていれば、聴覚が鈍化することは間違いない。微妙な音の差を聞き取れる能力が衰えている人が多い。
 微妙な表現の差を感じ取れる人間が減っていくことは、はやり文化の衰弱に通じる。文章などの微妙な味わいを味読する能力も、すでに相当衰えている人が多く、今後、一層画一的な人間が増えていくのでは……と危惧される。
by katorishu | 2004-12-23 11:45

ラグタイム・コンサート

 12月20日(月)。
 乃木坂のシアター・バー・コレドで行われた「ガンジーの会」主催の「クリスマス・ラグタイム・コンサート」。ぼくも企画者として当初からかかわり、チラシづくりから出演者との交渉などの「裏方」を担当。もっとも、ほとんどが旧知の仲なので、スムーズにすすんだが。
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 アメリカ在住のピアニスト、池宮正信氏が24日、アメリカに帰ってしまうので、12月20日しか時間がとれないとのこと。オペラ歌手兼演出家の飯村氏や作曲家の高橋如安氏らとコレドにいき、池宮氏中心のコンサートをやろうという話が出たのが10月末。
 京都にいる文芸評論家の末延氏に連絡をとり、急遽やろうということになった。
 みんな忙しい中、あたふたと準備をして、なんとか「手作り」のコンサートを無事終了した。今回は40年来の友人でアメリカ暮らしが長い末延芳晴氏の「永井荷風」研究の成果とラグタイム音楽とをつなげた企画で、「荷風が聞いたアメリカ音楽」が中心のものに。
 末延氏がプレコンサートとして、荷風と音楽について古いレコード音楽などを流しつつ45分ほどレクチャーし、19時よりコンサートに。コレドは、知人の元シナリオ・ライター桃井章氏が経営する、ミニシアターとバーを兼ねている。定員50人だが、照明設備もととのい、「大人の香り」のする空間である。
 補助椅子もでて60人という「満員盛況」。手作りのコンサートなので、ぼくは初めて「照明」を担当した。思ったようにいかず、落とすべき照明をそのままにしたりしたが、幸い「ユニークで面白かった」「よかった」の声が多かった。
 写真は池宮氏を中心に、出演者やスタッフ、関係者たちの記念撮影。放送などの「ブロード・キャスティング」にたいする「ナロー(狭い)キャスティング」の良さを、創出できたかと思う。
 終わって二次会に……。日頃の憂さを忘れて、しばし愉快な時を過ごした。
by KATORISHU | 2004-12-21 06:39

ミュージカル台本、完成

12月18日(土)
 ハンセン病ミュージカル「チバリヨ(負けるんじゃねえ)」の台本、ようやく第1稿が仕上がる。例によって三軒茶屋の喫茶店に4時間ほど滞在し、ラスト部分を仕上げた。
 予定より大幅に遅れており、作曲家の如安さんは、さぞやきもきしていたにちがいにない。
お許しください、如安さん。作曲の時間を食ってしまったようで、申し訳ありません。
b0028235_535776.jpgこれで一段落というわけにいかず、三軒茶屋で来年2月に公演予定の「ベンチ」の中の短編戯曲1編も予定通りに進まず、途中で停止中。明日から「一気に……」と思っているのだが。そのほか、もろもろ「ボランティアの仕事」も控えており、相変わらず「貧乏暇なし」の生活が続く。おかげで、肥満とは無縁で、体重は20歳のころと同じ62,3キロ。体調はすこぶる良い。
 幸か不幸か、不景気風が続いているので、忘年会も少ない。こちらから誘うことも少なくなった。「残り時間」が少なくなってきているので、「浪費」はできない。つきあいの悪さは、ご寛恕のほどを!
by KATORISHU | 2004-12-19 05:45

子役という仕事、取材

 12月16日(木)。
 来春、出版予定の『子役という仕事』の取材で、新浦安駅近くにいく。かつて香港のスター、ブルース・リーなどと競演し、日本でもGメンなどのテレビドラマで活躍した、「アクションスター」の倉田保昭氏にお話を聞く。
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 氏はアクションクラブを主催し、創造学園大学教授としても後進の指導にあたっている。最近、キッズアクション教室を開設、本日がその第一日目。東京と大阪、さらに上海、香港などを基盤に「アクションスター」の育成に情熱を燃やしている。
 氏の役者としての活動は上海など外国であり、最近、日本ではほとんど役者としての仕事はやっていないという。日本の芸能界ばかりでなく、日本の文化、社会についても、外から覚めた視線で見ている。当然、批判的にならざるをえず、ぼくの考えとも、ほとんど一致した。
 子供たちの「動物」としての能力低下も著しいし、困難を克服していく粘りに欠け、すぐあきらめてしまう。一人っ子、少子化のマイナス部分が社会のいろいろな所にでてきており、憂うべき事態である。「極める」とか「修行」とか「修練」といった言葉もすでに死語になりつつある。
 このままでは、日本は取り返しのつかないほどおかしくなってしまうに違いないが、そのことにリーダー層が無頓着すぎるという点でも、一致し、2時間近くのインタビューがまたたく間にすぎた。 58歳というのに、贅肉はまったくなく、精悍な表情、引き締まった体躯。謙虚で沈着。久しぶりに「古武士」の風格のある人に出会ったという気がした。
by katorishu | 2004-12-17 01:56