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これではダメだ、民主党

2月28日(火)
 東京は不順な天候がつづく。12時起床。例によって外で数時間、原稿執筆。早朝5時まで仕事をしていたので、目がしょぼしょぼだ。
 ところで、ライブドアの「ホリエモン・メール事件」で民主党の永田議員は謝罪会見を開いた。夜、テレビのニュースで見たが、こりゃだめだと思ってしまった。
 
 堀江社長と武部自民党幹事長の息子は相当親しかったというこで、あのメールに関してもいろいろと噂が飛び交っている。
 自民党を追い込む絶好のチャンスに恵まれた民主を「はめた」とする謀略説も流れている。真相は未だ霧の中だが、結果として小泉政権を救ってしまった。
 思い切って前原党首も辞任して、小沢一郎党首、菅直人幹事長、そして岡田前党首が国対委員長という布陣をはれば、巻き返しをはかれたのに。
 
 政権交代によってしか政財官の癒着の構造は崩れないし、本当の意味の改革にはならない、と思うのだが、一向にそうならない。「村社会・ニッポン」の地盤は厚いようだ。
 みんな本音のところでは「変化を恐れている」のでしょう。現状固定の状態で、いろいろと利益を得ている「既得権益層」は、人口の1割か、多くて2割程度だと思うのだが、「おこぼれちょうだい」をいただいている層となると、5割くらいになるのかもしれない。
 やはり、日本は外圧でしか変わらない。

 5年以内に強烈な「外圧」がやってくるというのが、ぼくの推測です。ポイントは中国ですね。北京オリンピックのあと、2010年に上海万博がある。そのあと、中国国内に大きな動きがおき、台湾との関連で激震が走る。一方、イランを中心とするムスリム、とりわけシーア派の動きが注目である。それにブッシュ以後の、恐らく民主党になるであろう政権が、どう対処するか。

 国際政治の動きが直ちに国内政治や経済に直結する時代なので、目が離せない。といっても、インターネット上か新聞、週刊誌、雑誌、単行本を通してしか「国際情報」は得られないのだが。
 ただ、インテリジェンスとか諜報活動などといっても、007のような諜報員やエージェントによって得られる情報は1、2割で、ほとんどは公開された情報を収集・分析・解析することで、対象に迫れる。
 日々の新聞やテレビ等のマスコミ情報を地道に収集し、過去に集めた膨大な情報と比較照合させると、「見えてくるもの」があるのです。

 世界にちらばっている、それ自体は「ゴミ」や「チリ」のような情報が、一定量たまると、見る人が見れば意味をもつ。公開情報のみで、国や組織等の背後にあるものを透かし見ることができる、と情報のプロがどこかに書いていました。

 個人でも、何気なく発した片言隻句や行為から、その人の本質が垣間見えることがあるが、アレですよ。国も組織も個人も、どう繕おうが偽装しようが、早晩、本質が出てしまうもの。逆に繕おうなどとせず、自然体でいたほうが、かえって本質が見えなくなる。
「隠そうと思ったら表へだせ」と逆説めいた名言を吐いたのは、誰であったか。

 
by katorishu | 2006-02-28 23:45
2月27日(月)
 午後、地下鉄千石駅で、脚本家の津川氏と待ち合わせ、「アーカイブ事典」ほかの本を受け取る。研究報告の資料である。
 蕎麦屋で鴨せいろを食べながら、電子記録の脆弱性などについて意見交換をした。
 そのあと、久しぶりに巣鴨にでて、喫茶店で仕事。骨休めに津川氏から受け取った本を読んだ。

 過日のアーキビストの小川千代子氏の話や、小川氏の著書「電子記録のアーカイビンブ」などを読んでいると、「電子政府」などといってデジタル化をすすめている日本や「IT先進国」の将来が不安になる。

 資料の長期保存を考えるアーキビストから見ると、現在デジタル化されている情報の大半は50年後には消えてなくなる……といったことを具体例をあげて、説得力ある論を展開している。
 アメリカで上映されたビデオ「Into the Future」を見たIT研究者等は一様にショックを受けたとのこと。アメリカが1960年代に行った月探査に関する情報のうち、NASAが磁気テープに保存した情報のうち10パーセントがすでに「崩壊」してしまったという。

 デジタル情報というのはアナログ情報と違って、目に見えない。見えるようにするには記録を引き出す装置が必要になる。ところが、デジタルの世界は技術が日進月歩で、ものすごい早さで「進歩」している。この「進歩」がじつはくせ者で、5年、10年とたつと、以前に記録したものが読み込めなくなるケースが実に多いのだという。

 フロッピー・ディスクは現在発売しているノートパソコンでは使用できなくなっている。CDやDVDも同じ運命をたどるようで、10年後には存在しているかどうか、はななだ疑問であるという。つまり、そういうものに記録された情報は10年後には読み取れなくなり、無に帰してしまう可能性が強いというのである。

 ぼくは早い時期(1982年)からワープロを使っていたが、当時使用していた大きなフロッピー・ディスクを読み取る装置は、とっくの昔に生産を停止してしまった。使っていた読み取り装置が故障したが、メーカーでは部品等も残っていないので修理もできない。で、そこに書き込んだデジタル情報は「無」になってしまった。
 幸い、7割方は、新しいフロッピー・ディスクにいれておいたが、そのフロッピー・ディスクも、早晩、使えなくなる。

 こういうことの繰り返しで、電子情報は劣化していく。個人の小さな情報ならいいが、公的なところに記録されている情報は膨大なもので、それを5年ごとに新しい記録装置に置き換えなくてはならないのだという。手間も経費も膨大なものになり、さらにサーバー等の脆弱性も加わる。小川氏の予測はこう「悪魔的な予言」をする。

「例えば、数百年後、歴史をひもとく私たちの子孫の間にはこんな定説が生まれるかもしれない。20世紀末から21世紀初頭にかけて、資料はほとんど残っていない。理由は、当時流行した記録媒体にある。当時はコンピュータを用いて記録を電子的に作成・送付・保存していた。だが、この媒体は記録媒体としては劣っていたので、21世紀末にはほとんどすべてが読み取れなくなってしまった」

 「情報の暗黒時代」であるというのである。小川氏の著書を読んで、うーんと唸ってしまった。
 過日の勉強会で、小川氏が、現段階では「記録はアナログ、つまり紙媒体などが一番」と強調していた意味や、IT雑誌の編集長をしていた人の危惧がよくわかった。
 こういうコンピュータの脆弱性、危険性を知ってか知らずか、政府はあらゆる分野で「デジタル化」をすすめている。IT業界や電気製品業界に配慮しているので、危険性を公言できないのかもしれない。
 
 すでにアメリカではいろいろな情報をIT化することの危険を自覚し、情報のデジタル化にブレーキをかける動きも出てきているようだ。
 一方、日本政府は、ITを打ち出の小槌のようにいいまくった竹中大臣らを中心に、危険な方向に「日本丸」を導いていこうとしている。 
 竹中氏が経済学を学んだときの「アメリカ」はすでに「古いアメリカ」になるかもしれないのである。なのに、相変わらず、ブッシュ政権の「アメリカ」の旗振り役を演じている。
 例の「偽造メール」で民主党の支持率がガタ落ちし、かわりにまた自民党の支持率が上昇した、とテレビが伝えていた。
 心ある日本のみなさん、早く目をさましてください。このままいくと日本は本当に「タイタニック号」になりますよ。
by katorishu | 2006-02-28 02:48
 2月26日(日)
 昨日、脚本アーカイブスの勉強会をやっている最中、佐々木守さんの訃報がはいってきた。数年前、放送作家協会の理事を2年間、つとめられ、その関係で何度か親しく話す機会があった。
 ひところ、テレビドラマ界で「佐々木守」といったら、昭和30年代から50年代初期まで「超売れっ子」の脚本家で、当時、佐々木さんの書いたドラマを一度も見なかった日本人は、ほとんどいないのではないか。

佐々木さんは、大島渚監督のもとで助監督をつとめ、映画「日本春歌考」「絞死刑」などの脚本を執筆した。テレビドラマは、「ウルトラマン」「七人の刑事」「コメットさん」「柔道一直線」等々、大変な数の脚本を書き、毎週のように「脚本佐々木守」という文字がテレビ画面に出ていた。

 佐々木さんはある時、故郷の石川県に生活の根拠を移した。そのころから、ドラマから「佐々木守」の文字が消えたと記憶している。
 別に本人が休筆宣言などしたわけではなく、注文が急減したのである。特にテレビ界では、東京や大阪という大都会を離れると仕事が急減するようだ。北海道の富良野に引っ込んだ倉本聡さんなど例外中の例外だろう。もっとも倉本さんにしても、東京の荻窪に家を残してある。

 絶大な人気を誇っていたコメディアンの萩本欽一氏が、1年間休業し復帰しようとしたところ、ほとんど仕事がこなくなったというのは、テレビ業界では有名な話である。
 特にタレントたちはそんな先例があるので、とにかく画面に出続けようとする。当然、芸を磨く時間もなく、芸は落ちる。それでも「画面に出ている」者が勝ちなのである。
 
 佐々木さんとは何度か居酒屋でじっくり話を拝聴する機会があった。昔のテレビ界の話はじつに面白かった。「それはぜひ本にまとめるといいですよ」と申し上げた記憶がある。 佐々木さんは放送作家協会の理事を1期2年つとめて辞めてしまった。辞めるときの挨拶は、今でもぼくの記憶に残っている。
「ぼくが理事に立候補したことについては、密かな期待がありました。劇画の原作などを書いたりして、しばらくテレビ界を離れていたので、理事になり業界と触れることでドラマを書くチャンスがあるのではと思っていました。でも、この2年間でついに1本も注文はなかった」

 その場は一瞬シーンとなった。あの「超売れっ子」の佐々木守さんにして、こうなのである。テレビ界の「移ろいやすさ」をその場にいた人たちは実感したのではないのか。
 バブル期に「トレンディドラマ」が増え、ホームドラマが急減したころから、流れが変わってしまったようだ。制作現場のプロデューサーなどが30代から40代前半ぐらいになり、「とにかく若い人が見るものを」という傾向が顕著になった。

 そのころから、数人の例外をのぞいて「作家主導」の路線が消えてしまい「タレント、それも若いタレント」主導路線になった。
「ホームドラマ」を中心に書いていたぼくなども、以前はそれこそ「ふるように」仕事があったのだが、急激に注文が減っていった。関係があるのかどうかわからないが、都心から離れた川越に仕事場を移した時期と重なる。ぼくの場合は要するに「面白くなかった」ということなのだろうが。
 時期を同じくして「大人の鑑賞に堪えられるドラマがなくなった」という声が業界の内外から出るようになった。

 ぼくの知るテレビ関係者の大半が、「この傾向はよくない」と思いながら、その流れに抗することができなかった。理由は、若者主導の路線が「数字」をとったからである。
 数字はお金に直接結びつく。「拝金教徒」全盛の世の中、数字こそカミサマになっていった。内容など二の次、三の次で「なにがなんでも数字を」ということになってしまった。

 視聴率の調査は現在ビデオリサーチ1社だけで、500程度のサンプルから弾き出される1分ごとの視聴率が、テレビ編成のすべてを決めているいっても過言ではない。
 本来、視聴率イコール金に結びつかないNHKが、数字に極めて敏感になったことも、数字崇拝を助長させることになった。NHKの連中が一番視聴率を気にしているという声も聞く。

 そういう「数字(お金)」崇拝の流れの中、頂点の部分にホリエモンが生まれたといっていいかと思う。
 「銭を儲ける者」が時代の勝利者という流れの中、「若者文化偏重」がもたらした弊害が、今、社会の随所に起こっている。

 アメリカのCBSドキュメントがTBSで深夜放送されているが、女性のスルー記者(この方は60歳前後だが贅肉もなく颯爽としてじつに格好がいい)はじめ、取材しコメントする記者たちは60代、70代である。年輪と経験、豊富な知識をもとに対象に深く鋭く突っ込んでいき、じつに興味深い。
 日本のテレビはそもそもアメリカの真似をして出発したのだが、最良の部分はほとんど学んでいないようだ。
 佐々木守さんは享年69。まだまだ良い仕事が出来たはずである。亡くなる前、今の時世をどう思っておられたのか。いずれにしても、ご冥福をお祈りしたい。
by katorishu | 2006-02-26 22:57
 2月25日(土) 
 珍しく午前8時起き。10時半から北千住の学びピアで、脚本アーカイブスの勉強会があり、それに出席のため。世の多くの人はおそらく、毎日これより早い時間に起きているのだろう。
 寝たのが午前4時ごろだから、4時間足らずの睡眠。それもレンドルミンともう一粒、クリニックで処方された薬を飲んで強制的に眠ったので、目覚ましで起きたときの気分は最悪だった。
 
 日本でも数少ないアーキビストの小川千代子氏が講師で、食事をはさみながら3時間ほど、貴重な話を聞いた。記録文書の保存といっても、いろいろな問題があり、一筋なわでいかないことがよくわかった。
 デジタル化をして「保存」することの危うさなどについても、認識をあらためた。デジタル情報は「危機管理」の観点からも、まだまだ問題が多いようだ。便利さの裏にある危うさについて考えずにいられなかった。
 
 出席者の一人でIT情報誌の編集長をしていたBさんが「デジタルとかITとかに、すごく不信感をもっています。はっきりいって、最近は嫌悪しています」と話していた。これは驚きだった。
 デジタル技術は穴だらけであり、Bさんにいわせれば、数ある穴の弱点をつき、金融面で金儲けに結びつけたのが、ホリエモンであるという。
 これが「愉快犯」のほうに向かうと、ハッカーとなるのだろう。

 つまり、ホリエモン(役員などの仲間も含めて)はある意味で、ハッカーと同様なのである。今後、例えば数人の大学生が、インターネットの穴を利用して一つの国の中枢を麻痺させ、戦争に匹敵する大惨事を引き起こさないという保証はない。
 SFの世界のような話だが、実際に起こり得ることである。以前、アメリカの学生がガードが堅いとされているペンタゴンの中枢のパソコンにまで入り込んだというニュースがあった。これから先、人類は案外、ごく少数の、つまらない連中によって滅びるかもしれない。

 大変な世の中になったものである。
 そういえば森首相時代「IT、IT」と叫んでいたのも、竹中平蔵氏だった。別にぼくは竹中氏個人に恨みがあるわけではありません。アメリカで経済学を学び、その理論を日本で国民相手に「臨床実験」したのではないかと思えてしまうのです。机上演習ならかまわないが、実世界に応用してみたくなる学者馬鹿がいるのです。

 夜、アメリカで弁護士をしているK女史と長電話。事情があって、日本で弁護士事務所を開いているアメリカ人弁護士と一緒に仕事をすることになりそうだという。「守秘義務があるかもしれないが、面白い話があったら、そっと教えて」などと昔の同級生のよしみでいったりした。
 物書き稼業というのは因果なもので、ひとの不幸が格好のネタになることがある。
 光の裏には必ず影があるというのが、ぼくの持論である。世の中「悪」ばかりの人はいないし、逆に「善」ばかりの人もいない。「善人」を強調したり「美談」として祭り上げる人や現象があったら、必ず「裏」があると思ったほうがいい。
 
 長所もあれば短所もある。賢くもあり馬鹿でもある。天使の心と悪魔の心をあわせもつ怪物。
 それが人間なのです。
 それでも圧倒的多数の人間は、天使の心と悪魔の心の比率が7:3か、せめて6:4ぐらいなのですが、これが3:7か2:8のような人がいるのですね。政治家などは、4:6ぐらいか。しかし、それでは「陣笠議員」ですね。2:8ぐらいでないと総理クラスにはなれないでしょう。
 犯罪者の中には1:9という人もいますが、案外、8:2ぐらいの人が罪を犯してしまうのです。大人になっても「子供のように純な心」の持ち主は、世の中に適応しにくい。自分で自分を追い込み、自殺へと至る人もいるでしょうが、逆に「義憤」が世間にストレートに向かい、つい約束事(法律)を破ってしまうのです。
 お前は……といわれると、うーん……5:5ということにしておきましょう。 
 
by katorishu | 2006-02-26 00:46
 2月24日(金)
 トリノの冬季オリンピックで、日本はようやく金メダル。荒川静香がプリンスホテル所属というには、ちょっと気にはなるが、素直におめでとうをいいたい。
 テレビで華麗な滑りを見たが、肉体表現の極限をも見せられた思いで、素直に感動できました。何より体がしなやかで、動きが大きく見えた。表情もいい。近頃、稀な明るいニュースです。

 午後2時から六本木で放送作家協会の理事会。そのあと総会。いろいろと原稿の執筆があるので、終わって出席者とお茶も飲まずに、雨の中を真っ直ぐ帰宅。
 六本木というと、以前はテレビ朝日のことが連想されたのだが、最近では浮かぶのは六本木ヒルズであり、ライブドアである。
 耐震構造偽装事件等に続くライブドア事件、さらには皇室典範改正問題で、小泉政権は自壊すると思っていたのだが。
 これで立ち直るとしたら、小泉氏というのは世にも稀な強運の持ち主ですね。

 民主党の永田議員のチョンボで、一番喜んでいるのは武部氏や竹中氏だろう。 
 このところ、テレビで見る竹中総務省の顔色が冴えない。まさか、ライブドア事件と何か関係でも……と疑ってしまいます。そういえば、彼も決して豊かではない履き物屋の息子から、大臣にまで成り上がった人なのですね。
 昔の若者は「末は博士か大臣か」といった。
 竹中氏は位人臣をきわめ、さらに首相の座に意欲を見せていたという報道もあった。じっさい、小泉退陣後の「首相レース」で、「ダークホース」と見られていたのだが、ライブドア事件で完全にその目はなくなりましたね。

 親の七光り世襲大臣より、ましかもしれないが、
「努力した者が報われる世の中にしなければいけません」
 などと絶叫する姿を見て、悲しくなりました。
 豊かでない家に生まれながら本人の努力と才覚で時の人になる。そこまではよかったのですが、日の当たるところばかり歩いてきたので「庶民」のことをつい忘れてしまったのでしょう。
 ぼくの周囲を見ると、「たいした努力をしないで報われる人」が、「ますます報われる社会」になっています。逆に「努力をしても報われない」人が増えている。
 昔ほうがまだ、「努力をすれば報われる人」が多かったと思いますよ。

 じっさい、中小零細の企業やそこで働く人たちは、ほんとによく努力をしています。血の滲むような努力をしています。なのに、報われない。
 もちろん努力をしない人もいます。努力の方向が違っている場合もあります。

 ところで「報われる」とは一体なんですか。
 ホリエモンのように、金銭的な報酬を誰よりも多く独り占めにすることですか。そういうのは、「欲張り」とか「守銭奴」といって日本の社会では嫌われ者の最たるものであったのです。
 我欲をかかずに、成果を分け合う。そこに日本の良さがあり、多くの人が生き甲斐を感じて努力をしたからこそ、あの悲惨な廃墟から復興したのに。
「報われる」とは、自分ばかりではなく、他人も報われ、幸せ感を得るということでしょう。幸福感は必ずしも「金銭」と結びつきません。

 お金があっても不幸な人は沢山います。お金があったからこそ不幸になった人も多いのです。昔、宝くじの一等に当選した人の「その後」のことが週刊誌に出ていたが、幸福になった人より不幸になった人のほうが多かったと記憶しています。

 「お金がなくても幸せを感じられる社会」
 そんな社会を、持ち前の弁舌のうまさで国民を煙にまき、崩そうと懸命になっている。制度疲労を起こしている官僚システムを壊そうとするのはわかるのですが、ついでに日本社会の美点まで壊してしまったら、それこそ元も子もなくなります。

 
by katorishu | 2006-02-25 01:32

日本の中枢はガタガタ

 2月23日(木)
 日本国の土台ばかりでなく、中枢部分もガタガタになっているようだ。
 本日、毎日新聞のスクープで、海上自衛隊から機密情報が大量にウエブ上に流れ出たと報じられていた。トップシークレットも入っていたようで、大変な失態である。

 ウエブ情報で見たところによると、一人の自衛隊員が自宅にもちかえったパソコンにウイルスが感染し、そこから漏れたとのことだ。事実だとすると、自衛隊ってそんなに簡単にトップシークレットの情報を外部に持ち出せるのか。
 危機管理のシステムがまったく機能していませんね。防衛施設庁の談合事件と言い、防衛関係者は一体何を考えているやら。
 その後の報道で、情報漏れのなかに「極秘」の項目はあったが、中身は漏れていなかったということだが。お粗末さにかわりはない。

 数年前、知り合いの危機管理の専門家の「勉強会」で、海上自衛隊の佐官クラスの人たち何人かと会ったことがある。アメリカのウエストポイントで教官をしていた人もいたが、一人一人はとても真摯な紳士といえる人たちで、いろいろ興味深い話もきけた。
 
 こういう人たちが目立たないところで、汗をかいているのだな、と思ったのだが。やはりシステムに問題があるのでしょう。
 人間は過ちを犯す動物です。どんなに注意していても、ときどきミスが起こる。航空機の事故を見ればわかるように「絶対安全」ということは、人間である限りあり得ない。その観点に立ち、「危機回避」のために、関係者がいろいろ英知をしぼっている。

 恐らく「知恵」や「英知」をしぼるのは成績優秀の高級官僚なのでしょうね。そこに与党の政治家がのっかっている。それが「日本というシステム」です。
 成績優秀で頭がよくても、「世間」というもの「人間」というものを知らない人間が増えてきて、政権中枢にはいりこみつつあるのではないか。
 政治がらみの最近の「事件」を見ていると、そんな疑いを抱いてしまいます。システムの中枢がおかしくなっていることの具体例をあげるまでもないでしょう。

 それにしても民主の永田議員、お粗末でしたね。
 永田議員の入手したメールは、週刊新潮によれば、元週刊誌の記者で、現在出版社社長をしている人物がもちこんだものであるという。この元記者はかなりいい加減な人物で、かつて「週刊ポスト」に載った清原選手のスキャンダル事件をはじめ色々な週刊誌に「ガセネタ」をもちこんでいたとのこと。その度に問題が発生し、裁判になり週刊誌側は敗訴……。そのため、業界では要注意のマークがはられていたという。

 「週刊新潮」の記事を信じるとすれば、そんな「いかさま師」に永田甘ちゃん議員は見事はまったようなのです。そんないい加減なネタひとつで、長年の政財官の癒着の構造の中で「(疑惑)隠しのノウハウ」を蓄積してきている与党に、大打撃を与えることが出来ると本気で思っていたのだろうか。彼も「成績優秀」だったのでしょう。」
 この件で、ほかの不祥事がかすんでしまい、「巨悪」はのうのうと眠る結果になってしまった。
 まだ他に隠された情報が出てきて、ライブドアにむらがった連中が浮かび上がるかもしれない。「少額納税者」ではあるが、一応税金を払っている者として、税によって運営される政治を監視していきたいものだ。
 
by katorishu | 2006-02-24 02:01

情報こそ「力」

 2月22日(火)
 ライブドア事件で、ホリエモンと一蓮托生のダッグをくんできた小泉・竹中・武部政権は、今後どうなるのか。
 悪材料が山とあるのに、野党は追及が甘いというか、準備不足が目立つ。結局、情報収集ができていないのですね。今の世の中、情報を握ったほうが勝ちです。
 民主も小沢一郎氏か菅直人氏であったら、こんな攻め方はしなかったでしょう。東大、高級官僚、政治家……というコースを歩んできた永田議員は、やはり苦労知らずの「甘ちゃん」といわれても仕方がないですね。
 ボンクラな「世襲議員」よりはましですが。
 旧社会党も共産党も、恐らく情報がないのでしょう。この件では、またく蚊帳の外。

 外務省を「休職中」の佐藤優氏によると、日本には情報のプロ、専門家がいないに等しいとのこと。政権を狙う党であったら、情報収集に力をいれないと駄目だと思います。
 政権党には「権力」があるのですから、それと対抗するには、まず情報です。今の時代、情報こそ力です。
 野党第一党のころの社会党は、かなりの情報収集力をもっていたはず。共産党も、もっと情報収集力があったはずだが。
 駄目ですね、このふたつの野党も。
 支持者の裾が広くなければ、意味ある情報が集まってくるはずもありません。豊富な資金があれば、情報は集まると思いますが、資金も貧のようで、これではじり貧まっしぐらです。

 かくて、小泉自民党は生き延びるのか。
 昨日、ビデオニュースドットコムで、元自民党政調会長の亀井静香氏が、外国特派員協会で行った講演を見たのですが(1時間近い)、かなりまともなことをいっていました。
 日本の美点であった「中産階級」の消滅を憂えている点は賛同できます。

 亀井静香といえば、公共事業に巣くう既得権益層の代表のように見えていたのですが、まともなことをいうようになっている。読売新聞の渡辺会長も、かなりまともなコメントを出している。逆に考えれば、この5年ほどの間に、「まともでない」方向に日本は傾いてしまったのではないか。
 日本の土台が、ずいぶんと虫食い状態になり、壊れてしまったのですね。
 虫食い状態の結果、太ったのは誰なのか。どんな層なのか。ホリエモンや談合で逮捕者続出の防衛施設庁の役人たちは氷山の一角です。
 マスコミは「調査報道」などで、この点を鋭くついてほしいですね。

■ところで、本日は近くの喫茶店で5時間半ほど執筆。
 帰宅して、品川ケーブルテレビで昔の大河ドラマ「山河燃ゆ」の6回を見ました。脚本を担当したのですが、今見ると、やや甘いなという気がします。まっとうすぎて、ひねりがない。ユーモアがない。ここの台詞のつっこみが浅い、などと思ってしまう。
 当時はそれなりに一生懸命に書き、面白く出来たと思っていたのですが。
 役者はみんな若かった。島田陽子なども、いい雰囲気をだしてました。手塚理美など子供みたいに若かった。松本幸四郎。ジュリー。篠田三郎、西田敏行。そして御大、三船敏郎はすでにあの世。
 時はすぎゆき、少年は老いやすく……としみじみ感じてしまいました。
by katorishu | 2006-02-23 03:08

楽な生き方は感動が薄い

2月21日(火)
 図書館と自宅で終日、執筆。予定通り進まないのは毎度のことだが、最近どうも書くのが遅くなったような気がする。早く書くのがいいわけでもないが、脳機能の衰えなのか、と思ってしまう。
 脳を活性化するためには、人とあって話をすることが必要だ。ただ会ってだらだらと緊張感のない会話をつづけていても駄目で、ぼくの場合は、取材で初対面の人、それも少々あつかいずらい人を相手に、押したり引いたりしながら情報をとったり、仕事の打ち合わせとか、一定の緊張感をもって知恵を出し合ったり、議論をしたりするのがいいのだろう。
 
 図書館にいつ行っても来ている人がいる。40代後半から50代半ばと見られる人も多い。まだ引退する年齢ではないし、ぼくのような「自由業」でもなさそうだ。とにかく「時間をつぶしている」ようなのだ。数ヶ月前に会ったときより、疲れているようで冴えない顔つきの人が多い。「リストラ」という名でクビを切られた人だろうか。あるいは事業に失敗した人だろうか、などと思ってしまう。
 お世辞にも身きれいな格好とはいえないし、行き場がないので、ここにいる、という印象だ。

 昔から図書館にはよく足を運んでいるが、この10年ほどで、以前とは明らかに様子がちがってきている。
 日本社会がおかしくなっていることの、ひとつの現れではないのか。「格差社会」もそのひとつだろう。こういう社会に拍車をかける政策を打ち出した張本人の小泉首相は、
「そんなことはない。これまでが悪平等だったのだ。成功者を嫉妬する社会になっている」 といった意味のことを話していたが、勘違いもいいところだ。
 権力の味や人を煽動する技術については、よくわかっているのだろうが、人間のことをよくわかっていない人だ。
 
 人それぞれ能力も努力の量も質も違うのだから、「差」がでるのは当然で悪いことではない。問題なのは、「差」が大きすぎるということだ。「わずかの差」が「極端な差」を生み出すシステムが出来つつある。竹中大臣等は意図しているのかどうかわからないが、結果として、日本はそういう社会になりつつある。
 憂慮すべきことである。
 なぜ、憂慮すべきかというと、「極端な格差」は「格差」を固定する方向に働き、多くの人間を「努力してもしょうがない」という気持ちにさせてしまう。
 「世襲」というのも、典型的な「格差固定化」のシステムである。
 以前、日本ではどんな資産家でも、三代たつと相続税で消えてなくなるといわれたものだ。ジイさんの代で繁栄していても、せいぜい孫の代までしか「美田」は伝わらない。それでは困るという、努力せずに「いい暮らし」をしたい層が、相続税の逓減を主張したり、節税という名の脱税をしたりしている。(封建時代は「格差」固定化の典型的社会だった)

 ぼくの知る範囲では、ジイさんの時代から、「結構すぎる遺産」を受け継いだ孫やひ孫で、多くの人から尊敬されたり意味のある仕事や成果をあげた人はほとんどいない。
 昔の人は「子孫に美田を残すな」といった。大いに意味のあることなのである。
 年寄りを、とにかく「楽に楽に」とさせ、毎日ご馳走ぜめにしてみるとよい。病気になって早死にするか、惚けてしまう。
 
 子供や若者では、影響はもっと顕著で深刻だ。
 人間も所詮動物の一種なので、「飢えている」のが正常なのである。だからこそ、努力もするし、知恵もしぼる。それが脳や体の活力をたもつことになる。
 楽をしてはいけません、生きている限り。絶対的な楽をしようと思ったら、永眠することです。これほど楽はことはない。人は誰でも必ず永眠という楽土に至るのだから、そこに至るまでは、せいぜい汗をかき、体を使い、知恵をしぼり、悪戦苦闘しつつ、その中にたまさかの喜びを得たいもの。
 平凡な例えだが、車やケーブルカーで山に登るのと、下から歩いて登ったのとでは、頂上についたときの感激、感動は天と地ほども違う。苦労して得た果実はうまいのです。
 こんな当たり前のことを忘れている人が、多すぎますね、このごろは。社会の根っ子が腐っている証拠である。
by katorishu | 2006-02-22 01:22
2月20日(月)
 ライブドア問題は政権をゆるがす事態になっており、目が離せない。しかし、永田議員が国会で暴露した、ホリエモンが送ったとされるメールの信憑性が今ひとつ、はっきりしない。
 民主党の指導部は「若手」が多いので老練な与党に、してやられる……という可能性も否定できない。

 そんな政界の混乱を反映したのかどうか。株価が下落している。
 先週末の平均株価は330円安の1万5713円と、3週ぶりに1万5800円を割り込んだ。この1週間で544円も下げたことになる。
 個人投資家は相当の損失をかかえているとのこと。特に「ネット投資家」はほとんどが信用取引をしているので、株価下落で「追い証」が発生し、売りが売りを呼ぶ最悪の展開になっているそうだ。

 ぼくは株取引を一切したこともなく、一株ももっていないが、現代社会を動かす「動脈」のひとつとして株の動きには関心をもっている。
 小泉政権は「景気がよくなった」としていろいろな数字をあげており、株価が高くなったのも、一例にあげていた。
 ぼくには「景気がよくなった」という実感はまるでなく、周囲の人間もそう実感している人はいない。ぼくの周囲が特別「貧乏人」ではないはずなので、これが世間の常識というものだろう。
 ライブドア問題と、それに連動する株価下落や、政界スキャンダルは、政権の末期症状である。

 日本をここまで壊してしまった小泉政権には9月の退陣を待たずに早くお引き取りを願うしかない。これ以上、日本の「美点」であったものを壊してもらいたくないので。
「足るを知る」「節度」「職人」……同時に「勤勉」で「好奇心旺盛」「労を厭わない」……これらが日本の「良き伝統」を表すキーワードだと思うのだが。
 これらが「死語」になったら、そのとき「日本」はおしまいである。
by katorishu | 2006-02-21 02:11

ライブドア事件の奥深さ

 2月19日(日)
 テレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」を録画で見た。ライブドアの堀江社長が自民党の武部幹事長の次男に「3000万を振り込んだ」とされる問題で、自民と民主が、熱くなっている。
 堀江氏が武部氏の次男に送ったというメールが、本物なのかどうかが焦点だが、本日の番組を見るかぎり、今ひとつはっきりしない。

 自民から櫻井議員がでていて、今週中に振り込み先の銀行の口座番号を明らかにするといっていた。それが出ると、自民は窮地に追い込まれる可能性が強いが……。
 検察が異例の「把握していない」との声明を出すなど、背後でいろいろな動きがある。権力の中枢をゆるがす問題なので、そう簡単には真相は明らかにならず、紆余曲折が予想される。

 立花隆氏のいうように特捜は「ロッキード捜査以来」の捜査態勢をしいている。ぼくの推定だが、検察は小泉政権に加担するためではなく、政権中枢からの「圧力」を前もってかわすためにこそ、敢えてあんな声明を出したのではないか。

 根っ子の深い問題である。堀江氏は経団連にも入っているし、彼の株にはアメリカを中心とする外資が深くかかわっている。
 外資からも様々な形で圧力や、目くらましがいっていると、想像したほうがいいだろう。
 以前、日本の不動産を買いあさる外資のために動いている弁護士に直接聞いたのだが、東京都心の不動産のかなりの部分は既に外資のものになっているとのことだ。
「仕事なので、やっているが、ちょっと恐ろしくなることもありますね」と某弁護士。
「いずれじっくり取材させてください」といったが、時間がなく、そのままになっている。

 バブル崩壊で、もっとも得をしたのは、アメリカ資本、ユダヤ系資本である。
 バブルも仕組まれたものであり、バブル崩壊も、どこかで仕組まれたものではないのか。そういえば、ロッキード事件も背後にアメリカのたくらみがあった。

 ライブドア事件と、外国資本とのつながりはどうなっているのか。特捜はそこまで踏み込めるかどうか。
 いずれにしても、ライブドア事件は、今後の日本の進路を左右する「大事件」になってしまった。

■シナリオ塾の生徒、二人に自宅近くにきてもらい、課題シナリオの講評を。
 あとの時間は、ノンフィクションの執筆。日中のはざまに生きた元商社マンの物語だが、内容が面白すぎて、しばし考えてしまう。

■品川ケーブルテレビに加入した。BS、CS、専門チャンネルなど、かなりの多チャンネルを見ることができる。時間が食われるので、テレビの視聴時間は一日一時間以内にしていたのだが、これだと数時間見てしまいそうで、結局、睡眠時間にしわ寄せがいきそうだ。
NHKの大河ドラマ『山河燃ゆ』がケーブルテレビの『ファミリー劇場』で2月から放送されている。じつはこのドラマの脚本を市川森一氏と共同で40数本書いている。日米戦争と「東京裁判」をあつかった内容なので、極めて微妙なものがあった。
 放送中、アメリカ大使館や右翼から抗議などもきたりした「問題作」なので、その後、NHKでもずっと再放送をしてこなかった。
 この時期、民間の「ファミリー劇場」で再放送に応じたのは、どういう風の吹き回しか。
 渋谷の東武ホテルに一年近くこもって書いたころが、懐かしく思い出される。
 22年前の放送作品ですが、きな臭い匂いが漂いはじめた今こそ、若い人に見て欲しい作品です。
by katorishu | 2006-02-20 02:00