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 6月29日(木)
■暑い一日だった。午後、文春でノンフィクションの本の打ち合わせ。そのあと、渋谷の喫茶店で仕事をしていたところ、パソコンの表示がまた不具合に。電源を切ったりつないだりして、なんとか回復したが、厄介なことだ。

■カミサンと落ち合い、下北沢へ。本多劇場での加藤健一事務所公演「木の皿」を見る。8時開演と思いこんでおり、7時半に劇場についたところ、すでに始まっていた。金曜だけ8時開演で、それが記憶に残っていたための誤解。7時開演だった。
 幸い、小田急の電車事故があったため、開演を15分遅らせたとのことで、開演後20分後から見たことになる。ぼくはすでに「プレ公演」を見ているので、地方公演をへたあと、どう芝居が発展し熟しているか、そのへんを見たかった。舞台は「生き物」で、毎日のように出来不出来がかわる。以前に作演出をした経験から、実感していることだ。

■さすが、公演を積み重ねただけのことはあり、引き込まれた。それぞれ重荷をかかえている中年の子供たちが、老いた父親を老人ホームにいれるいれないで、軋轢が生じ……といった展開の家庭劇だ。アメリカの作品で昭和28年が初公演とのことであったが、なにより脚本が良いので、二度目なのに新鮮であった。
 胸にジーンとくる場面が随所にあり、最後まで引っ張っていく。最近、家庭の問題に真っ向から取り組んだ真摯な家庭劇が、テレビドラマからすっかり姿を消してしまったが、演劇の場では健在であり、嬉しかった。

■カミサンと会わせて1万円の入場料は安いくらいである。アメリカの古き良き時代のドラマで、今の日本の家庭問題と通じ合うものがある。さまざまに考えさせる内容を含んでいた。なにより台詞がよく、役者たちもそれぞれの個性を際だたせていた。生の舞台は良い……とあらためて思ったことだった。

■終わって、近くの居酒屋で出演の鈴木一功さんたちと軽く飲食。加藤健一氏も隣にきていたが、早々と帰って行った。マネージャー氏に秋以降、ぼくが聞き役、まとめ役となる雑誌の連載インタビューに登場願えたら、と……ぼく個人の意向を伝えておいた。編集部の意向を聞かなければならないが。
 一貫して舞台で洋物をプロデュースするとともに主役を演じている加藤健一氏に敬意を表したい。一功氏の話では加藤氏は年に200本もの脚本を読んでいるとか。芝居が本当に好きな人のようだ。インタビューできるとしたら、そのときが楽しみである。
by katorishu | 2006-06-30 02:18
 6月28日(水)
■ワールドサッカーのブラジル・ガーナ戦は最初から最後までテレビで見た。とくにロナウドのボールに食らいついていく姿は逸品であり、色気さえある。8年前から注目していた。今回太り気味なので、だいじょうぶかなと思っていたのだが、日本戦につづきさすがという貫禄を示し、ゴール記録を更新した。 
 ブラジルチームが勝ち進んでいくと、最後まで見ることになりそう。サッカーこそハングリースポーツの最たるものである。貧しい南米の国が強いというのも小気味よい。

■ヨーロッパ勢が圧倒的強みを発揮しているが、ブラジル、アルゼンチンに頑張ってもらいたい。ガーナとブラジルがつぶしあったのは残念だった。ガーナも中盤では攻勢をかけ健闘した。イギリスあたりと戦っていれば、あるいは勝機があったかもしれない。
 今回の大会で優勝するのは、まずブラジル、それと開催国のドイツ、ベテランのジタンがいるフランスあたりか。決勝トーナメントにアメリカ、ロシア、中国などの世界の「強国」「大国」の姿のないのは興味深い。いずれも軍事大国である。

■気温が30度をこえ、蒸し暑い一日だった。喫茶店などに入ると、どこもクーラーが冷えすぎている。オフィスビルなども多くは冷えすぎなのだろう。真夏に体を冷やしすぎて風邪をひくなど、ひと昔前はブラック・ジョークであったのだが、それが日常になっている。冷やしすぎはエネルギーの浪費である。店の中で働く人の体感に温度をあわせているからなのだろう。確かに店の人は常に体を動かしているので、それほど冷え切っていない。
 客商売なのに、客のことを考えていないのである。あるいは、ぼくのような長居する客対策で冷えすぎにしているのかもしれないが、冷やしすぎは環境にも悪いし、心してもらいたい。

■本日は大井町まで歩き、コーヒー店で4時間ほど、カフェラテを2杯飲んで仕事をした。
さらに別の1軒で1時間半ほど、計5時間半、外で仕事。ゲラの校正で終わってしまった。
 美容整形医師の娘さんが誘拐された事件がテレビなどで大々的に報道されている。母親が年間所得12億とかいう「金持ち」で渋谷の一等地に住み、テレビなどで「リッチ」を強調する番組に出ていたことで、ことさら取り上げるのだろう。
 犯人はテレビで「金持ち」と知って娘を誘拐したと話しているという。

■母親が画面にでてきたが、人工整形女性の典型である。被害者側なので悪くいいたくはないが、高い料金をとってこういうのを「美」だとして喧伝しているのだろう。
 彼女が出ている以前のテレビ画面が流されたが、自分がいかに娘思いで、良い家に住みリッチな生活を送り、娘にも贅沢をさせているかを誇っており……見ていて反吐が出そうになった。

■腹の脂肪吸い取りで、1回100万円をとり、1時間ですむから「わたしの時間給は100万」などと話していた。ブティックにいって、かかっている衣類を指さし「ここからここまでまとめて買うわ」などといっており、季節が変わると衣服は全部捨てて、新しく買い換える……などといっていた。下品も極まれりという感じである。
 意外に思うかもしれないが、その人の品性や教養、生き方などは、じつに率直に「声」に出るものである。母親の声を聞いて、いやだなと思った。こういう親を持つ子供は可哀想である。
by katorishu | 2006-06-28 23:41
 6月27日(火)
■東京の気温は30度をこえたのではないか。梅雨の晴れ間で、雨降りよりいいのだが、暑さにはどうも弱い。NHKでラジオドラマの打ち合わせ。あわせて主人公とその仲間になる15歳の高校生役の「オーディション」。ラジオは声だけなので、能力差が際だつ。なかなか「逸材」というのは少ないものだ。

■深夜、ワールドサッカーをこのところよくテレビで見るが、さすがに決勝トーナメントに出るチームは迫力がある。サッカーは格闘技であることを改めて実感する。
 日本チームは世界レベルにはまだまだ遠いといわざるを得ない。週刊誌によると、日本チームの対戦はテレビ中継にあわせて2戦とも、時間をずらしてもっとも暑い時間帯に組み合わされたとか。日本が払ったカネが働いたのだろう。日本サッカー敗戦の原因は「テレビだ」という人もいる。

■視聴率さえとれれば、選手のことなどどうだっていい、という底意が垣間見られる。中田選手などの憤りはわかる。ただ、日本のサッカーはテレビで喧伝されたからこそ人気を得たのだし、もちつもたれつの関係にあるのだろう。
 しかし、日本が世界レベルに達するには、このもたれあいを断ち切らなくてはダメだろう。そもそもサッカー選手になる目的が、「いずれテレビタレントとして活躍したい」という選手も多いようなので、この傾向は変わらないかもしれない。

■こんなにテレビが影響力をもってしまってよいのだろうか。国民多数がテレビの宣伝に踊らされているからこそ、こういうことになるのである。 
 ほんとうに宣伝というより煽動に弱い国民である。権力者にはまことに都合の良い国民で統治しやすいのかもしれないが、情けないことである。
by katorishu | 2006-06-28 00:02
 6月26日(月)
■午後、大森駅近くで鈴木正信さんとノンフィクションの件で打ち合わせ。9月刊は決まっているが、タイトルは「北京の檻」となりそう。文化大革命の時期、無実の罪で北京監獄に5年2ヶ月もの間、幽閉されていた鈴木さんの人生行路に迫る。
 日中関係の深部に触れる素材であり、多くの人にぜひ読んで欲しい本だ。

■相変わらずすっきりしない天気が続く。
 大森駅から京浜急行の大森海岸駅まで5分ほど歩き、そこから北品川の新馬場駅までいく。品川図書館と近くのコーヒー店で仕事。カミサンと落ち合い、青物横丁駅近くの居酒屋で軽く飲食。品川界隈の飲み屋に入るたびに感じるのだが、どの店も味付けが塩辛い。東北地方は塩辛い料理が多いが、東京の西部に近い品川界隈でなぜ味付けが濃いのか、よくわからない。

■ぼくなど、なるべく薄味で素材の味を味わいたいのだが、塩味、砂糖味が濃いと素材の味が消えてしまう。スーパーなどで売っている出来合いの食べ物はほとんど味付けが濃い。恐らく日本人全体の味覚が鈍磨しているのだろう。味の素の普及が悪い影響を与えているにちがいない。それとアメリカ方式のハンバーガー・ショップやファースト・フードの普及も味覚の鈍磨に拍車をかけているのだろう。

■味覚は5感のひとつであり、この感覚の鈍磨は他の4覚にも影響をおよぼすに違いない。人間は5感が十全に均衡よく発達してこそ、まっとうな存在になるのだと思う。
 近頃は聴覚、視覚に偏りすぎで、それでは脳が十分に発達しない。5感のうちひとつの感覚が鈍磨すると、他の感覚に影響をおよぼすのではないか。
 人間は有機的につながっている細胞の集成されたものである。どれかひとつの機能ばかりを異常に使い、ほかの機能を異常に使わないと、バランスを崩し、脳の働きも狂い誤作動を起こしてしまうのではないか。
 最近の異常犯罪やモラルの欠如を見ていると、そんなことを思ってしまう。たかが味覚といっても、大きな意味をもっているのだと思う。

■村上ファンドの村上社長が本日、拘置所から出てきた。これに関連して宮内オリックス会長は以前、沈黙している。日銀総裁も開き直って職についたまま。民主党議員が村上ファンドがらみで便宜を受けていた。まだまだ芋づる式にぞろぞろ関連の政治家などが出てくるに違いない。やはり過去のリクルート事件の再来となりそうだ。
 検察が政府権力の圧力に負けるか、はねかえせるか、注目したい。
by katorishu | 2006-06-26 23:57

アフガンも泥沼化の様相

 6月25日(日)
■イラク情勢は泥沼化の一途をたどっているが、ここへきてアフガン情勢も泥沼化に陥っているようだ。産経新聞ウエブ版によれば、多国籍軍と武装勢力の暴力の応酬により、6月だけで500人以上が死亡したという。
 事態を憂慮したカルザイ大統領は22日、「国際社会はテロとの戦い方を見直すべきだ。アフガンでこれ以上、人々が死んでいくのは耐えられない」と述べ、親米路線や復興の遅れに対して国民の反感が高まっている現状に、強い危機感を示した。

■さらに18日付のワシントン・ポストによると、米軍が過去3カ月間に行ったアフガンでの空爆は340回に及び、イラクでの空爆160回の二倍以上にもなる。
 多国籍軍が武力攻撃を激化すればするほど、タリバン勢力への共鳴者が増える悪循環に陥っているという。ブッシュ政権の狙いとは逆に、「テロの防止」どころか「テロの拡散」になっているのである。

■地上の人間の4,5人に1人がイスラム教徒という現実を直視すれば、彼等を力でおさえこむことなど出来はしない。アメリカ国民は9,11テロの衝撃があまりに大きかったため、力には力で対決するというブッシュを大統領に選び、アフガン戦争、イラク戦争を圧倒的に支持した。じつは大統領選挙は僅差でブッシュが選ばれたのだが、911で一挙にブッシュの強行路線支持にまわってしまった。
 政治は「結果」で評価される。ブッシュ政権の強硬路線でテロは減ったであろうか、世界は安定化したであろうか。逆である。

■南米にはあいついで反米政権が生まれている。イスラム教徒の反米意識は強まる一方だ。反米意識の強い民族や国家に共通していることは、貧乏であることだ。世界の圧倒的多数が富裕であるなら問題は少ないが、圧倒的多数は貧乏である。
 この層を「敵」にして安定がもたらされるはずもない。戦争や紛争の原因のほとんどは富の偏在から起きている。

■本日のテレビ朝日のサンデー・プロジェクトに竹中総務相がでて小泉政権は「奇蹟の政権」であると手放しにほめていた。この政権でずっと大臣でありつづけていたのは竹中氏一人であり、要するに自画自賛しているのである。
 日本のアメリカ化を竹中氏が本気で考えているのだということが、よくわかる。ぺらぺらしゃべりまくり、自らのやってきたことが「絶対に正しい」として、「待てよ」と立ち止まって、成否を考えたりしない。

■人間というのはどんなに頭脳明晰な人でも間違うものである。試行錯誤しつつ、自信をもったり失ったりして、迷いながら進む、それが人間であると思うのだが、「頭脳明晰」な竹中氏の脳裏にはそういう「迷う」はまったくないかのようだ。

■竹中改革にプラス面があったことは認めるが、同時にマイナス面も強く出ているのだということ。それを少しでも感とる感度が欲しいものだ。理屈だけで割り切ってはいけないのだと思う。
 村上ファンド、ホリエモン、木村剛……等々、みんな竹中氏のおともだちである。我欲をかき、果実を独り占めして、それは「国益になる」としてテンとして恥じない。
 彼等のもらたした「競争原理社会」によって脇にやられ自殺寸前にある人のことなど、まったく視野にない。

■世界水準だ、などといって、ワールドサッカーの日本チームの敗退を、悪い例としてひいていた。こういうのを牽強付会、こじつけという。じつに、こじつけやレトリックのうまい人だ。単細胞や欲深人間や経験の浅い人はコロッと騙されてしまう。
 自分のやること考えることは「絶対に正しい」と思いこんでいる人間が、権力を握ると危ない。
by katorishu | 2006-06-26 00:15
 6月24日(土)
■14時半より17時半までシナリオ義塾の講義。受講生は最近減っているようで、本日は女性が二人。一人は女医で、一人はテレビ制作会社勤め。雑談風に話をすすめ、シナリオを書く意味や、特性、どうしたら人の心を打つものが書けるか……等々。基礎コースなので、わかりやすく説明。
 書かねばならない原稿等があるのだが、品川駅構内の本屋で目についた『自壊する帝国』(佐藤優著)と『ネットがテレビを飲み込む日』を買い、コーヒー店にはいり拾い読み。いずれも面白く、さらに読み進むのが愉しみだ。

■NHKをこの春、退職した大森青児氏が大阪でテレビ制作会社「花三」を設立したとの案内状がきた。「私生活」で一緒に仕事をした。酒好き、話好き、人好きで、つきあいの範囲が広く、面白い数々のドラマを手がけ、「現場」にこだわった人だ。豊富な人脈とドラマ演出の実績をもとに設立したに違いない。
 噂には聞いていたが、決断したのですね、大森さん。現在、制作会社は過剰気味で、経営はそう簡単ではないと思いますが、成功して欲しいものです。
 このブログを時々読んでいるとのことですが、この場で「設立おめでとう。良い番組をつくり関西に花三ありの気概を!」とエールを送らせていただきます。

■定年後は遊んで暮らすという人がいるが、今の60歳前後は昔でいえば8掛け、つまり48歳というところである。意欲ある人は社会で活躍をし、次世代に「良き伝統」をバトンタッチしていって欲しいものだ。
 遊んで楽をして暮らしていると、かなりの確率で脳の劣化が進む。人はなんらかの形で社会とかかわって生きたほうがいい。来年から続々と「団塊の世代」が退職していくが、彼等の抜けた穴がうまく埋められるかどうか。「世代間ギャップ」は埋まるどころか、ますます開いているようなので、まずはギャップを埋める努力をして欲しいものだ。
 
by katorishu | 2006-06-25 00:39
 6月23日(金)
■北千住で脚本アーカイブズの会議。ワールドサッカーの日本対ブラジルの試合をテレビで朝まで見ていたので寝不足。日本はブラジルに惨敗したが、素人目にも、ブラジルとの差は歴然としていた。スポーツマスコミは決勝トーナメントへ日本チームが進出するのが当然と、過度に「実力」を煽ってきた。煽られた国民は、決勝トーナメントに進むのが当然と思っていたようだが、日本チームの実力は世界基準からはまだ遠い。
 ブラジルチームの選手はボールが足に粘るようにからみついており、動きも状況判断も的確だった。日本は1ゴールを決めたことで、満足しなければいけないのだろう。

■もちろん日本チームに勝って欲しかったが、それとは別にテレビ中継でのスポーツコメンテーターと称する人や起用したタレントたちの、あまりのはしゃぎようは、醜い。
 今朝の中継はNHKのBSだったが、アナウンサーも解説者も比較的冷静で、悪くなかった。それに比べ、高視聴率をあげた過日のゴールデンタイムで放送された民放の中継は、アナウンサーや解説者がやたらとうるさく、はなはだしく品位に欠けていた。NHKが比較的年配のアナウンサーと解説者を起用していたのに対し、民放が若いアナウンサーを起用していた。その差がでたのだろう。
 ドラマなども、やたらとオーバーアクションでうるさくなっているし、どうも微妙なものを感じ取る繊細さを、多くの日本人は失ってしまったのではないかと危惧される。

■マスコミ等のはしゃぎぶりの中、中田選手の寡黙な姿勢には好感がもてた。日本人はいつから、ギャーギャー、スピッツのように騒ぐ人間がのさばる社会になってしまったのか。選手がブルーのユニフォームを着ていたので、「サムライブルー」などという言葉をマスコミは使っていたが、笑ってしまう。「サムライ」はもっと寡黙で、求道的のはず。
 プレーをする選手の寡黙さには好感をもてたが、テレビ関係者のはしゃぎようには、眉をひそめたくなる。

■テレビをラジオで「聴いて」みるとよい。とにかく、うるさく品位がない。渋谷の繁華街に足を踏み入れた人は感じていると思うが、道路のスピーカーや商店から流れてくる音楽の、うるさいこと。
 聴覚の麻痺している人が、多くなっている証拠である。聴覚の鈍磨は、静かに声を発するものへの鈍感さに通じ、他人の言葉に耳を傾けない「自己中心」につながる。

■そういえば、最近電車の中でも歩いていても、イヤホンをはめて音楽などをのべつまくなしに聞いている人が多い。あんな聴き方を長時間続けていたら、難聴になってしまう。少なくとも、音への感度は鈍るだろう。渋谷の町のうるささや、テレビのうるささと、難聴ないしその予備軍の増加とは、相関関係にあるに違いない。
by katorishu | 2006-06-24 01:37

地位に恋々する日銀総裁

6月22日(木)
■携帯パソコンの画面が消えてしまうことがよくある。壊れたかなと思うと、また復活したり……なにかウイルスに冒されているのかもしれない。頻繁にバックアップをとることで対処するしかない。なにしろ製造元へ過日送って検査をしてもらったところ、どこも悪いところはないというのだった。

■デスクトップのほうのパソコンが壊れてディスクに保存されているファイル等がとりだせなくなってしまったら、相当のショックである。
 本日も近場を散歩したりコーヒー店にはいって創作をしたりするうち一日が終わってしまった。とにかく時間の経過が早く予定していたことを、なかなかこなせない。書かねばならないことや、見たい映画、演劇、読みたい本、会って話を聞きたい人……等々、いろいろあるのだが。

■一日中、脳をフル回転させておくことも出来ないので、気休めにテレビを見る。村上ファンドがらみで日銀総裁が衆議院の金融特別委員会によばれていた。そこで村上ファンドとオリックスの宮内会長、さらに日銀総裁の「親しい関係」が指摘されていた。
 今後、オリックス関連で何かが出てくる可能性が強い。日銀総裁と村上ファンドの問題では海外からも不審の声があがっている。金融の番人として福井氏はいつまで総裁の地位にとどまっているのか。

■地位に恋々としている背景には、なにがあるのか。やめると何かまずいことが出てくるのでは……と思ってしまう。村上ファンドの後見人の宮内会長も依然として沈黙を守っている。要するに宮内氏は「金貸し」で資産形成をしてきた人のはず。そういう人が小泉改革の経済政策の中枢にいたのである。情報なども一般国民よりずっと早く豊富に得ていたに違いない。それが一私企業である村上ファンドに過度にかかわること自体、問題である。
 特捜は政治家もふくめ関係者の情報を握っているのだろうが、果たしてどこまで踏み込むか。自民党の総裁選の様子を見ながら、どう出るべきか考えているのだろう。
 
■世界には金融資産を1億円以上所有する人は800万人ほどいるそうだ。(不動産などはのぞく)。そのうち140万人ほどが日本人だという。株や貯金、国債……等々で1億円以上の持ち主が、そんなにいるのかと驚いた。朝日ニュースターが報じていたのだが、一部の層に金が集まっていることは、そんな数字によってもわかる。

■不動産を処分したり相続で何億という現金を得た人も多いであろうし、必ずしも金融取引などでためたお金ではないかもしれないが、かなりの「金持ち」が増えているのだな、と思った。文筆一本で細々と食べているぼくなどには、ついぞ無縁の金額だ。
 何億もの現金がもし手元にあったら、生来怠惰な人間なので、原稿書きなどの脂汗をかく作業などせず、楽なことばかりして遊んでしまうだろう。歩くかわりに車に乗り、粗食のかわりに飽食をし……ブクブク太って成人病や痛風などにかかり、早死にするか脳軟化症を起こすに違いない。こういう時代なので、皮肉なことだが「貧乏」の効用もあるようだ。
by katorishu | 2006-06-23 00:15

共産主義の末路

 6月21日(水)
■「報道ステーション」で北朝鮮の港湾都市チョンジンに生きる人々のルポをやっていた。隠し撮りしたのかどうか、貧困にあえぐ庶民の姿が映し出されていた。冬場は生活のために必要な水を確保するのに半日がかりであったり、寒さの中何時間もバスを待つ人々。極めて非効率な社会のようだ。まだ木炭車が走っているのには驚いた。

■昭和20年代前半、日本でも木炭車が走っていた。煙をもうもうと吐き出す木炭車は、幼いぼくの記憶にも残っている。当時、乗り合いバスはエンジンが非力なので坂になると乗客が降りて歩いたりした。21世紀になるというのに、北朝鮮ではあの当時の日本の生活ぶりである。一方で、金正日やその家族、党の幹部連中は贅沢三昧の生活をしている。人民のための革命が聞いてあきれる。

■ソ連でもそうであったし、中国でも東欧でもそうだが、「人民のための」国家がもっとも貧富の差の激しい社会であり、普通の国民は抑圧され劣悪な状態でかろうじて生きている。ひところは人類の未来を切り開くと理想化された共産主義の実態はこんなものだった。
 多くの国での実例で示された通り、「理想」が先走って人間を考慮しない政治は、ダメなのである。人間はそもそも理想化すべき種類ではなく、欲望や虚栄のかたまりであり、地上におけるもっとも「困った存在」なのである。

■そんなさめて見方を根底に宿して人間社会を見ていかないと、共産主義の愚を何度でも犯す。ぼくの学生時代、共産主義に夢を抱いた人が少なからずいた。
 いわゆる「進歩的文化人」と称する知識人を中心に、現実や実態を知らずに美化し理想化していた。ぼくはロシア語を専門にしていたので、ともすれば共産主義シンパと見られがちであったが、一度も共産主義に共鳴したこともシンパシーを覚えたこともない。嫌悪が先立った。理由は簡単だった。ロシアが共産化される以前と以後の文学を比べたら圧倒的に革命前の文学がはるかに面白く内容が深く濃かった。
 文化の典型例である文学が面白くない国、言論の自由のない国に、ぼくはまったく馴染めなかった。

■学生時代、ソ連文学を何編か読んだが、面白くなかった。ロシア語を専攻したことを激しく後悔したものだ。エレンブルグなどソ連の中でも異端で西欧的雰囲気をもつ作家の作品は面白かったが、社会主義リアリズムにのっとった小説は読む気もしなかった。
 敗戦後、日本がソ連に占領されなくて、本当によかったと思う。旧社会党や「平和運動家」と称する人の中には親ソ的な人間が多く、ぼくなどそういう人から「小市民」とか「思想がない」などとしばしばいわれていた。
 彼等のいう「思想」とはマルクス・レーニン主義の思想なのだった。そういう思想や理想をもっていた人たちは共産主義の実態が暴露された今、どう感じているのだろう。
 かといってアメリカ主導の「金融資本万能」「市場経済原理主義」も同様に悪弊に満ちているが。

■北朝鮮は現在、テポドンを発射するとかしないとかで、日本等に脅しをかけている。こんな無情な独裁国家がなぜこんなにも長く続くのか不思議な気がする。恐らくは中国の支持があるからだろう。中国も共産党一党支配の独裁国家なので、相通じ合うものがあるのだろうか。朝鮮戦争をともに戦った国同士なので、連帯意識がまだ残っていることはわかるが。いい加減で引導をわたしてもらいたいものだ。

■北朝鮮は窮すれば窮するほどますます意固地になって、体制護持につとめるのだろう。
 拉致家族問題も停滞したままである。この問題で経済制裁などをすれば真っ先に飢えるのは前述したルポに登場するような弱い立場の庶民である。

■日本のパチンコ業界からも相当額のお金が北朝鮮に流れており、そのパイプがつまれば経済的に一気に崩壊に向かうに違いない。ひところ売り上げ30兆円といわれたパチンコ産業。経営者のかなりの部分を北朝鮮の総連系の人がしめているそうだ。
 パチンコ好きは、まわりまわって北朝鮮の経済を下支えしていうといってよいかと思う。誰であったかパチンコで儲けることを「北への経済制裁」などといっていた。

■本日、たまたま映画「カサノバ」を渋谷の映画館で見ることになった。ハリウッド映画の典型的な悪い例で、論評する気も起こらない。若い人は結構おもしろがっていたようだが、パターンの連続で新しい発見も驚きもなく、時間の無駄。仕事の関連もあり、ある映画を見るために渋谷にいったのだが、その映画は午前と午後の二回上映するだけで、午後4時から別の作品にかわっていた。インターネットで調べていったのだが、そんなことは記されていなかった。
 で、別の映画を見ようと道玄坂の映画館がいくつもある一角にいったのだが、どれひとつ見たい映画がない。「ダビンチコード」など同じビル内にある二つの映画館でやっていた。見たひとが一様に最悪といっていた。
 そのまま帰ればよかったのだが、少しはましかと思って見た映画が「カサノバ」だった。最近見た映画は面白い映画が多く、「見て損した」という映画はすくなかった。
 ハリウッド映画には秀作も多いが、それに劣らず愚作も多い。
by katorishu | 2006-06-22 01:04
 6月20日(火)
■このブログはエキサイトのブログで、このところ、ずっと負荷がかかると表示がしにくく、不具合続きでした。昨日、メインテナンスを行い、ようやく正常にもどった印象です。
 昨日、記した内容をアップしようとしたところ、メインテナンスの時間になっており、アップのクリックをしたところ、消えてしまいました。パソコンはこの種のことが多いですね。
 フリーズしてしまい、画面も現れず、壊れたか……と思うと、突然、よくなったり。大事な内容は常にバックアップをとっておく必要があるようです。

■夜、ワールドサッカーを見ることが多いが、選手の動きを見ていると、日本チームは下のレベルであると、テレビ画面からでもわかる。スピード、意欲、力……どれひとつとっても、世界水準にはまだ遠い。なのに、日本のスポーツキャスターやコメンテーターは、例えばクロアチアとの試合など、引き分けたのが「番狂わせ」のような調子で煽っていました。 しかしクロアチアは厳しいヨーロッパ大会を勝ち抜いてきた強豪です。引き分けたのは、大健闘であったのでは……。
 地上波のテレビで見たのだが、とにかく解説者、アナウンサーなどがうるさすぎる。

■テレビに限らず、町を歩いてもやたらと音がうるさい。聴覚がおかしくなっているのでは……と思いたくなる。電車のなかでも歩いていてもイヤホンを耳にいれて音楽を聴いている人が多い。あんなことを長年続けていれば、難聴になる確率が高い。

■微妙なものを感じ取れない人が増えているようだ。スーパーなどで売っている食べ物も、味が濃く、微妙な味つけのものは極端に少ない。出来合いの食べ物など、甘味が強いものが多すぎる。それと「味の素」がどれにもたっぷり入っている。多くの人があの味にならされてしまい、天然のものからとる「だし」だと、うまいと思えなくなっているのですね。
 微妙なところを感知できた日本人の味覚、聴覚は相当程度落ちているようです。それが感受性の鈍麻につながっていくのでは……と危惧される。
 
by katorishu | 2006-06-21 12:57