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 8月30日(木)
■ようやく涼しくなってきたので、外に出て歩くのが楽しみである。以前、片方の手にカバンを片方に資料類をいれた布袋をもって出歩いたが、最近リュックを使用している。某音楽家の葬儀の「香典返し」としてもらったもの。何10種類もの品物から選べる形式のもので、記念になれば、と残るものとして黒のリュックを選択した。

■写真とちがってじっさいに届いたものは、ぼくの好みとはややちがうものであったが、試みに資料や携帯パソコンをいれて外出したところ、楽なので、この半月ほど日々愛用している。おかげで、腕の筋肉が弱るのでは……と心配もするが、涼しくなればこれを背中に小一時間は歩いて、外の「仕事場」(喫茶店など)で仕事が出来そうだ。

■瞬時に気分を転換できるタチで、もしかしてそれが最大の「才能」かもしれない。おかげで、複数の仕事を並行して出来る。こういう「才」が、よく眠れる方向で働いてくれるといいのだが、眠る才能は貧困そのものである。横になったら数分で眠れる人がいるが、ぼくから見たら「大天才」である。

■昼間、溜池山王駅近くの某所で仕事の打ち合わせ。大組織と著名な人のからむことで、間に立つ人はなかなかむずかしい選択を迫られるようだ。
 ついでの雑談で関係者から、著名人二人のその人ならではの、ユニークで面白いエピソードを聞いた。こういう話は、その人の「名誉」にもかかわるので公開するわけにいかない。マスコミの片隅に生きていると、表にできない「面白い話」は至る所にある。歴史上も、「現実にあった」ものの記録として残らない(残せない)ものは、記録として残っていることの何十倍、何百倍もあるのだろうな、と思う。
 歴史とは「事実」と「創造」のミックスしたものである、とこのごろつくづく思う。
by katorishu | 2007-08-31 00:07 | 文化一般
 8月29日(水)
■ぼくが最年少で平均年齢が73歳ぐらいの人たちの「珍しい」昼食会に出席。10数人の出席者だが、どうしても「昔話」が多くなる。ぼくは昭和20年の8月15日、皆さん、どこでどう過ごされていたかについて敢えて質問をした。学徒動員や中学生の勤労動員で働いていたという人が多く、それはそれで興味深く面白い話だった。

■今年82歳になる元某大学教授Kさんは旧制高校時代、学徒動員で海軍にいたが、同じところに安倍晋太郎氏もいた。戦後、同じ部隊にいた学徒動員の人たちの集まりを定期的に開いてきたが、晋太郎氏も常連であったという。息子さんの安倍晋三首相も、首相になる前から父の晋太郎氏に連れられて参加していたそうだ。

■財界関係者もいるので、挨拶をかねてやってきていたのだろう。首相になってからも一度顔を出したというが、「人間としてはとっても良い人なのだが、国の指導者としては、どうも」という見方をする人が多かったとのこと。「苦労知らずのお坊ちゃんだから」とKさんは話していた。一国の最高指導者の器でない人が、たまさかの幸運で最高位についてしまったことのマイナス面を思ってしまう。

■終わってNHKで打ち合わせ。部屋の冷房がきつく喉を痛めてしまった。
 本日、東京は雨が降り、ようやく涼しくなったが、この時期に、かえって体調をこわしやすい。日々の「世迷いごと」を気まぐれにつづる本ブログをお読みくださっている方々、季節の変わり目です、どうか体調をこわされないように。

●ところで、このエキサイトブログ、本日は表示に妙に時間がかかる。アクセスが集中しているので、時間がかかるという表示がでたが、エキサイトはよくこういうことが起きる。
 管理者はしっかりしてもらいたいものだ。
by katorishu | 2007-08-30 00:53 | 文化一般
 8月28日(火)
■天気予報では明日から、やや涼しくなるとのことだが、本日も暑い一日だった。クーラーのきいた部屋から外にでたりまた入ったりを繰り返すと、自律神経が失調を起こすのではないか。自宅ではなるべく扇風機をつかっているが、それでも夜は寝苦しく、そうでなくともよく眠れないぼくなどには、有り難くない季節だ。

■「ネットカフェ難民」が5400人もいるとの厚生労働省の調査が発表になった。20代が最多だが、50代も多いという。家があるのに、夜遅くなって電車などがなくなり、そのままネットカフェに泊まる人や、本来の目的であるインターネットを利用するため深夜使用する人のほうが圧倒的に多いのだろうが、ホームレスで、ここが最後の拠り所といった人も、これだけいるのである。

■一晩泊まると1000以上かかるのだろう。ぼくはこれまで二度ネットカフェにいき、一時間ほどいたことがある。数年前のことで、オールナイトのネットカフェではなかったと記憶している。
 そのうち「ネットカフェ難民」という言葉を知って驚いた。どのようなシステムになっているのかよくわからないが、マクド難民などに比べるとはるかに「快適」なのだろう。
 オールナイトで営業するマクドナルドで、数百円の飲み物で(100円でも可能)夜を過ごすのは、相当辛いはず。

■一方、そんな金もなくなった人は、路上や河川敷などに動物さながら寝るしかない。以前には見かけなかった光景で、バブル経済崩壊後の日本の「病理」を象徴する姿である。過日、マイケル・ムーア監督の『シッコ』を見たが、アメリカの医療保険の実態もひどいもので、入院費が払えない人は容赦なく路上に放り出されたりする。
 それでも、ホームレスのためのシェルターはかなりある。一方、日本ではシェルターを見かけない。一度、日本社会の流れからはずれてしまった人に、極めて冷たい社会になってしまったものである。

■病弱で職を失ったりホームレスになった人もかなりいるのではないか。富める者が貧しい者に救いの手をさしのべるのが当然といった「常識」が、『シッコ』で描かれるフランスやカナダではまだ生きていた。「助け合う」という精神は日本社会にもあったのだが、バブル経済の崩壊あたりを機に消えてしまった。

■政府はネットカフェ難民などの増加を「社会病理」としてとらえ、有効な政策を打ち出して欲しいものだ。このような「社会病理」現象がいろいろな所で起きていて、それに対して政治が有効な手だてをしていない。それが更に病理の傷口をひろげ、人心の荒廃を助長するという悪循環に陥りつつあるようだ。
by katorishu | 2007-08-28 23:34
 
 8月27日(月)
■相変わらず暑い。北千住にいった後、渋谷にいき書き下ろしの単行本の打ち合わせ。出版は1月になりそう。
 ところで、本日は安倍内閣の組閣の日である。「サプライズ」人事も期待されたが、組閣名簿を見ると、自民党としては「可もなく不可もない」布陣といっていいのだろう。一応評価できるのは総務大臣に元岩手県知事を抜擢したことと、厚生労働大臣の桝添議員と与謝野官房長官くらいである。

■肝心の「親分」が退陣しないので、どんな人物をもってきても新鮮味はない。女性を5人ほど入れるか、民間から5人ぐらいの人材を抜擢すれば、支持率もそれなりに回復するのだろうが、安倍首相にその勇気はなかったようだ。「ご祝儀」で5パーセントぐらいは支持率が上がるかもしれないが、とにかく善し悪しは別にして「安倍らしさ」が見えない。

■民主主義を根付かせるためにも、今必要なのは政権交代である。民主党などの政策を全面的に支持するわけではないが、民主党が政権をとれば、すくなくとも政界の浄化につながるし、国民の声を反映させる度合いが強くなるはずである。民主がだめなら、また他の党が……といった政権交代のシステムを機能させることが、今は大事なことだろう。

■小沢民主の出方次第では年内解散、総選挙ということになる可能性が強い。テロ対策特措法のあつかいが焦点となるだろう。自民と民主の「大連立」の可能性もあるようだが、そんなことをしたらデモクラシーから遠のいてしまう。小沢、管、鳩山の「トロイカ」体制が、今後どう機能するか。性格的に唯我独尊の気味のある小沢党首が、どこまで自制できるか。日本の今後10年が、そこにかかっているといってもよいくらいだ。
by katorishu | 2007-08-28 00:16
8月26日(日)
■昨日、マイケル・ムーア監督の新作『シッコ』を品川プリンスホテル内の映画館で見た。
 アメリカの「歪んだ」医療保険システムに取り組んだ意欲作で、大変興味深かった。先進国で国民皆保険制度がないのは、アメリカだけで約5000万人の無保険者が存在する。

■手の指先を二本切り落とした人が、病院へいったところ、無保険なので一本の指をくっつける手術に760万円ほど、もう一本の指は140万円ほどかかるといわれた。その人は安い方の指だけの手術を依頼したケースとか、入院中に医療費が払えない患者が、ホームレスのシェルターの前に放り出されるケースなどなど、これが世界一の経済大国アメリカの実態なのかと驚くようなシーンが展開される。

■すべて、マイケル・ムーア監督本人が直撃インタビューし、独特のユーモアで対象に迫る。マイケル・ムーア流の「形」を会得し、ますます張り切って社会の病理に切り込んでいる。その姿勢は頼もしい。
 アメリカは民間の医療保険が全盛だが、とにかく「数字」をあげることが至上命令のようで、いざ病気になっても保険会社はなんとか保険金を支払わないよう、あの手この手を駆使する。ちょっとした「既往症」の記入もれを見つけて、なんとか保険の支払いをしないですむように懸命の民間の医療保険。とにかく、ぶったくって、支払いにはさまざまな障害をもうけ、経営者に儲けをもたらすシステムである。

■こういう制度をつくったのは、ニクソン大統領の時代で、ニクソンが医療関係者の幹部とやりとりする映像を暴露的にさしはさんだり、いかにもマイケル・ムーアらしい展開。
 アメリカは命の根源にかかわることをもビジネスの観点で見てしまう。市場原理主義経済の病理が人の命にかかわる分野にも及んでいるのかと、驚きの連続である。

■アメリカに対して隣国のカナダやフランスの例がもちだされるが、こちらは基本的に医療はただであり、必然の結果として平均寿命も高いし、金持ちでない人びとの表情も明るい。困っている人がいたら助ける。それが「当たり前」のこととして機能しているカナダやフランス。豊かな人が貧しい人を助けるのは当然という「常識」が定着しているのである。そのため、安心感がアメリカとは比較にならない。

■ある人の友人はハワイ旅行していて負傷したが、保険がきれていたので、700万円以上の支払いをもとめられたという。そのほか、キューバのグアンタナナモ基地のアルカイダ等の囚人への「手厚い」医療なども対比させて、経済的利益最優先のアメリカ医療ビジネスを皮肉る。マイケル・ムーア監督どくとくのユーモアが加味され、よくある「告発」ものにない味わいがあり、大変面白く、2時間近くの上映時間が短く感じられるほどだった。

■アメリカ式医療が近年、日本にも持ち込まれている傾向は懸念される。助け合うという精神文化が日本にはあったのである。アメリカ方式をマネして、こうした文化を失ってはいけない。
 それにしても、こういう作品を作れるアメリカ文化には敬意を表したい。
 シネマGAGA!、シャンテシネ、新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国で上映中とのこと。多くの日本人、とりわけ医療関係者や政治家などにぜひ見てもらいたい作品である。
by katorishu | 2007-08-26 22:58
 8月24日(金)
■本日だけちょっと涼しくなったと思ったが、2,3時間の睡眠しかとれなかったので疲れた。東京大学大学院情報学環の馬場教授の研究室を訪問。馬場教授はデジタルアーカイブの専門家で、数々の業績をあげている、極めて優秀な学者。教えられること多く、有益な意見交換ができた。
 そのあと、月に一度の放送作家協会理事会に。いつもより長引いたこともあって、疲労は倍加。思考停止状態になっていた。帰宅して数時間眠り、ようやく脳が正常の状態にもどった。

■世界的に小麦粉の値上がりが顕著のようだ。トウモロコシから抽出したエタノールを石油資源にかわるものにしようとのアメリカの戦略で、小麦畑が減ったため、需要と供給のバランスが崩れ値上がりとなった。中東情勢の緊迫化で、石油の供給も先行きどうなるかわからない。
 このあとにくるのは、物価の値上がりつまりインフレである。

■10数年デフレが続いたし、そろそれインフレの懸念が出てきたと見るべきだろう。食糧の基礎となる品の値上げやエネルギー源の値上げは必然的に他の物価上昇につながる。
 国の財政赤字も深刻で、これはインフレによってしか解消できないかもしれない。内外にインフレの懸念材料があるというべきだろう。

■インフレになると、年金生活者の生活が直撃をうける。かつかつに生きている年寄りが多いはずで、仮に10パーセントもの物価の値上がりが生じると、多くの人の生活は根底から崩される。すでに崩されている人もいて、「サバイバル」が生きる目的になっている余裕のない人も多い。

■アメリカの住宅ローンのこげつきで世界同時の株価下落があり、金融当局の懸命の弥縫策でなんとか下落が一時的に停止した。しかし、不安材料がなくなったわけではなく、本当の危機は来年一月ごろであると、週刊誌などが報じていた。
 すでに破綻して、首つりを真剣に考えている「自殺予備軍」も多いに違いない。

■大変な時代にしてしまったものである。北極の氷も急激に溶けており、世界的に何かがおかしい。相当おかしい。しかし、多くの人が「おかしい」と感じていても、変えられない。大きなカタストロフがきて、世界大戦クラスの惨害にあわないと、多くの人は真剣にシステムを変えようと思わないのかもしれない。
by katorishu | 2007-08-25 02:42
 8月23日(木)
■週刊朝日の最新号が「官邸バトルの内幕」という特集を組んでいるが、面白い。ジャーナリストの上杉隆氏のリポートによれば、官邸内の「妖怪」と称される井上補佐官が、安倍首相の支持率低下に一番貢献したようだ。

■高卒で国鉄にはいり、総理秘書官に成り上がるまで、学歴社会日本では相当の苦労があったはずである。苦労が「人間通」につながるといいのだが、井上秘書官の場合、どうもちがうようだ。コンプレックスの裏返しなのか、井上秘書官はとにかく威張りたがるらしい。

■上杉氏のリポートを読む限り、こういう「威張りたい」人物を側近中の側近にに置いていること自体、安倍首相の指導力が疑われる。虎の威を借る狐という言葉があるが、まさにそのコトワザを地でいったようなことをしている。安倍首相の判断ミスのかなりの部分はこの方の「おかげ」といっていいようだ。首相のマスコミでの「振り付け」の相当部分を担っているとのことだが、見事なまでに的をはずしている。
 おかげで安倍首相のかかげていた「憲法改正」はなくなったというべきだろう。

■ぼくはガチガチの護憲派ではないが、この曖昧な憲法の「利点」を今後とも「日本の独自性」として、もっと有効利用すべきだと思う。拡大解釈、拡小解釈を巧みにつかいわけて、対米外交の「武器」として使うのである。
 国際政治において「ナイーブ」というのは「バカ」と同義語である。したたかに、しなやかに、時に敵の懐に飛び込み同調すると見せて一歩距離を置いたり、はなれると見せて接近したり。要は、「アメリカの押しつけ」でできた憲法なのだということを、最大限生かすことで、「アメリカに向かって切れるカード」にすべきである。

■本日希有の偶然があった。北千住の脚本アーカイブズの準備室の当番であったが、必要があって国際メディアコーポレーションのT社長に電話をした。T氏は今年6月にアメリカから帰ってきたばかりだった。
 夕方、そのT氏と北千住駅構内のトイレの前でばったり出会ったのである。「香取さん」とよばれて見ると、T氏が立っていた。えっと思った。忘れ物をして脚本アーカイブズの準備室にとりに戻ったり、近くの喫茶室にはいり、さらに構内の本屋をのぞかなかったら、会うことはなかった。数秒の違いで会えなかったのである。1000万人を超える巨大人口都市東京で、こういう出会いからはなかなかあるものではない。「奇跡的な偶然」と言い合ったものだった。

■偶然というのは面白い。偶然には良いlことと悪いことがある。交通事故もほとんどが偶然の出来事であるが、悪い偶然が重なると死に見舞われる。逆に良い偶然に見舞われると、例えば宝くじで一等に当選ということもある。
 幸か不幸か、極端に良い偶然も極端に悪い偶然にも出会わない。

■自宅近くの焼鳥屋で、カミサンの知り合いの元編集者の女性をまじえ、歓談。彼女、5年余りの上海滞在を終えて帰国したばかりだという。日本のマスコミは中国の実情をあまり伝えていないとのことだ。良くも悪くも中国である。冷めた目で隣国で今何が起こっているか、今後どうなっていくか、見ていきたいものだ。
by katorishu | 2007-08-24 00:27
  8月22日(水)
■東京は猛暑が続く。東京電力の発電量が需要に追いつかない事態が起きた。東京電力が大口需要の企業等に消費の抑制を要請したため、停電という事態には至らなかったが、温暖化等の異常気象がつづくと、いずれ停電という事態になる。ヒートアイランド現象で樹木等も少ない都会では、夏期にクーラーなしで過ごすのは相当辛い。

■クーラーなどがなかったころの東京は、こんなに暑い夏ではなかった。打ち水などでかなり涼がとれたし、木陰も多くずっと過ごしやすかった。
 毎年毎年、「記録的な猛暑」がつづくと、どういうことになってしまうのか。農作物への被害も出てくるであろうし、現行の生活のシステムを根底から変えないといけないのだろう。江戸のリサイクル社会をぜひ見習うべきだろうが、現実に便利さに慣れきってしまった怠惰な人間は、目の前に見える形で危機が迫らないと、本気では手を打とうとしないのだろう。

■久しぶりにアークヒルズに。ここに入っているテレビ朝日映像で仕事の打ち合わせ。興味深い内容になりそうだ。放送は11月ごろの予定。冷房の効いた部屋から外へ出るとムッとした熱気に襲われる。六本木まで敢えて10分ほど歩いたが、汗びっしょりになる。並木道なら多少の涼しさもあるのだが、セミの鳴き声も聞こえないし、車の騒音ばかり。

■そういえば、今年の夏、セミがコンクリートに落ちていることが多い。セミが大量に発生したというニュースを耳にしたことがあるが、道路に死骸が転がっているというのは、東京ではあまり見なかった。野良猫やカラスなどが食べてしまうので、眼につかなかったのかどうか。外に出ると必ずといっていいほどセミの死骸を見る。野良猫やカラスが以前は食べていたのだろう。猫やカラスの姿も最近見ない。

■ゴキブリも見ない。蚊にさされることもない。都心部に近い一角だからなのかどうか郊外は様子が違うのかもしれないが……。
最近、住宅街に行く機会がないのでわからないが、なにかが確実におかしくなっていっている。肌で実感することである。
by katorishu | 2007-08-22 23:44

 8月21(火)
■京橋のフィルムセンターで戦前の映画『花火の街』を見た。石田民雄監督作品。竹久千恵子が出ていたので見に行った。千恵子がまだPCL(東宝の前身)に所属しているころで、この映画はJO制作、ここも東宝に吸収されていく映画制作会社である。

■なにぶん、戦前の作品なので、画質が悪く雑音がはいり聞き取りにくい台詞も多かったが、それとは別の興味で見た。横浜を舞台に遊び人の男が貧しさ故に水商売にでた純な女性を恋する話を軸に展開する、かなりウエットな新派系統の作といっていいだろう。
 千恵子は水商売のやり手の姉御を演じ、いかにも竹久千恵子の特色がよく出ていた。

■観客は9割ほど埋まっており、これは意外であった。終わって拍手がわいたのも、最近の映画では珍しい。中高年が圧倒的に多いが、若い人の姿もあった。
 竹久千恵子については「論座」という総合雑誌に千恵子の伝記『妖花』を連載しており、実際に千恵子に数度会って話を聞いているので、ぼくとしては感慨深かった。9月1日発売の号では第5回が載るが、8回、9回あたりに「花火の街」のことも出てくるはず。乞うご期待。

■それにしても暑い。暑い中、東銀座まで出かけ、コーヒー店で仕事関連の資料読み。そのあと銀座通りを歩いて京橋までいったのだが、10分ほど歩くだけで汗だくになる。
 毎年毎年「記録的」な暑さが更新される。これは人類にとってじつに深刻な危機である。世界各国の人間がそんな共通認識をもつべきときに来ている。マスコミなども率先してキャンペーンをはる必要があると思うのだが、「必要がない」物を大量消費してもらわないと困る「企業」がスポンサーとなっているので、声が小さくなってしまうのだろう。

■ところで銀座だが、渋谷などと違ってさすがに「大人の街」の味わいがある。物価の高いのが難点ではあるが。以前の渋谷も落ち着いた街であったのだが、バブル経済のころから、うるさいだけの「ガキの街」になってしまった。仕事の打ち合わせや映画を見るためでない限り、あまり足を運ぶ気がしない。映画館は多彩で、数も多く、その点、救われるが。
 
by katorishu | 2007-08-22 00:15 | 映画演劇

中華航空機炎上

  8月20日(月)
■株価はアメリカ株の上昇をうけて幸い持ち直した。先行き不安材料が山積しているようだが、ひとまずホッとした。庶民には実感できない「景気回復」の波及効果が、これから及んでくる可能性が強かっただけに、ここで腰折れしてしまうと、その効果が薄れる。金持ちが株で大損しても自業自得であるが、かつかつに生きている人たちが、ぎりぎり生きられなくなるのは大問題である。

■社会主義は破綻したが、「勝った」といわれる資本主義も、さまざまな弊害を宿したシステムである。際限のない人間の欲望にもとずく経済システムであり、本質はケモノの経済である。一部の「勝者」にとってはまことに都合の良いシステムかもしれないが、多くの凡人にとってはありがたいシステムではない。
 そろそろ、21世紀にふさわしい新しいなシステムを、天才的才能をもった人が開発して欲しいものだ。

■起きてテレビをつけると中華航空機の炎上している画面が出た。人的被害のなかったことでホッとする。自動車などの事故に比べれば航空機の事故は少ないのだろうが、一旦事故が発生すると被害が甚大なので、恐怖感は自動車の事故の比ではない。

■それにしても、中華航空の事故は世界でもダントツに多いらしい。危機管理上に問題点がありそうだ。「数字万能主義経営」が至上命令になっているのではないか。現代社会では、危機管理の出来ていない組織は衰亡する運命にあるのだということを、指導層は肝に銘ずるべきである。しかし、食料品業界その他、危機管理をないがしろにした経営が続く。

■ところで、ぼくは飛行機には出来るだけ乗りたくないものと思っている。あんな高い空を高速で飛ぶなど、それこそ「尋常」ではない。そういう感覚を失いたくないものだ。
 流行の「海外旅行」にも好んでいく気はしない。仕事で行くのならしょうがないが、自ら好んで空を飛ぶ気にはなれない。時間の余裕があれば船で海外にはいきたいのだが。
by katorishu | 2007-08-20 23:34