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『女優X』の舞台を見た

 11月28日(月)
■昨日、新宿の紀伊国屋サザンシアターで、東京ギンガ堂の公演『女優X』を見た。原作は夏樹静子で、脚本・演出は品川能正。女優、伊沢蘭麝は実在した人物。大正末から昭和初期までの10年あまりの短い女優生活を送った女性。夏樹氏が別冊文藝春秋に掲載したときに読んでいた。ぼくのテーマと近似しており、夏樹静子氏がおそらく、初めて書くノンフィクションというので、熟読した記憶がある。すでに20年ほど前のことだが。

■伊沢蘭麝(らんじゃ)は島根の津和野生まれで津和野の薬種問屋に嫁ぐが、東京でみた松井須磨子の『人形の家』の舞台に魅せられ愛児を津和野に残して上京、1918年『ベニスの商人』で初舞台をふむ。帝劇を中心に、松井須磨子が自殺したあと、彼女にかわるような「逸材」として注目されたが、惜しくも38歳で病死した。薬種問屋の妻として東京に居住していたおり、後年、活動の弁士、さらに文人、役者等で「徳川夢声」として著名になる青年と親しくなったり、波乱に富んだ人生を送った女優である。劇団昴の米倉紀之子と山本悠生の「二人芝居」で、この難しい役に挑んだ。後半は津和野に残した愛児との10年ぶりの再会と死にしぼり込んだ作劇。

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by katorishu | 2011-11-28 02:04 | 映画演劇
 11月25日(金)
■最近、稲垣足穂に凝っている。以前から足穂には格別の興味をもっていて選集ほか何冊もの単行本をもっているが、なかなかじっくり読むこともなく本棚に置かれたままだった。最近執筆のための資料として読みはじめ、あらためて足穂の「宇宙規模」の大きさに感嘆する。足穂が「現実主義」の文壇から排除されてきた理由が、よくわかる。凡百の作家とスケールが違うのである。

■足穂の世界は多彩だが、ショート・ショートの部類にはいるかと思われる「一千一秒物語」のなかのたとえば「星を食べた話」を紹介すると――

 ある晩露台に白ッぽいものが落ちていた 口へ入れると 冷たくてカルシュームみたいな味がした
 何だろうと考えていると だしぬけに街上へ突き落とされた とたん 口の中から星のようなものがとび出して  尾をひいて屋根のむこうへ見えなくなってしまった
 自分が敷石の上に起きた時 黄いろい窓が月下にカラカラとあざ笑っていた


■足穂を一言で形容すると「永遠の子供」といっていいかと思う。子供のように純で、好奇心一杯で、かつ空想好き。機械好きで、マニアックで、ハイカラで、人間を宇宙規模で考えている「大人子供」。なにより星や月や飛行機などに、終生少年の好奇心を維持しつづけた文学者。宮沢賢治とは別の意味で、今後もっと評価されてよい作家ではないか。やや難解だが。文学史的にいえば「新感覚派」の作家であり、まさに今に通じるモダニティを豊かにもった人である。昨日は本郷の東大大学院情報学環での会議。慌ただしく日がすぎる。光陰矢のごとし、少年学成り難し、である。
by katorishu | 2011-11-25 01:27 | 文化一般
11月21日(月)
■昨日とはうってかわって肌寒い。気温の上がり下がりが激しいと、体がついていけず、風邪などをひいたりする。風邪は万病のもと、といわれるが、バカにできない。こういう時代である。せめて病気をしないで日々を過ごしたいもの。過日、下北沢の定員60人ほどの小劇場で劇団立ち見席の舞台を見た。九州の湯布院に本拠をおくアマチュア劇団だが、すでに60回目の公演。初期のころの舞台を渋谷のジャンジャンで見たことがある。そのときは、現在、テレビドラマの常連になっている斉藤暁さんなども出ていた。終わって劇団の役者やスタッフたちと居酒屋で歓談したことを思い出す。

■劇団を主宰するのは岩男淳一郎氏。作・演出・出演もする。つかこうへい劇団にいた人で、ふるさとにもどって地元の有志と劇団を結成し、毎年東京公演を実施している。つかこうへい譲りのかなり激しい動きのある芝居だ。口立てで芝居をつくっていく、と記憶している。ぼくが見たのは今回もふくめ5,6回だが、年々うまくなっている。今回は「そのネタ買います」というタイトルで、コメディアンの哀感を描いたもの。劇中劇で、舞台に一人でたつ数人の役者、みなさん素人とは思えない、いい味をだして,笑いを誘っていた。。子供のころドサまわりでやってきたコメディ劇団を見て腹をかかえて笑ったことがあったが、そのことを思い出した。パターンといえばパターンの展開だが、素直に楽しめた。やはり「ライブ」はいい、とあらためて思ったことだった。
by katorishu | 2011-11-21 23:33 | 映画演劇
 11月18日(金)
■午前中、家を出て、港区立図書館でモダニズム関係の書籍の一部をコピー。ここにはぼくにとって良い本が比較的そろっているので、よく利用する。御成門から虎ノ門まで歩き、某官庁、そして本郷の東大、とよく動いた。会議等、それに類すること。皆さん優秀な人が多く、そういう人と話していると、こちらも活性化される。個人的には、なんとか劣化の度をつよめる流れになとかブレーキをかけたい。口でいうは易く実行は難しではあるが。

■今朝の朝日新聞一面に「アジア大経済圏構想」という文字が躍っていた。東南アジア諸国連合ASEANの首脳会議で日中韓など6カ国が加わる「広域自由貿易圏」づくりを進めることで合意をしたとのこと。現在焦点となっているTPPに対抗する意味がある。TPPには中国も韓国も参加していないし、これはアメリカ主導で展開されるもので、表の理由とは別に中国、ロシア包囲網の側面をもつ。この包囲網にたいし中国等が巻き返しをはかろうとするものだろう。日本は、こういう動きをも巧みに利用して戦略的に動く必要がある。

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by katorishu | 2011-11-19 00:17 | 政治
 11月15日(火)
■昭和初期に材をとったノンフィクションにチャレンジしているが、珍しく書きあぐんでいる。多すぎる資料を読みこなすだけで大変なエネルギーを使う。要するにエネルギーが枯渇しているのだろう。資料が面白く、つい読みふけって原稿がすすまないのだ。それにしても、昭和初期の世相と今があまりによく似ていることに驚くと同時に怖いものを覚える。

■日本が深刻な事態をむかえるのはこれからである。今後、10年、20年くらいが相当きつい。少子高齢化の影響が社会のあらゆる分野におよび社会の機能が麻痺する事態になる可能性ありだ。数十年前から政治は手をうっておくべきであった。今から慌てても遅い。見たくない光景が随所に展開される。世相のウオッチャーとしては、事態を冷静に見て記録を残したい。大げさにいえば、応仁の乱の現場におもむき冷徹な観察をし記録にとどめた鴨長明をみならって。堀田善衛の「方丈記私記」は名著。読む価値がありますよ。
by katorishu | 2011-11-15 23:19 | 社会問題
 11月14日(月)
■原発の放射能汚染と関係はないのだろうが、最近、癌にかかる人が多い。この1,2ヶ月で知人や親族など親しい人が3人、癌と判明し、大手術をしたりしている。50代から60代の人で、それまで元気そのものであったのだが。芸能人などでも60代で癌が原因で亡くなる人が相次いだ。先日、そんな話をテレビ業界関係者と話したばかり。

■昭和20年代から30年代に、米ソが競って原水爆実験を行い、さらにアスベストなど発がん系の物質が野放しになっていた。私見では、それが癌の発生に影響しているのではないか。食品などにも発がん性の物質が多く含まれていた。今は米ソも核実験をやめており、食品の添加物にも規制がはいっているが、以前は野放しだった。核実験に関しては、大気中にまき散らされた放射能を幼少期に取り込んだ人が、年月をへて癌を発病したということは、ありそうなことだ。

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by katorishu | 2011-11-14 21:39 | 社会問題
 11月13日(日)
■知人の高谷信之氏の主催する劇団「ギルド」の28回公演『許されざる者・幻の帝国』を下落合の小劇場で見た。関東大震災のどさくさの中、大杉栄とその妻と子を虐殺したといわれる甘粕正彦に焦点をあてる一方、例の東電OL殺人事件の女性被害者をクロスさせて描きながら、二人がなぜ死にいたったかを描く意欲作。

■高谷氏から満洲帝国で満洲映画にかかわった甘粕正彦の戯曲を書いていると聞いていたので、興味深く見た。現在と過去と時代も状況もまったく違うふたつの物語をひとつの舞台で演じるという構成に興味をもったが、ふたつの素材の接点が最後までよくわからなかった。満州での甘粕正彦の生き方や思想、自殺に至るプロセス等を克明に追ったらどういう展開になるのか、と思いつつ見た。

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by katorishu | 2011-11-13 21:23 | 映画演劇
 11月11日(金)
■東京に長く住んでいるが、たしかに町は清潔で一見きれいになったものの、ダイナミックな活力は年々なくなっていくようだ。日本という国が「老年期」にはいるには早すぎる。若い層が少ないという人口構成も影響しているのだろう。しかしそれだけではない。政財官等の日本の指導層そしてマスコミが、世の中の大きな転換期の流れの実態に「音痴」で、島国根性を発揮しつづけ、事態の激変にうまく対処できていないことも影響している。政権交代後の民主党政権もいただけないが、もっといただけないのは、官主導の上にあぐらをかきつづけてきた自民政権である。日本はどうもこのままずるずると沈んでいく気配だが、「ずるずる」とではなく「ドスン」と落盤のような事態になる可能性もある。グローバリゼーションの荒波のなか、これに対処できなかったギリシャが破綻し、イタリアがその危機に直面している。つぎは日本であるという噂も流れている。

■それはそれとして、昨日は国会図書館で資料調べを5時間ほどしたあと、表参道での創作テレビドラマ大賞の贈賞式に出席。放送作家協会とNHKが主催して毎年行っているもので、ぼくは責任者の一人として関わっていて、乾杯の音頭をとることに。大地震の影響で、ラジオドラマ大賞の贈賞式ができなかったので、今回はテレビとラジオの双方の合同贈賞式となった。テレビドラマの大賞は「最終特快」で書いたのは本河純子さん。離婚調停を前にしたサラリーマンが最終特快に乗ったところ、寝過ごして「田舎」の駅までいってしまい、もう登りの電車もない。地元のタクシー運転手やとおりかかったトラック運転手などとの関わりのなかで、ひとつの決断をする。一夜の話である。ほかに「迷えるウサギ」と「カブト虫の呼吸」が佳作となった。大賞は来年度NHKで全国放送される。

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by katorishu | 2011-11-11 10:33 | 文化一般
11月9日(水)
■試写の案内がきたり芝居の案内がくるものの、なかなか時間がとれなくて見にいけなかったが、本日無理矢理時間をつくって渋谷のショーゲートで映画『ミツコ感覚』を見た。脚本・監督は山内ケンジ。初音映莉子、石橋けい、古館寛治などが出演。いずれも初めて名前をきく役者たちで、「マイナー」な映画という印象だ。大手配給システムからはずれた「単館上映」の映画だが、こういう作品のなかに時に佳作がある。そう思って渋谷まで出向いたところ、期待にたがわず秀作といっていい出来の映画で感動した。

■東京郊外で暮らす姉妹、ミツコとミエ。ミツコは写真学校の学生で、ミツコはOL。ともに平凡な暮らしをしているが、やがてこの家庭のイビツさが、さりげない描写のなかに浮き出てくる。家主の父は神戸にいて、事業がうまくいっていないようで、二人の娘の暮らす一軒家は売りに出されることになっている。娘たちの母は父の不倫が原因で自殺しているという不幸な過去があり、それが一種のトラウマになっている。父は不倫相手と結婚し今は神戸に住んでいるが、とくに妹のミツコは母のことで父を嫌悪している。そのミツコにストーカーといってもいい男がつきまとう。一方、平凡なOLの姉のミエは同じ会社の課長と不倫をしている。課長は妻子をわかれたミエと一緒になるといっているが、どうも踏ん切りが悪い。

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by katorishu | 2011-11-09 20:23 | 映画演劇
 11月7日(月)
■この季節にしては暖かい。懐も温かいといいのだが、日本経済の先行きは不透明で、世界的な大不況の嵐にまきこまれる恐れもあって晴れ晴れとした気分になれない。経済をとにかく活性化させないと、何もはじまらない。いいアイディアがあったとしても、それを実行するにはお金がかかる。お金なしではどんな斬新なアイディアでも絵に描いた餅でしかない。

■それで、お金が必要になるのだが、それが難しい。こうも疲弊が長期間続くと、社会全体に余裕がなくなり、劣化の連鎖なども生まれる。打開策として管内閣がTPPという厄介な置き土産を残した。現下の政界の最大の焦点である。TPPの参加をめぐって賛否両論があり、どちらが正しいか、にわかには断定もできないが、これだけはいえる。政府は情報を出し惜しみしている。情報をだすと、まずい事情があるのでは、と勘ぐってしまう。

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by katorishu | 2011-11-07 21:45 | 社会問題