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 3月29日(土)
■家にこもって資料読み等をしようと思ったが、良い天気なので、例によって「出好き」のクセがでて横浜まで。b0028235_18301765.jpg港の見える丘公園の隣にある神奈川近代文学館で開催中の「黒岩重吾展」を見た。生誕90周年記念展だという。黒岩重吾は「背徳のメス」で直木賞を受賞。好んで描いたのは現代社会や人間の「裏」「闇」の部分である。

■学徒出陣で満州にかりだされ命がけの敗走の末、帰国したものの、戦後は全身麻痺の難病や株での失敗による大借金、釜ケ崎などでの貧困生活を体験。これが黒岩文学の養分となり、流行作家になった。70年代後半から、古代史に材をとる作品を書くようになり「斑鳩の王の慟哭」など数多くの古代史小説を書いた。
命を賭けて作品にたちむかう「真剣勝負」といった趣の生き方だった。死後、遺族から原稿や書簡など3000点余りが神奈川近代文学館に寄贈されたそうだ。

■ぼくが主に読んだのは古代史に材をとった小説で、「大衆作家」という域をこえた文明史的鋭い洞察とストーリーテラーの面目躍如。生原が展示されていたが、紙の原稿用紙で格闘していた頃の作家は「士」の趣があるなと、あらためて思った。時間があれば壬申の乱をテーマにした「天の川の太陽」を本棚からとりだし読んでみよう。(途中まで読んでやめていた。単に時間がなかったから)

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by katorishu | 2014-03-29 18:29 | 文化一般
 3月28日(金)
■韓流ブームは日本では去ったようだが、アジア、とりわけ中華圏では今、大変なブームになっている。レコードチャイナが伝えるところでは、昨年はドラマ『継承者たち』が大人気で、これにつづいて『星から来たあなた』 が大ヒットを記録した。いずれも韓国ドラマであり、韓流の市場は今や中国に移っているといってよい。

■『星から来たあなた』は中華圏のほか、アジア諸国でも圧倒的な人気を得ているとのこと。主演はキム・スヒョンで、ヨン様以来と言われる人気で、バラエティー番組の出演料が1本につき300万元(約5000万円)であるという。これに対し、日本の際立った無関心さは注目の的である、と台湾メディアが伝えている。

■政治と文化はわけたほうがいいと思うのだが、いったん両国に生まれた「敵意」はそう簡単に消えることはない。不幸なことである。やはり竹島問題が影響しているのだろう。韓国の朴大統領の国内向けの「反日」姿勢も、日本での韓流熱を冷ます原因になっている。「政経分離」という言葉あるが「政文分離」でいってほしいものだ。文化とは異なるもののぶつかり合いから発展していくものなので。
by katorishu | 2014-03-28 21:40 | 映画演劇
 3月26日(水)
■東京にいると普段あまり意識にのぼらないが、現在も福島原発周辺では大変なことが起こり続けている。原発からの放射能汚染水は垂れ流しがつづいているようで、じっさいもうお手上げといっていい状態ではないのか。汚染水を吸い上げて貯蔵するタンクを際限なくつくり続ける必要があるが、そのタンクから汚染水が漏れ出て地中に沁み込み、地下水と混ざり、さらに原発建屋の汚染水と合流して海中に流れ込む。そんな事故がえない。

■こんな状況のなか、福島県相馬双葉漁協が、「原子炉建屋」に入る前の地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」計画を容認し、実施を認める方針を決めたという。
福島県漁業協同組合連合会(県漁連)、相馬双葉漁業協同組合(相馬市)、福島県南部のいわき地区の漁協が、「漁業関係者の生活優先」の立場から、こういう方針を打ち出したのである。これで問題がすべて解決なら結構なのだが、結果として海がどの程度汚染されるのか。懸念が残る。

■首都圏やその周辺地域の消費者へ不安をあたえるものであり、今後、「福島産海産物拒否」の動きがこれまで以上に強まる可能性が大きい。これを「風評被害」と決めつけることはできない。東電と政府の処置に福島県漁協が「屈した」という印象も抱く。僕の杞憂でなければ幸いである。
by katorishu | 2014-03-26 10:47 | 社会問題
 3月24日(月)
■田舎の両親が宅配便で家でとれた野菜やコメを都会で暮らす子供に送り、その中に「寒さが続くので、体に気をつけてね」というメモを挟んだとする。なんでもないことのように思えるが、これが実は郵便法にふれる恐れがあり、最悪の場合、刑事罰の対象になるのだという。本日の日経社説に載っていた。こんな「悪法」を厳密に適用されたら国民の半分以上が刑事罰をくらうことになる。

■現在の郵便法は、信書を「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」と規定し、信書を送達できるのは日本郵便だけと定めている。これに違反すると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるらしい。郵便法違反は2010年度までの5年間で79件発生し、書類送検のケースもでている。

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by katorishu | 2014-03-24 09:46 | 社会問題
 3月23日(日)
■三連休の最終日、東京は晴天で気持ちがよく、こんな日に家にいては、それこそ、もったいない。午前中、リュックを背に自転車で走り、コーヒー店に入り、資料読みや原稿書き。アマゾンのKINDLEで英語の本を簡単に買えるのは、ありがたい。シェールガス革命の進展で変化の兆しをみせるアメリカのエネルギー産業の現状について、アメリカで出たばかりの電子書籍を購入し、すぐに読めるのはありがたい。

■昼食をとってから、カミサンと今度は徒歩で大井町から大井町線ぞいに歩き、さらに池上線方向に歩き、中延というところにきた。初めて足を踏み入れる町だ。庶民的で、古い商店街が細長くつづき、地方の古い都市を一瞬思い出させた。40分ほどの歩行で、やや汗をかいた。コーヒー店でKINDLEで購入した本を読み、あとはぼんやり、来し方行く末を考えたりした。隣に中年の、いかにもオッサンという印象の二人。大きな声で話している。どうも車関係の仕事をしているようだ。二人が「長居している」こちらに、あてつけるように「コーヒー店で何時間も勉強してるヤツがいるんだよな。勉強なら図書館でやれって」などと声高にいっている。我々は入ってからまだ1時間ちょっとであったが、「1時間が限度だよな」と言い始めた。二人は我我より長く大きな声でしゃべりつづけている。

■その店、本日は特別に19時半で店をしめるとの張り紙がでており、店内はすいていた。僕にいわせれば喫茶店やコーヒー店で勉強したり読書したりしている人を見ると、ほっとした気分になる。混み合っているとき何時間も席を占領しているのは問題だが、席があいている時間なら、勉強大いに結構。だみ声で傍若無人にしゃべるオッサンやオバサンより、彼等、静かに読書したり勉強をしている人たちに好感を覚える。最近、定年退職をしたと思われる男性が一人で読書している光景をよく見かける。大声でしゃべり、甲高く笑う人たちより、彼等は姿勢がいいし、知的。隣の二人のオッサンの言葉を聞いて、ちょっとこの町が嫌いになった。この店の居酒屋に入ろうとしたのだが、やめて電車に乗った。人はこんな些細なことで、人や町が嫌いになったり、好きになったりする。
by katorishu | 2014-03-23 20:47 | 文化一般
 3月22日(土)
■東京の映画館のなかで好きな映画館は?と聞かれたら、僕はためらうこともなくベスト3に銀座四丁目にあるシネスイッチ銀座をあげる。この映画館、なにより上映する映画の質が高い。ハリウッド映画よりヨーロッパ映画が多く、アジアの映画もときおり上映すb0028235_16582039.jpgる。「大人の鑑賞」に耐えられる作品が多く、見て損をすることがほとんどない。ここで、フランスの気鋭の監督フランソワ・オゾンの新作『17歳』を見た。オゾン監督独特の「ひねった」ところを極力排し、たんたんと17歳の女の性を描く。

■イザベルはバカンス先で出会ったドイツ人と初めてのセックスをする。それが契機で、ネットの出会い系サイトで知り合った男と売春をくりかえす。お金をとるが、別にお金稼ぎのためでもない。自分自身でもよくわからない気分のなか、売春を続けるのである。なかでも初老の男に好かれ、ホテルで定期的に会うようになり、親近感も覚えるのだが、あるときセックス中に男が心臓発作で死亡する。仰天した彼女は男を放置したままホテルを逃げ出す‥‥。

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by katorishu | 2014-03-22 17:03 | 映画演劇
 3月21日(金)
■本日が祝日で春分の日であることを知らなかった。そういえば都バスが日の丸の小旗をつけて走っていた。勤め人の生活から「足を洗って」ずいぶんたつので、世の中の営みにどこか疎くなっている。これまで自分の関心のある領域ばかりに焦点をあて、ほかは「どうでもいい」という気分でいたが、それでは世の中の動きがつかめない。この1,2年、「経済」および「政治」が、ぼくの関心の領域である文化、芸術にも、思いの外強く影を落としていることをあらためて実感として知り、蒙を啓かれる思いだ。

■昨日は品川の某ホテルのラウンジで、90歳を超える「お年寄り」と1時間半ほど話をする機会があった。記憶が鮮明で、言語明瞭、年を感じさせない。この方、単なる「お年寄り」ではない。その名をいえば誰でも知っている複数の某大会社の社長、会長を歴任された方で、興味深い話をうかがった。政治、経済の「暗部」にも通じている方で、懇意にしている文筆家の某氏と一緒に話を聞いた。

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by katorishu | 2014-03-21 10:02 | 文化一般
 3月20日(木)
■東京は肌寒い雨。暑かったり寒かったりで、体調をくずしてしまった。喉が痛み、鼻水がでる。葛根湯をのんでよく眠るのがいいのだが、いくつかの原稿が遅れているので、頑張るしかない。老骨にむち打ってという表現があたっている。朝日新聞WEBRONZA連載の「昭和エロ・グロ・ナンセンス」文学編9編。原稿用紙100枚をこえる。紙の雑誌だと勝手に頁数を増やすとまずいのだが、ウェブだとそのへんの制限はゆるやかだ。ただ、原稿料が紙にくらべて驚くほど安いのが難点。いずれ単行本になることを期待して。

b0028235_9554823.jpg昨日は脳が疲れていたので、例によって映画を見ることにした。試写の案内もあるのだが、近場ですませようと品川プリンスシネマでハリウッド映画「ライフ」を見た。
 雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)が主人公で、この雑誌が紙媒体をやめてwebに移行するため例によってリストラ。紙媒体での最後の雑誌をだすことになったが、表紙に載せるべき「伝説のカメラマン」の写真が紛失してしまっている。その写真をもとめてミティが遠くアイスランドまでいったの冒険の旅。最後のその写真を手にいれ週刊号ができる。秀逸な終わりで鮮やか。

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by katorishu | 2014-03-20 09:57 | 映画演劇
 3月15日(土)
■ソチオリンピックの中継を毎日朝まで見ていたため、早寝早起きの習慣がくずれ体調もよくなかった。これではいけないと、気持ちを引き締め、日の出とともに起き、自転車で近くを走り、コンビニで新聞を買って、開いたばかりのコーヒー店に入り、資料読みや執筆をするスタイルが、ようやくもどった。午前中に4,5時間ほど根を詰めて仕事をするので、午後は半分脱力状態か半ボケ状態。人に会うのはたいてい午後からなので、香取もボケてきたなと思われるムキがあるやもしれない。しかし、よく眠れた日の午前中は、2,30代のころと脳機能はそれほど落ちていない、と自認している。

■「世相ウオッチャー」と同時に、昔海外情勢、とりわけロシア(旧ソ連)情報にからむ仕事をしていた時期もあり、資源大国ロシアの動きから目を離せない。ウクライナ情勢、とりわけクリミアをめぐって親ロシア派と反ロシア派が争っていて、そこにロシアとEUがからみ、さらにアメリカも入って混沌としてきた。根底にあるのは「領土問題」である。領土の地下にはエネルギーの根幹をなす石油や天然ガス、さらにはシェールガス、シェールオイルなどが埋まっていて、一層複雑さに拍車をかけている。今後世界はかなりの激動期に入りそうだが、キーワードは「エネルギー」である。

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by katorishu | 2014-03-15 12:38 | 文化一般
 3月12日(水)
■本日の報道ステーションが伝えるところでは、非正規社員が4割に近くなったとか。非正規と正規社員との給料差は3倍も開いているという。これが正常と思う人がいるのだろうか。戦後日本の強みは「中間層」の厚さであった。その中間層が消えてなくなるか、減少すると、文化の劣化に直結する。

■文化の担い手は中間層であるのだから。昔の貴族社会であったら、貴族層が文化のパトロンとして機能し、おかげで多彩な文化が咲き誇った。現在の『富裕層』は昔の貴族階級と重なりあわない。四月から消費税増税となる。大企業は余裕があるからたいして響かないが、中小零細は相当深刻な事態になりそう。アベノミクスやらのメッキがはがれる可能性大。かくて文化は一層の劣化。いやはやである。
by katorishu | 2014-03-12 22:37 | 社会問題