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 6月29日(日)
■品川プリンスシネマで中島哲也監督の映画「渇き」を見た。「下妻物語」や「嫌われ松子」で注目すべき監督b0028235_22574712.jpgとおもった。その後「告白」で大ブレーク。「渇き」は3年ぶりの作品ということで期待して見た。出だしは実験精神に富んだ、フラッシュバックを多様する展開で、さすが中島監督と思ったのだが。

■延々と暴力、殺人のシーンが続き、辟易した。一種の精神異常者の世界を描いているのだが、「正常者」は次々と人を殺していく心情に寄り添えない。殺しも 残酷で救いがなくグロテスクそのもの。ブラックユーモアでもない。 凝った絵作りでチャレンジ精神は悪くないが、暴力と残酷な殺しの連続で、作り手は何を言いたかったのか。理解に苦しむ。

■映画に癒しや感動を求める人は席を立ちたくなるのではないか。好みの問題かもしれないが、最後まで見るのが辛かった。最後に救いがあるかと思ったが、それも希薄。久しぶりに後味の悪い映画をみた、と敢て言わせていただく。才能のある監督だけに、このような作品に情熱を傾けることを惜しむ。余計なお世話といわれるかもしれないが。
by katorishu | 2014-06-29 22:59 | 映画演劇
 6月26日(木)
■昨日、劇団ギルドの公演「吾が魂の八犬伝」を高円寺の明石スタジオで見た。劇団を主宰する高谷信之さんのb0028235_14153539.jpg作・演出。以前、別の劇団で演じたものの再演で、内容に手をいれているとのこと。時代は昭和11年頃。2,26事件が起こり日本が一気に軍国主義にのめるこんでいく背景のもと、客の入らないドサ回り芝居の内情が、演目の「南総里見八犬伝」とオーバーラップして描かれる。
チャンバラあり涙ありの人情劇で、バックに当時のニュース映像を流した点など演出上の工夫が見られる。なにより長い間、劇団運営にかかわり、その大変さを、身をもって体験している高谷さんの強い思いとメッセージがこめられており、興味深かった。小劇団の運営の困難さは今も昔もかわらない。ただみんな「好きだから」の一点でチャレンジするのだが、「先立つもの」が先立たないための苦労話はつきもの。そこをどう切り抜けていくか。他の小事業経営にも通じるものもあるはず。

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by katorishu | 2014-06-27 14:21 | 映画演劇
6月26日(木)
■以前、中国で有数な大富豪が、チンタオにハリウッド顔負けの巨大な撮影スタジオを設立したというニュースが流れた。オープンの記念式典にはハリウッドの有名スターが何人も招かれた。こうした中国の姿勢をうけ、b0028235_14532127.jpgハリウッド映画の中国依存が強まっている。本日の日本経済新聞によると、ハリウッド映画では中国の俳優を起用しスポンサー獲得のため中国製品を多く登場させることが増えたという。

■6月27日から米中で同時公開される「トランスフォーマー4」には、中国の自動車、パソコン、銀行カード、飲料、家電量販店が次々と登場する。「プロダクト・プレイスメント」という広告手法だ。この映画全体の3分の1は中国がらみだという。中国の膨大な数の人口(観客)と中国側のスポンサーの資金をあてにした作りだが、今後こういう傾向が強まるとみてよい。

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by katorishu | 2014-06-26 14:53 | 映画演劇
 6月24日(火)
■アメリカ製の映画「ゴジラ」が世界的にヒットしている。中国ではこの週末だけで日本円にして37億7000万の興b0028235_1458069.jpg行収入を得たとか。元を正せば日本製である。子供のころモノクロで東宝製作の「ゴジラ」を見たときは興奮した。映画ってこんなことも出来るのかという驚きもともなって。

■ハリウッドのリメイク版が最新の技術を駆使して、どのように作られているか興味がある。ぜひ見て見たい。ニューズ・ウイークによればゴジラの登場まで1時間ほどが経過するそうだ。ハリウッド映画は、人間の深層心理などの心理分析をもとに、いかに多くの大衆にうけるかを元に、マーケティングの手法なども駆使して作られている。
 
■アメリカの真似をすることはないが、日本の映画、テレビはドメスティックすぎる。ほとんど海外展開を考慮していない、としか思えない作りの作品が多い。人口の減少が確実に予想される日本では、国内だけを見ていてはいずれ「斜陽」から「衰退」産業になる。海外市場を考えた作品づくりを優先することが、今ほど大事な時はない。それを怠ったら日本のソフトのビジネスとしての将来はない。もっとも「趣味的」に作るのならそれはそれでいいが。そういうところからも歴史にのこる傑作が生まれることはある。ただし、赤字になっては次を作ることが難しくなる。
by katorishu | 2014-06-24 14:59 | 映画演劇
 6月23日(月)
■四季折々の自然があり、世界でも比較的住みやすい日本だが、テレビでも新聞でも週刊誌でも、良いニュースは少なく悪いニュースが続く。そんな中、これは朗報と思えるグッドニュースも時々あって救われる。一ヶ月b0028235_18184316.jpgほど前の読売新聞に、噴火をつづける西之島の面積が拡大をつづけているとのニュースが載った。

■海上保安庁によると、小笠原諸島(東京)の西之島付近で起きた噴火の後、陸地の面積が拡大を続けていて、その面積が東京ドームの約18倍にあたる86万平方メートルになったという。2013年の11月下旬の発見から半年余りで、これだけ領土が拡大したのである。噴火活動は活発で、今後も島の拡大が続くとみられている。

■5月21日に航空機から観測した結果、昨年11月20日の発見直後に東西約100メートル、南北約200メートルだった陸地は、東西約1300メートル、南北約1050メートルとなった。現時点では、周辺の排他的経済水域(EEZ)も、42平方キロ・メートルほど広がるとみられている、そうだ。

■地震や噴火というとマイナスの要素が強調され、それは正しいのだが、人口の割りに狭い日本の領土が拡大しているのは悪いことではない。自然は人間社会に猛威、脅威をふるうばかりでなく、長いスパンで見てみると、ずいぶんと「益」をもたらしている。この島に人が住めるようになるには、長い年月がかかるに違いないが、軍事力で領土を拡大するのではなく、自然の「恵み」で拡大するなど、イキである。

■噴火に伴うマイナスの要因があるにしても、天に感謝をし、神社等は地鎮祭でも行ったらいい。この周辺に豊かな「地下資源」が埋蔵されている可能性だってある。将来の日本人へのビッグ・プレゼントにもなる。ここがハワイのようなリゾート地になるかもしれない――などと想像するのは楽しい。想像と創造こそ、人間のもつ特権である。
by katorishu | 2014-06-23 18:18 | 東アジア
6月22日(日)
■夢千代日記」などで有名な演出家の深町幸男さんが昨日亡くなられた。新東宝からNHKドラマ部に入ってb0028235_0271312.jpg慣れないテレビで苦労されたあと、ドラマ人間模様の「事件」などで注目された。和田勉さんと並んでNHKドラマのレベルアップに貢献された方だ。僕は深町組の一員のような時期もあり、その他、深町さんとはいろいろのことがあり簡単には語り尽くせない。

■半年近くゴタゴタしながら進めていた映画のシナリオも日の目を見ずに終わった。金沢までシナハンにいき、実景まで撮ったのに。商業演劇の舞台の件も挫折。写真は以前、深町さんに密着インタビューしてまとめた原稿の一部。深町さんらしい緻密なカット割り台本だ。ワケあって未発表のまま。そんな原稿を書いたことも忘れていたが、NHK関係者から深町さんの訃報を聞き、パソコンのハードディスクを調べたところ残っていた。何度かクラッシュしたので消えてしまったと思っていたのだが。

■深町さんとはいろいろとあったにせよ、愛すべき先輩であり、亡くなったと知って思わず目頭が熱くなった。知っている人がつぎつぎ住所録から消えていく。自分ももうそんな年になったのかと、深町さんとの「思いで」にひたりながら、しみじみ酒を飲んだ。「事件」の相模川ロケのときであったか、いしだあゆみさんが撮影待ちの時、いつも一人でしゃがみこんでいた光景を思い出す。一方、明るく愛らしかった大竹しのぶさん。殿山泰司さんのことも、なぜかよく覚えている。深町さんにはよく酒を飲ませてもらった。ま、こっちも作家を目指していて生意気盛りでもあったし、言いたいことを言わせていただいた。どうされているか、電話でもしてみようと思っていた矢先の訃報だった。合掌。
by katorishu | 2014-06-23 00:31 | 映画演劇
 6月21日(土)
■富岡製糸所が世界遺産に決定した。将来の日本は「観光立国」として存在感を示すべき。そのためにも、今回の世界遺産決定は喜ばしい。ところで、富岡製糸所を作ったのは誰であるかご存じです。そうです、「日本b0028235_2214866.jpg資本主義の父」「日本の近代化の父」といわれる渋沢栄一です。渋沢が伊藤博文とともにグランド・デザインを描き、渋沢の師匠で妻の兄である尾高藍香を初代の所長にしたのです。

■渋沢栄一はもっと広く知られるべき人物。坂本竜馬や高杉晋平などはよく知られていますが。元「過激派」で農民出身ながら、徳川最後の将軍、慶喜に重用され、維新後は大隈重信に懇請され明治政府に入り、大蔵省の基礎をつくるとともに、省庁改革に辣腕をふるいました。その後、「富国強兵」の「富国」を重視する大久保利通にたいし「富国」を主張し、大久保と厳しく対立、下野して銀行や株式会社など500もの会社と500以上の社会教育施設を作った大変な人物です。

■ここからはPR。渋沢栄一には以前から注目しており、現在の若い企業家と結びつけられないかと考えるうち、定時制高校生でぎりぎりのところまで追い詰められた若者が、幕末にタイムスリップをして渋沢栄一に近接して8年間行を共にし、あらためて現世のもどり起業して成功に至る……そんな小説を書きました。
タイトルは「Sクラス 渋沢栄一経営教室」。7月24日、日本経済新聞出版社から発売です。書店でお手にとっていただけましたら幸いです。
by katorishu | 2014-06-21 22:01 | 文化一般
6月20日(金)
■ 昨日は渋谷でビジネス関係者の「勉強会」。1000円からはじめる株式投資について、元経済雑誌編集部にいた女性が講師。わかりやすく仕組みを解説してくれた。株投資などやったこともない僕にも、興味深かった。経済・金融は人体でいえば、血流である、ということが、渋沢栄一を研究することによって改めて実感する。
この7月24日、ビジネス書兼エンターテインメント小説を、日本経済新聞出版からだすことになっていて、そのために苦手であった経済関連の勉強を重ねた。
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■渋沢栄一とは?
近代日本のインフラの基礎を築いた人である。名前を知っていても、では具体的に渋沢がなにをやったか、知らない人が大半だ。この作品は、渋沢栄一と現在の定時制高校生を結びつけ、「高校生起業家」としてどのような、試行錯誤を重ねつつ事業を成功させていったかを描く。若く志のある人へのエールを送る意味で、さまざまなメッセージをこめている。

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by katorishu | 2014-06-20 13:03 | 社会問題
 6月19日(木)
■ウクライナ情勢に加えイラク情勢が混沌としてきた。かたやロシアの天然ガスがからみ、かたや膨大な石油埋蔵をほこる国である。エネルギー資源を海外に頼る日本にとって、このふたつの地域の政治的混乱は対岸の火事ではない。EU諸国はロシアのプーチン大統領の強権について非難をあびせているが、強硬策をとることができない。ロシアの天然ガスに頼るEU諸国は、ロシアから天然ガスがこなくなれば窮地におちいってしまうのである。

■そのへんを見越した上で、プーチンは強硬策にでているようだ。EUは消費する天然ガスの約16%をウクライナ経由のパイプラインで輸入している。ロシア側はEU向けには契約通りガスを供給すると説明しているが、今後どうなるかわからない。そんな中、石油大国イラクが国家分裂の危機に陥った。アメリカにはもう軍事介入する意志も力もないので、イラクでの混沌は中東全体にひろまる恐れがある。そうなると存亡の危機にたたされるイスラエルは黙っていない。今後なにが起こるかわからない情勢になってきた。

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by katorishu | 2014-06-19 16:32 | 政治
6月15日(日)
■品川プリンスシネマで映画『青天の霹靂』を見た。劇団ひとりの原作の映画化である。本人が初監督をし、脚本にも参加している。多分スタッフも優秀で息が合っていたのだろう、初監督とは思えない達者な演出で、上場の出来でる。

b0028235_2304753.jpgこんなストーリーだ。浅草のマジックバーで働く大泉洋演じる晴夫は何もかもうまくいかず、「俺なんて生きていてもしょうがない」と思い詰める。追いうちをかけるように実父がホームレス生活のあと死亡したとの知らせ。そんなとき荒川の河原で青天の霹靂に出会い意識を失い、気がつくと、そこは昭和48年の浅草だった。典型的なタイムトリップもので、浅草の演芸ホールをモデルにした劇場の支配人に出会い、そこでマジシャンとして働くことに。

■相棒の助手を柴崎コウが巧みに演じる。じつは彼女は晴夫の実の母で、その相手が実の父という、ありがちな設定である。一歩間違うと陳腐なものになりがちな素材だが、巧みな構成と演出で笑って泣いて癒される上等の娯楽作品となっている。

■「母」役の柴崎コウも味のある演技で魅せる。主役の大泉洋の達者な演技も秀逸。映画初監督の劇団ひとりがこれほどのマルチな才能の持ち主とは、じつは思わなかった。全体的に「お笑い系」のタレントの中に異能の持ち主がいるものだ、と改めて思った。いずれにしても、癒しを求めたい人にはお勧めの1作。
by katorishu | 2014-06-15 23:01 | 映画演劇