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 9月29日(月)
■図書館で借りた「ヒトラーとケインズ」(武田知弘著)は大変興味深い本。ヒトラーの登場する時期のドイツは第一次世界大戦で敗北、戦勝国との間で結ばれたベルサイユ条約では天文学的な賠償金を課せられ、経済
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は破綻していた。英米のごり押しでそうなった。ケインズはドイツへの過度の賠償金要求は、ドイツにハイパーインフレを起こさせると警告した。が、警告は無視され条約の結果、ドイツの企業の多くが破綻、失業者があふれた。

■そんな中ヒトラーが登場し、一気に崩壊寸前のドイツ経済を立て直す。本書は、ヒトラーがケインズ理論を実践して、ドイツの崩壊を救うプロセスを論証していく。

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by katorishu | 2014-09-29 09:08 | 社会問題
 9月27日(土)
■書籍の市場縮小に歯止めがかからないという。消費税値上げも、本屋にはかなりの打撃である。衣食住はどうしても必要なので、まずそっちに限られたお金を使うので、本代までまわらない。スマホ等で毎月少なくな
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い経費のかかるので、文化・教養にまわるお金がなくなってしまうようだ。
話題になっている本は売れるが、(内容の善し悪しに関係なく)話題にならないものは売れない。お客が「本を探さなくなった」と書店員は嘆く。本屋でもPOPをつくったり、並べ方に工夫をし、なんとか売るように努力をしている。しかし、本を読む人口そのものが減っているので、どうしようもない。

■単に書籍市場が衰退するだけでなく、日本の美点であり強みであり誇りであった「よく本を読む国民」というイメージが消えつつある。これの意味するところは、私見では「知的劣化」であり、今後、世界のなかでじわじわとマイナスの要因となって効いてくるだろう。
明治維新以降、日本が欧米列強の植民地にならず、彼らと肩をならべるように成長した裏には、国民の識字率の高さがある。戦後の廃墟の中から、日本は「奇跡の成長」をとげたが、その裏にも、国民一般の勤勉さに加え、知的レベルの高さがあった。

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by katorishu | 2014-09-27 09:26 | 文化一般
 9月24日(水)
■80歳をこえる平幹二朗さんと渡辺美佐子さんのお二人が「黄昏にロマンス」(アルブーゾフ作)にチャレンジ
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する。渡辺さんにインタビューしたとき、この舞台の話をされていた。舞台俳優は心身ともに鍛えていて、気持ちが若い。登場人物は2人だけ。当然台詞も多い。80歳をこえて台詞をおぼえ、演じる。それも見事プロの力量を発揮して!

■東京公演は11月1日(土)より10日(月)まで吉祥寺シアターで。
9月13日よりチケット発売しているとのこと。
問い合わせは、石井光三オフィス。☎03-5797-5502
by katorishu | 2014-09-24 09:18 | 映画演劇
 9月22日(月)
■5時間続けて眠ったのだが、頭がぼんやりして元気がでない。いろいろ心労もあって、眠りも浅い。こういう時はふらふら外にでるに限る。バスがきたのでふらふらと乗って終点の目黒まで。本日の予定は過日インタビューした女優の藤田弓子さんについ
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て書くこと。弓子さんは小学生のとき、吉永小百合と同じ連ドラの「赤銅鈴之助」でデビューしたという。従って芸歴60年近い。「恐ろしい!」と。詳細は9月30日の夕刊フジの「ぴいぷる」欄でご覧ください。

■ところで、慰安婦問題や吉田調書問題などで「朝日新聞バッシング」が続き、朝日は相当まいっているのではないか。紙面になんとなく力が感じられない。朝日のWEBRONZAに連載中の僕の「昭和エロ・グロ・ナンセンス」もしばらく中断したままだ。いろんな問題、事件が舞い込み、どうしても後回しに……申し訳ない、と担当編集者。

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by katorishu | 2014-09-22 09:22 | 文化一般
 9月24(日)
■7月末にでた拙著『渋沢栄一の経営教室Sクラス』(日本経済新聞出版社)、出だしはよく、AMAZONのランキングでも800位前後につけ「経済・社会小説」部門では例の半沢直樹の原作者、池井戸潤氏や「永遠にゼ
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ロ」の百田尚樹氏らの小説(この両氏の作が10位までを独占)につづき15位から20位あたりにつけているのだが、印象としてどうも足踏み状態である。

■一定部数を売って、映像化(映画化)にもっていくつもりで、大胆な省略も行い映画的(シナリオ的)構成にした。「映画みたいで、絵が浮かぶ」と読んだ読者はいってくれるのだが。読んだ人の大半から、「面白かった」「大胆な構成で渋沢栄一のことがこの1冊でよくわかった」「エンタメ小説としても面い」「16歳が主人公でどん底から這い上がっていくのもいい」といった言葉をもらっている。(もっともお世辞も入っているだろうが)
 AMAZONで「渋沢栄一」で検索するとトップページにきます。そこに詳しい「商品説明」があります。お暇な折り、立ち寄ってみてください。

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by katorishu | 2014-09-21 10:45 | 文化一般
9月20日(土)
■シネスイッチ銀座でイギリス映画『ウイークエンドはパリで』を見た。結婚30年の熟年夫婦がイギリスのバー
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ミンガムからパリに旅行する。お互い新鮮さを失い、相手に飽きている夫婦が、ちょっとしたことで、いさかいをしたり、旧友で売れっ子作家になっている人に出会ったり、思い切って無銭飲食をしてしまったり……熟年夫婦ならではの哀歓を、『ノッティングヒルの恋人』『私が愛した大統領』などのロジャー・ミッシェル監督が、巧みに描いている。

■若者中心の作品と違って、しみじみとした情感や深み、人生の哀歓、そしてユーモアもあって、身につまされつつ興味深く見た。ハリウッド映画のような派手さ、起承転結の妙はないが、しみじみとした味わいのある佳作。本日が初日で、五分の入り。
by katorishu | 2014-09-20 23:15 | 映画演劇
 9月16日(火)
■元日本テレビの「名物プロデューサー」井原高忠さんが亡くなられた。享年85。面識はないが、井原さんの手がけた「巨泉×前武のゲバゲバ90分!」など斬新で面白く、友人に会うと「アレ見た?」と大いに話題になっb0028235_2004363.jpgたものだ。

■テレビ創成期に活躍した個性豊かな人が相次いで亡くなる。僕が直接インタビューした人だけでも10人を超える。一つの時代が終わったという思いが強い。次に来る時代はどんなものなのか。
内外情勢を見回すとどうも明るい姿が描けない。

■これから書こうと思っているのは、記憶喪失の女優とエネルギー問題を、あたかも水と油をくっ付けるようにする類いのもの。大袈裟に言えば、斬新な構成で「時代の曙光」を見せたいと思っているのだが。
最後までたどり着けるかどうか。たどり着いたとして、例によって版元から「香取さん、思いは分かるけど、売れませんよ、こんな内容」と断られるか。
井原さんのような冒険心と実験精神に富んだ編集者がいるといいのだが。合掌。
by katorishu | 2014-09-16 20:00 | 文化一般
 9月15日(火)

李香蘭こと山口淑子氏が94歳で亡くなられた。中国と日本の間で数奇な運命を生きた方だ。旧満州育ち。女優となり「中国人」になりきって満州映画のスターになった。「支那の夜」は昭和前期の日本で大ヒットした。
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写真の本「李香蘭 私の半生」(新潮社)も大ヒットした。時事通信の記者から後に日銀副総裁になった藤原作弥氏が、山口淑子さんから話をきき、まとめた労作である。


ぼくが「北京の檻」(文藝春秋社)をかくとき、情報提供者の鈴木正信さんから「李光蘭の本のようにしたい」とのこと。
毛沢東の文化大革命時代、「無実の罪」で5年2カ月も北京の監獄に幽閉された鈴木さんの物語で、有為転変、数奇さにおいて李香蘭と劣らない。派手さの違いからか、こっちは初版で終わってしまったが。

僕と鈴木さんの共通の知り合いの女性が、じつは旧満州時代、山口淑子さんの通った女学校の同級生と聞いた。戦争は普通に生きようとする人を「ドラマの主人公」のようにしてしまう。

ところで、「北京の檻」、映画化したら面白いのにと思うのだが、中国への配慮もあって実現できていない。拙作「マッカーサーが探した男」も、映像化ができていない。資生堂の福原会長がある雑誌の対談で「この作品どうしてNHKでドラマ化しないのだろう」と語っていたことを記すにとどめよう。
by katorishu | 2014-09-15 23:46 | 文化一般
 9月11日(木)その2

■ちょっとPRさせてください。作者がこういうPOPを書くと、売れ行きに影響するらしいです。これまで数十冊もだしていますが、初めて知りました。これまでは最終稿があがれば、あとは編集者まかせ。
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それでは、今は売れないのですね。
ところで、くまざわ書店は、僕の生まれ育った八王子が発祥の地。ぼくが子供のころ市内には2軒しか本屋がなかった。ひとつが島村書店、もうひとつが熊沢書店。いずれも甲州街道沿い。ユーミンの実家の荒井呉服店の近くにあった。
ふたつとも家族経営の小さな本屋で、雑誌などは自転車で配達してくれた。僕が足を運び立ち読みをしていたのは島村書店。熊沢書店は駅前に移り、高校に入って電車通学をするようになったので、立ち寄ることが多くなった。

■もう30数年前になるが僕の最初の本(講談社)が、熊沢書店の目立つところに高く平積みになっていて、嬉しくなり、何冊か買ったと記憶する。連続ドラマの原作ということであった。ただし、脚本が遅れ、せっつかれっぱなしで、原作のほうは「やっつけ仕事」になり、今では図書館などから撤去してほしい類いの本であるが。

■その後、熊沢書店は拡大をつづけ、今では「くまざわ書店」として都心にまで何店も進出している。「渋沢栄一の……」は八王子の「くまざわ書店」にも、いいところにおいてあったと、中学時代の同窓生が教えてくれた。
ミリオンセラー作家の田中渉氏の強力な協力を得て、「ビジネス書」としても「エンタメ小説」としても面白く読める作品になっていると、自画自賛しておきます。映画化を狙っているのですが、そのためにはまだまだ売れ行きが微弱。

■書店でお手にとってくだされば嬉しいですね。よろしくお願いします。
ついでに(すでに記したかと思いますが)八重洲ブックセンターの書店員の推薦動画のURLを以下に。
http://www.businessbookreview.jp/cn16/pg226.html
by katorishu | 2014-09-11 16:20 | 文化一般
 9月11日(木)
■山手線の中で向かい側の席のお客5人のうち3人が読書中。近頃では珍しい光景だが、以前はごく普通のことだった。「高度成長経済」の時代、日本にやってくる外国人が一様に驚いたことは、電車等の中で日本人
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が老いも若きもよく読書をしていることだった。日本人は江戸時代にさかのぼっても、その後の明治維新から昭和にかけても、よく本を読んだ。日本の識字率は常に世界のトップクラスだった。

■知識欲があり、勤勉で礼儀正しい。その上、好奇心旺盛。進取の気性があり、さらに若者が多かった。これらがいわば国の「土壌」となって、短期間に列強に負けない国となり、戦後もあれだけの惨禍に見舞われながら「奇跡の成長」を果たした。
今、日本人が読書している姿を街であまり見かけなくなった。読書人口がへりはじめたのは、昭和が平成にかわる前後であったと記憶する。

★『渋沢栄一の経営教室Sクラス』(日本経済新聞社刊)発売中です。

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by katorishu | 2014-09-11 15:41 | 文化一般