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4月30日(木)
■人間万事塞翁が馬というが、人生なにが幸運をもたらすか、わからない。芝居を見たり、ちょっとした誘いに応じたり、つまらない人だと思っていたが気がかわって会ったり、カルチャーセンターのようなところに、気まぐれで顔をだしたり……。それが常に幸運をもたらすとは限らないが、もたらすことも実は思いのほか多い。
 自分は「こうだ」と規定せず、いろいろと試みてみる。何事かをなしとげた人に、共通することである。無駄と思いつつ、試みる、チャレンジする、そこに幸運の女神は微笑む。逆の場合もあるが。
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■「人は見た目が9割」の著者、竹内一郎さん、本日夕刊フジに登場です。
高2のとき作家に成ると決めたという。そのうち演劇に魅せられ自由劇場に。きっかけは予備校で「演劇青年崩れ」の教師の書いた小劇場の芝居を見にいったこと。
 それが人生の分岐点になった。そして、年をへて、 演劇や漫画の原作シナリオ執筆等で養った「養分」を元に「見た目が」を書き100万部を超えるミリオンセラーに。

■ 印税は1億円を超えた。ずっと「扶養家族」だったが、これでそれがとれ、奥さんに家を一軒プレゼントしたという。アイディア豊かな人だ。紙幅の関係で聞いた話のごくサワリしか記せなかったが、骨子はつたわると思います。
ところで僕は20歳の時、作家に成ると決めた。まわりは「香取が作家になれるわけないよ」という声が圧倒的。「だったらなってみせようじゃないか」と才能があるとはまるで思わず、チャレンジし、まがりなりにも「作家」とよばれる職業についた。他の分野で、チャレンジしたら、別の「花の咲き方」があったかもしれないが、過ぎたことは、歴史に「もし」が意味ないことと同様、考えても仕方がない。
近々、麻布十番で「現代版寺子屋」といったものを、某著名文芸出版社の元編集者や某翻訳関係出版社の元社長、出版エージェントらとたちあげる予定です。
by katorishu | 2015-04-30 19:51 | 文化一般
 4月29日(水)
■世はゴールデンウイークとやらだが、「毎日が日曜日」で「毎日が仕事」の僕には関係ない。
 前から予定していた結婚式に出席した。久々のことだ。新郎の宮本陽介君は、ぼくが私的に時々開催している「勉強会」のメンバーの一人。フジヤングシナリオ大賞を受賞し、創作テレビドラマ大賞の最終候補にも残った。4年ほど前のことだ。
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■創作テレビドラマ大賞は放送作家協会とNHKが共催し、40年ほど続いている老舗の新人発掘システムで、ここから有為のドラマ作家が何十人と育っていった。以前、放送作家協会の常務理事をやっている関係で、この懸賞ドラマにかかわった。
 その時の体験だが――最終候補に残った彼の原稿を読んだとき、40代半ばの女性が書いたのでは、とおもった。その時点では作者の性別も年齢等も伏せられている。古本屋を営む40代半ばの女性が主人公で、心の機微がよく描かれていた。

■最終審査の司会をやったので、投票権はなかったが、今回の大賞はこの作と思って審査会に出席した。ところが、評価する人が思いのほか少なく、佳作にも残らなかった。
突出した作(滅多にでないが)だと、比較的票が集まるのだが、僅差の場合、10人いれば10の評価で、正直言ってこんなに見方が分かれるのかと驚く。ある審査員の「良い」と思う点が別の審査員の「そこがだめ」となる。審査員はいずれもドラマ制作やドラマ脚本に通じているはず。それが、この調子である。これでは「落ちた作」の中に佳作がありうるな、と思ったことだった。
誰であったか、「脚本家は運だよ」といっていたが、それも一理あると思ったことだった。

■脚本家になりたい人が相当数いて、懸賞ドラマ等も多い。一方、ドラマ枠が昔と比べ激減しているので、力がありながら受賞後、機会に恵まれない人が多い。これはという人に声をかけ、ときどき勉強会を実施する一方で、書く機会をあたえたいと思うのだが。「衰退産業」の業界では、なかなか思うようにいかない。

■宮本くんはいずれ頭角を現すと見ている。ただ、「衰退作業」の分野に固執するのではなく、グローバルに通じる世界で勝負をすべきと、アドバイスしている。
WEBの発達は著しく、東京オリンピックあたりを境として、旧メディアとニューメディアの「売り上げ」等は逆転するだろう。いや、もっと早いかもしれない。

■お祝いの挨拶では、激変する時代、旧メディアで「成功体験」のない人がかえって有利になるので、頑張って欲しいとエールを送った。この挨拶、案外好評であったようで、何人もの人から「とっても面白い話でした」といわれた。昨夜、永井荷風の『墨東綺譚』を再読していて、つい寝そびれ、睡眠不足で頭がボーッとしていたが、ホッとした。帰りの電車で睡魔に襲われ、危なく乗り過ごすところだった。
by katorishu | 2015-04-29 18:36 | 映画演劇
 4月27日(月)
■三大マンガ週刊誌の一角をしめていた少年サンデーが、刷り数40万を下回ったという。トップの週刊ジャンプは240万台、2位の週刊少年マガジンが115万部なので、サンデーの落ち込みが目立つ。デジタルでの販売は伸びているようなので、マンガ業界が特に勢いを失っているとは思えないが

■このところ、出版界全体の衰亡が目立つ。2014年の出版社の倒産数は前年より4割増しとか。もともと「不況業種」であったが、去年4月の消費税増税が響いたようだ。
こうした流れの中、大手のKADOKAWA・DWANGOは4月23日、子会社のKADOKAWAが実施した希望退職に232人の応募があったと発表した。募集は当初300人程度を想定し、募集期間は3月2日から同月20日までだったが、4月10日まで延長したという。

■希望退職は、3月末時点で41歳以上かつ勤続5年以上の正社員を対象に募集。応募者は4月30日付けで退職し、特別支援金の支給と再就職支援を行う。特別支援金など連結で50億3800万円の特別損失を2015年3月期に計上する見通し。(ヤフニュース)
 またKADOKAWA・DWANGOは、ゲーム開発のMAGES.など子会社ののれん代などを減損処理し、計56億1000万円を特別損失として15年3月期に計上すると発表した。

■少子高齢化とスマホ等の普及で、本を読む時間も本を手にとる人も減っており、当然の結果といえるが、この流れが続くと日本の「知的劣化」が促進される恐れが強い。WEBでの情報は細切れが多く、「考える力」を養うにはあまり有効ではない。系統だって深く読み込むには、やはり「紙の本」である。学校の教師の中にも、「あまり本を読まない」人が多いと聞く。「ものを知らない」教師が、子供に「ものの本質を教える」ことは出来ないのも道理である。

■今、日本全体に「知の劣化の連鎖」が起きているといってよい。アメリカにはブッククラブなどがあって、意外と多くの人が読書の習慣を維持している。明治維新の時も、第二次世界大戦の後の廃墟から日本が蘇った背景には、「知の強み」があった。その背景にあったのが、国民の多くが読書好きであったことだ。それが、今や風前の灯火になろうとしている。まだ、回復可能な「浅傷」だと思うが、このままいくと回復不可能な事態に至ってしまう。
by katorishu | 2015-04-27 20:33 | 新聞・出版
 4月26日(日)
■外務省が中長期的なアジア外交を考える上でつくった「外部研究会」が、20年後のアジアがどうなっているかについて報告書をまとめた。注目点は、アメリカの内向き志向が続けば、アジア太平洋地域で「弱肉強食」の動きが強まり、「中国が支配的な地位を占めるようになり、日本は大きな困難に直面する」という。(朝日新聞4月26日)
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■一方、韓国は中国との関係を一層緊密にするであろうと。世界が流動化するなかで、短期的な視野で外交政策を考えると、過ちを犯すとも警告もしている。ほぼ妥当な線ではないか。
 日本のとるべき道は「日米関係」の維持、強化しかないのか、といっているようにも見える。『文明の衝突』でサミュエル・ハンチントン教授は5つの文明の中に日本をあげたが、日本は歴史的に大国にすりよる生き方をしてきたし(江戸時代はちょっと例外)、今後は中国にすりよる可能性を指摘していた。それが現実となるということか。

■対外関係とは別に、国内問題でこれから20年間ほどのあいだ、最大の問題になるのは「少子高齢化」問題である。歴史上はじめて経験するこの問題が、社会にもたらす影響は相当のものだ。医学が発達し、逆ピラミッド型の人口構成が一層すすむ可能性が強く、それだけ危機も深刻になる。今のような無為無策がつづけば、いずれ社会機能が麻痺する可能性が強い。今の政治・行政は、場当たり的に対策を打ち出しているが、それではとても「おっつかない」。

■濃霧のなか崖に向かって疾走している車の中にいるようなものだ。霧が晴れたらすでに崖っぷち。急ブレーキを踏んでも(落下)を回避できるかどうか。危機回避のためには、現状の国会議員を半分以上、とりかえないといけない、と思うのだが。
by katorishu | 2015-04-26 11:05 | 東アジア
 4月22日(水)
■首相官邸の屋根に「ドローンが落ちたそうだ。ドローンという言葉をニュースで初めて知った。昔のエンジン付き模型飛行機の類いなのだろうが。かなり精巧になっていて、使いようによっては「武器」になる。改良型をつくれば、テロの武器になり得る。これを巨大化し、性能を飛躍的にあげたものが、中東で盛んに殺戮を行っている無人戦闘機といってよいだろう。

■ドローンの怖いのは、安価で手にはいることだ。機械工学等の知識のある人なら、改良品をつくることも出来るだろう。すると――玩具が武器になる。すでにこれはブラックユーモアである。
科学の発達が原子力をもたらした。大量破壊兵器になる一方、「平和利用」ということで、原発が生まれ、現実に始動した。「きれいな」「地球に優しい」発電所などといわれたが、とんでもない危険をはらんだ装置であることが、東日本大震災で証明されてしまった。

■科学者は研究者の本能で、より便利で、より高度な装置の開発、発明に走る。人類に幸福をもたらす発明、発見、改良も多々あるにしても、人類を不幸のどん底に落とす危険をはらんだ装置をも時に創り出す。光があれば必ず影がある。これ以上、科学を発達させて、どうなるの?という疑問を、あらためて抱いた。
by katorishu | 2015-04-22 18:42 | 社会問題
 4月20日(月)
■朝日新聞WEBRONZA、昭和エロ・グロ・ナンセンス【文学編】、本日配信
 [第24回]第3章 文学篇(純文学)(4)
外来文化の強い影響

http://webronza.asahi.com/culture/articles/2015032700006.html …

■【舶来品崇拝】

 島国という事情のせいか、日本人は外からやってくるものに対して異常に興味をしめし、これを崇める傾向が強い。古来、海の彼方から運ばれてくるものは、いわば神さまからの贈り物のようなもので、これを取り入れ土着のものとうまく融合させ、日本独自の文化を築いてきた。

 文学作品においても、海外渡来のものをヒントにして再構成したものが多い。『雨月物語』をはじめ明治以前につくられた怪談の多くは中国の古典から想を得ているし、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』など一連の作品は中国に原典がある。もっとも、単なる真似ではなく、巧みに日本伝統の文化と融合させ、独自の作品に仕立てているが。

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(谷崎潤一郎が「痴人の愛」を書いた旧宅=2006年撮影、神戸市東灘区)

 江戸時代、多くの読者を獲得した滝沢馬琴の伝奇小説『南総里見八犬伝』も中国の『水滸伝』から想を得たものである。

 安房国里見家の伏姫と8人の若者(八犬士)を主人公とする長編伝奇小説であるが、設定からしてエロ・グロ・ナンセンスの趣である。こういう作品に庶民は一喜一憂したのである。

 外来文化を寛容にうけいれ、これに旧来の文化をまぜあわせ独特の文化を創り上げる点で、日本ほど長けた民族はいないといっていいくらいだ。明治維新後は中国にかわって欧米諸国の文化が流れこんだが、これをも巧みに換骨奪胎した。

『変態性欲心理』の影響

 大正にはいってまもなく、性欲を真っ正面からあつかった「精神医学」の本が海外からもたらされた。クラフト・エビングの『変態性欲心理』である。

 エビングはサディズムやマゾヒズム、フェティシズムの研究者で、同時代の作家レオポルト・フォン・ザッハー・マゾッホの名から「マゾヒズム」という用語を造語した研究者としても知られる。

 1840年ドイツで生まれ、普仏戦争に医師として従軍したあと、精神医学の教授としてストラスブールに招聘され、以後、国立精神病院院長などを歴任したほか、ウィーン大学の精神医学科の主任教授を務めた。梅毒、催眠、てんかん研究や犯罪精神医学の先駆者である。

 『変態性欲心理』の原題は「性的精神病質」とでもいったもので1913(大正2)年に刊行された。性的問題で悩み、傷を負った患者からエビングが直接聞き取り、まとめたものである。

 著書にあるマゾヒズムの典型例「Z氏、50歳」のケースを紹介しよう。

 Z氏は公務員で背が高く筋肉質で健康である。一貫して女性との性交は野蛮な行為であるとしてこれを忌避してきた。それでいて女性に惹かれたいという矛盾した気持ちをかかえていた。

 Z氏は、スタイルがよく肉付きのよい女性、特にきれいな足をしている女性が座っている姿を見ていると、強く興奮した。

 Z氏は「そのような大いなる美を支える」ため、自ら椅子になりたいと思った。椅子になって女性に坐ってもらうのである。そして、女から蹴られたり平手打ちを食わされれば、天国にのぼる気持ちになると実感した。

 ただ、相手と性交するのが恐ろしいのだった。Z氏は32歳で魅力的な女性と知り合った。彼女とは適度に性交を繰り返したものの、快楽というより重荷だった。

 しかし、彼女を深く愛しており、よく自分が誇り高く気性の激しい馬となり、美しい淑女を乗せる夢想をした。女性の重みを感じ、(馬の首にはめられる)轡(くつわ)へ服従することや太股で脇腹が締めつけられることを想像すると愉悦を覚えるのだった。

 7年前にそれが実現した。

 どうすれば彼女が自分から、私の背中にまたがってくれるかわかっていました。それからその状況をできるだけ楽しくなるように心配りをしたので、次のときには、彼女が自分の方から「おいで! 馬におなりなさい」と言いました。背が高いので、両手を椅子に突き、自分の背中に水平にして彼女には男のようにまたがらせました。私は馬の動きを真似て、手加減なしに馬として扱ってもらうのが好きでした。叩いても、突いても、叱り飛ばしても、撫でるにも、なんでも好きなようにしてもらう。彼女は70キロほどの体重で、それを30分から45分ほどのあいだぶっつづけで乗せていました。1回やるたびに、たいてい休憩を求めます。[……]状況が許し、時間があれば、3、4回くりかえします。午前中と午後、両方のこともありました。そのあとは疲労も不快感も感じませんが、食欲はほとんどなくなります。できれば胸を剝き出しにし、鞭を直接感じる方がいいです。相手には上品でいてもらわねばならない。きれいな靴とストッキング、膝の丈で絞った短いズロースをはいてもらいます。上半身はきちんと身づくろいし、帽子と手袋もつけます。

 Z氏は7年間、性交をしていないが、自分は不能ではないとエビングに語った。

 馬乗りは、たとえ射精を促すことはなくとも「野蛮な夢」の立派な代償行為だった。

 この種の「症例」が列挙されているだけだが、当時の人にとってエビングの書は大変な衝撃だった。

【谷崎潤一郎への影響

 谷崎潤一郎は、美女の体に己の魂を埋め込みたいと願う男の願望を描いた『刺青』で、華々しく文壇に登場した。

 その後、谷崎はマゾヒズムに強く傾斜し、マゾをテーマにした作品を何作も書いた。なかでも谷崎潤一郎の名前を高めたのは『痴人の愛』である。1924(大正13)年から翌年にかけて、前半が「大阪朝日新聞」に、後半が雑誌「女性」に連載された。
(この続きはWEBRONZAで)

★「渋沢栄一の経営教室Sクラス」(日本経済新聞出版)発売中です。
by katorishu | 2015-04-20 15:40 | 文化一般
4月19日(日)
■ウッディ・アレンの映画はたいてい見ることにしている。土曜日、品川プリンスシネマで最近作『マジック・イン・ムーンライト』を見た。
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天才マジシャンと「霊感」豊かな女性占い師が、南仏を舞台にくりひろげる、ラブコメディだ。ウッディ・アレン流の皮肉がこめられ、マジックや霊感、占い等を諷刺している。その意図はわかるが、最初の1時間くらい、説明的シーンが多く、人物に感情移入しにくかった。

■品川プリンスシネマは珍しく若い人で賑わっていた。『ドラゴンボール』の映画か、どらえもん映画を見るのだろう。映画館に足を運ぶ人の増加は好ましい。映画館で見るのと、家でDVDやテレビで見るのとは、ちがう。
ウッディ・アレンの映画、感動できなかったのは、ウッディ・アレンが「老いたから創作パワーが枯渇した」とは思いたくない。イギリスで初めて撮った『マッチポイント』のような佳作もある。以後、ヨーロッパを舞台に新しい試みを続けてきた。「ミッドナイト・イン・パリ」なども悪くなかった。

■なにより大事なのは、シナリオである。しっかりしたシナリオという土台に、ウッディ・アレンらしいひねりと諧謔の味をきかせる。老いはさけられなにしても、老いに逆らい、創り続けて欲しいもの、とあらためて思ったことだった。

★「渋沢栄一の経営教室Sクラス」講評発売中
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by katorishu | 2015-04-19 12:36 | 映画演劇
4月16日(木)
■「昭和エロ・グロ・ナンセンスと震災後の世相」(朝日新聞WEBRONZA)
 [23]第3章 文学篇(純文学)(3)
『文芸時代』の創刊と「新感覚派」の由来――配信です。
今回は無料で読めます。以下のURLです。
http://webronza.asahi.com/culture/articles/2015032700005.html
by katorishu | 2015-04-16 10:13 | 文化一般
4月某日
■拙作「マッカーサーが探した男」を必要があって読んでいる。
昭和初期、日米比の経済、政治の中枢に関わったひとの伝記だ。
「墓場までの秘密」の一端を語ってもらい、
3年ほどかけて書いたノンフィクションだ。これを書いたことで「ノンフィクション作家」と世間に言えるようになった。
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この延長線上で、更に「墓場までの秘密」を持った人をもっと探し出し説得して語ってもらい、取材を重ねて書いておけば良かった、
と後悔しても後の祭り。

■せめてコレ文庫本にならないか。自分のことを言うのもアレだが、えっ、こんなに面白い本だった?
そういえば、いつだったか資生堂の福原会長がこの本を褒めてくださり「どうしてこんな面白い材料をNHKがドラマ化しないのだろう」と雑誌の対談でどなたかに話していた。
by katorishu | 2015-04-16 10:07 | 新聞・出版
  4月14日(火)
■雨降りだからか、よく行く北品川の広いコーヒー店、昼の12時を過ぎたのに閑散。僕なりの「定点観測」では、庶民レベルの景気は悪化している。
昨夜、アメリカにいるアフリカ系の技術者から「help」のメール。妻が保険適用外の医療検査を受けなければいけないのだが、助けてもらえないか、と診断書が添えられている。
10数年前、取材であい、好感を持った人。フランス系だという夫人の写真を見せてくれた。一度、結婚前の夫人に東京であったという記憶がある。
その後アメリカに移住した。時々メールのやり取りをしていたが、パソコンがクラッシュして連絡が取れなくなった。 アフリカの某国の王族に連なる人と聞いていた。


■ 高額医療大国アメリカらしく、検査といってもかなりの大金で、貸せる余裕は今の僕にはない。
どういう断りの文面にしようか、ちょっと悩んでいる。本当に良い人なので、よくよくのことだろう。
以前、アジアのある国の人から100万円貸してくれないかと頼まれた。勤めていた頃で通帳にそのくらいのお金があった。今の価値に換算すると数百万円ほど。
その人は、ある事業に失敗し苦慮していた。日本の銀行は、異国人 なので、相手にしない。
頼まれて僕はあっさり貸した。7割方返ってこないと思いつつ、人助けにいるなるのだからと。契約書もつくらずに現金の手渡しで。2年後そっくり手渡しで返してくれた。彼は息子と半導体の商社を作り、軌道に乗せた。
「無担保で外国人にそんなに簡単に貸すなんて甘い」と日本人の友人等に言われたが。
「武士はくわねど高楊枝」ではないが、 そもそも金を貯めたり「利殖」という観念が薄い。
だから貧乏なのだろう。渋沢栄一を学んで、経済がいかに大事かを骨身にしみて理解した。

■ それにしてもお金ってなんなのか。摩訶不思議なものだ。一種の武器のようなもので、これを一定量持つと、ひどく傲慢になる人がいる。謙虚な人もいるが、総じて、頭が高くなり、人を見下す傾向が強い。金の威力は絶大で他人の生殺与奪を握る。ないと、なにも出来ない。便利かつ不思議なツールを人類は発明したものだ。

■そこまで根源的に、皮肉に考える癖が身についてしまった。「作家」ゆえの妄想をふくらませると、この世は金で繁栄するが、根底では金故に滅びる可能性も強い。もっとも、この世は一時的な仮の「宿り場」という考えもなりたつ。そう思うと、なにも怖いものはない。なにがあっても、「大したことはない」のである。
ところで映画の名匠、溝口健二監督は、よくお金を巡る人間関係の歪みを主人公に絡ませた。どうしていつもお金の問題を絡ませるのかと問われて「お金を絡ませると社会を描けるから」と監督は答えた。納得。

✻「渋沢栄一の経営教室Sクラス」発売中です。
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by katorishu | 2015-04-14 15:27 | 文化一般