コラム


by katorishu
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11月4日(金)
 少々フツカヨイ。12時に起床し、蕎麦を食べてまた仮眠。寝床で本を読んだり眠ったりの状態だった。午後の3時ごろ、ようやく回復した。
 体質的にアルコールに弱いので、昔から外で飲んだ翌日は、午後まで使えず、ひどいときは夕方までダメである。酒飲みの人の半分ぐらいしか飲まないのに、そうなる。
 サラリーマンとして勤めていたとき、飲めないのにみんなにつきあって飲み、それでどれほどミスを犯したことか。ミスの99パーセントは酒が原因だと思っている。飲まなければいわなかったであろう一言。それが原因で誤解を与えたことも多い。いわゆる「からみ酒」ではなく、単に酔って抑制のブレーキがはずれてしまい不用意な言葉を吐いてしまうのである。
 
さらに翌日の体調の悪さ。休むこともできず無理に出社し、極めて体調不利な状態で仕事をすれば当然ミスも重なる。酒に酔わされ吐いた言葉や体調不良などで、どれほど不利な状況になったことか。思い返すだけでも汗顔の至りという気分だ。
 
 ところで、日本人の30パーセントはアルコールを分解する酵素をもっていない。それでいて仕事にも酒がついてまわる「酒縁社会」である。以前は酵素のことなどわかっていない人も多く、飲んですぐ酔いつぶれたり吐いたりすると「鍛え方が足りない」とか「根性がない」などといわれた。飲めないといっても、無理矢理飲まされたものだ。「飲めないのは男じゃない」などという言い方をする人もいた。
 
 アルコールに弱いためにずいぶんと不利な目にあった人は多いのではないか。今は酒の無理強いは減ったと思うが、大事なことが酒席で決まることは多い。
 そのためもあって、企業や組織で上にのぼっていく人は酒に強い人が多い。酒に強いのは別に「鍛えたから」ではない。もともとアルコール分解酵素をもっているだけである。
 遺伝的体質であり、色が白いのと黒いのと同じようなもの。

 欧米人はほとんどの人が分解酵素をもっている。ところが欧米では、酒を飲みながらビジネスや商談をすることはない。酒はあくまでプライベートの場での潤滑油である。
 神社などには酒がつきものだが、それと関係があるのかどうか。神社の前で酒を飲み、全員が酔いつぶれ、正体をさらし、陰ひなたがありませんよと身をもって示すことで、「味方」と見なされ、結束をかためる。そんな習慣が昔からあった。その伝統をひいているのかもしれない。

 日本では政治家などが料亭で重要な話し合いをすることに典型的に現れているが、大事なことほど酒席で決めることが多い。
 酒を飲めない人で政治家である人を、ぼくは知らない。酒を飲めない人で、大きな会社や組織の長になった人を知らない。アルコール分解酵素をもっていないか、少ない人は、まことに不利な社会である。
 もっとも、酒を一滴も飲まない人は、酒縁で「無駄な時間」を費やすこともなく、その分、趣味や教養の時間が増えるし、成人病などにかかる率少ない。
 世の中、なにが幸いするかわからないのであるが。  
# by katorishu | 2005-11-05 00:41

文化の日に酔っぱらう

 11月3日(木)文化の日。
 文化の日なのだから、たまには文化に値する行動をとってみたらと思うのだが、ぼく自身を含めて「文化」に値する行動をとったかどうか、心許ない気がします。
 午後5時から、渋谷の喫茶店で「放送人インタビュー」。今回はCBC(中部日本放送)の看板ディレクターの山本恵三氏。過日、TBS系で放送された山田太一氏脚本のドラマを演出した人で、数々の芸術賞などに輝いた人です。
 20数年来の友人なので、聞きにくいし答えにくい。 聞き手はぼくで、アシスタントは脚本家志望の門脇順子さん。詳細はいずれアップされる日本放送作家協会のホームページでご覧ください。

 終わって居酒屋で歓談。脚本家を志す門脇嬢へオジサンからのお説教に近いアドバイス。これからの社会を担う人たちに、われわれの経験をうまくバトンタッチしていきたいものだ。
 生ビール一杯となんとかサワー二杯で酔っぱらう。
 品川シーサイド駅でカミサンと会い、一昨日開店したばかりの飲み屋に。まぐろの漬け丼はよかった。ふらふら歩きながら帰宅。ああ、今日もかくてありけり、明日もまたかくありなん。
 こうやって人は老いてゆき、この世にグッドバイをしていくのだろう。
# by katorishu | 2005-11-04 00:19

秋晴れだが……

 11月2日(水)
 秋晴れの良い天気。一年中で一番快適な季節だが、あまり晴れやかな気分にはなれない。
 午後、テレビ制作会社へ。企画の件でいろいろと話したのだが、「とにかく数字。数字さえ出れば何でも良い」といった風潮はさらに強くなっているようだ。
 数字だけがものをいうグローバリゼーション(アメリカ化)の流れが背景にある。小泉政権への支持率が50パーセントから60パーセントを超えているという。驚きである。

 そのあと、中国からきた映画監督もまじえ、こちらも企画の話。中国を舞台に、出演者のほとんどは中国人という斬新なオムニバスドラマを考えているのだが、果たして企画が通るかどうか。
 華僑の某氏の通訳で2時間半ほど話す。中国に詳しい日本人もまじえ、最近の「中国事情」についていろいろと話を聞いた。若い人たちの感覚は日本人と変わらなくなってきているが、芯には中国の伝統文化がしみついており、深いつきあいになると、それが表面に出てくるということだ。
 以前ぼくが考えた企画で、ボーダレス化の時代、時宜をえていると思うのだが。(内容は今のところ明かせません)。小説化も考えている素材。ぜひ映像化をしたいものだ。
(こういったブログは「公開」なので、どこで誰が見ているかわからない。映画テレビ界ばかりでなく、斬新でユニークな企画を鵜の目鷹の目で探しているので、記すことは出来ないのです)

 ガンジーの会のホームページをぼくが管理しているが、アクセスカウンターが3万件を直前に表示されなくなった。単なる「事故」か、どうか。
 修復しようと数時間格闘したが、ダメ。最初にこのホームページをつくったYさんにメールで連絡、SOSをもとめたが、さてどうなるか。
 このところ連日、人に会っている。サラリーマンなど毎日毎日会社の人間と会っているわけだが、物書きは人に会っていないときこそが「勝負」である。一人の時間をどう過ごすかで、仕事の質も決まってくる。本日はあれやこれやで、執筆時間は2時間足らず。以前は気分が乗ると朝まで執筆をしたりしたものだが、秋の晴天だというのに、どうも気分が乗らない。腰が痛く、疲労が蓄積しているのだろう。しかし温泉などに行く気になれない。旅行に出たりすると、ますます疲れてしまう。明日は文化の日。放送人インタビューでCBCの山本氏に会うので、最近の山本氏の演出した山田太一氏脚本のドラマを見なければ。
# by katorishu | 2005-11-03 01:45
 11月1日(火)
 15時より、足立区の学びピアで脚本アーカイブスの会議。テレビ放送がはじまって50年余り、これまでテレビ台本、脚本がいったいどのくらいあるのか。誰も本格的に調べてこなかった。この数を把握する作業やその収集、保存、管理等について。難しい問題が多々あるが、中でも最大の問題は資金難。
 なにか新しい事を起こすにはお金がかかり、ボランティア精神だけでは対応できなくなる。

 終わって4人で北千住の80歳すぎの女性のやっている居酒屋にいき歓談。テレビにまつわる話や、劇団を主宰しているT氏の、若いころの恋愛物語や現在活躍している俳優、タレントの「世に出る前」のエピソードなど、もろもろのことで大いに盛り上がり、これはこれで面白かった。
 「今をときめく」有名人も、若いころは……。そうでしたか、そんなことがあったのか……といった酒場だけの「内緒話」といったところ。
 いろいろな失敗や勇み足、向こう見ず、冒険……等々をへて、人間は成長していくのだと思う。それにしても、30,40年前のほうが、時代に「ゆとり」があったと思う。便利さ、快適さを得たかわりに、日本人は確実に何かを失っている。
 80歳すぎの女将は昔、作詞をやっていたという。外見から、「粋筋」の雰囲気も感じ取れた。北千住ではじめて入った居酒屋。筑前煮や炊き込みご飯など「家庭料理」があり、近頃はやりの「居酒屋チェーン」店とは出てくるものがちがう。名物だという牛すじも悪くなかった。値段も安い庶民的な飲み屋。4人のうち2人はウーロン茶でアルコールなしであったが、話は盛り上がった。アルコールなしでも、旺盛な好奇心と「人間好き」であれば、気持ちは盛り上がる。
 愚痴や暗い話で、ますます暗くなり滅入ってしまうような「飲み会」は出来るだけ避けたいものだ。
 
# by katorishu | 2005-11-02 08:34
 10月31日(月)
 今年もあと2ヶ月を残すのみ。予定していたことの5分の1程度しか出来そうもない。書いても活字にならなかったり、これをやりたいという企画が通らなかったりということも多い。
 とにかく「数字」なのである。「数字がとれない」といわれるとどうしようもない。ぼくの書きたいこと、やりたいことは、どちらかというと地味なので、少数派むきなのかもしれない。
 世論調査などで多数派をしめる項目、現象、人物などに賛同できることはほとんどない。少数派は片隅に追いやられ、マスが大手をふって歩く世の中……。
 
 それでもいくつか来年芽を出せそうな「種」はまけたかと思っているので、来年に期待したい。
 午後1時にJR大森駅に。10数年前に一度おりたことがあるが、ほとんど馴染みのない駅。鈴木正信さんにあい、駅ビルで中華の「おこげ定食」を食べ、そのあと2時間ほど貴重な話を聞く。

 帰路、青物横丁駅近くのコーヒー店に入り、パソコンでDVDを見る。映画「風の絨毯」。日本とイランの合作映画で、榎木孝明、三國蓮太郎などが出ている。
 三國さんに一昨年、インタビュー取材して話を聞いたとき、この映画の話をしていた。まあまあのデキか。イランの光景が新鮮だった。
 昨日ハンストをしながら見たDVD「赤い月」は最悪だった。満州を舞台に歴史のうねりの中に生きる人間の苦悩を描いたものだが、紋切り型で人間造形が薄く、退屈する。原作者の中西礼氏も怒っているのではないか。
 脚本も悪いし、降旗監督の演出もよくない。昨日見たアンソニー・ホプキンス主演の「白いカラス」などと比べると、格段の差だ。
 降旗監督といえば、高倉健主演の映画を数多くつくっていて、「冬の華」などの佳作もあるが、倉本聡氏のシナリオによりかかっていたからなのか。最近つくるものは、いやはやである。去年見た特攻隊員を題材にした映画も良くなかった。過去の成功体験によりかかっている人の悪い典型的な見本。
# by katorishu | 2005-10-31 23:40