コラム


by katorishu
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日本映画監督協会の忘年会

 12月10日(水)
■経済指標の悪化等々、より悪くより悪くといった傾向を助長するニュースがあふれている。たぶんそういう類のことばかりでなく、心暖まる話や景気の良い話もあるはずなのだが、マスメディアの記者は「悪」を鵜の目鷹の目で探そうと躍起――といった印象だ。。

■それが人々の気持ちを冷やし、閉ざし、景気は一層悪くなり、社会が殺伐としたものになっていく。本日、公務員のボーナスが支払われたとのこと。「普通の国民」から見たらずいぶんと「高給」をはんでいると見えてしまう。なかには仕事の質と量に見合った働きをしている公務員もいるのだろうが、多くはシステムの恩恵をうけているからにすぎない――と思っている国民は多い。

■渋谷で行われた日本監督協会の忘年会に初めて顔をだした。ここで某氏とあい、ある話をするはずであったが、結局あえずじまい。受付の名簿には某氏が出席していると丸印があるのだが。どういうことなのか。監督協会会長の崔洋一監督と名刺交換をし短い時間だが話ができたことは有益だった。崔氏によると韓国の映画界はひどい状態になっているという。悪化したのはなにも今度の金融危機が原因ではなく、2年前から「惨状」であるという。映画関係者の半分は失業状態であるようだ。日本はすこしましだが、似たり寄ったりかもしれない。

■そのほか、もろもろ気持ちがげんなりする話も聞いた。150人くらいはきていたにちがいない。会場で顔見知りは二人の監督と二人の映画評論家と一人の音楽家だけ。映画つくりも大変困難な状況におかれているようだが、若手、とくに女性の若手監督が確実に育ってきていることは、明るい材料である。みなさん、めげずに明るく、とにかく作品をつくっていこうということでは、気持ちがひとつになっている。

■某氏の話――日本には現在4000万人の映画ファンがいる。某映画会社の幹部等が、このファンはコアな部分だから映画の入場料を2000円に値上げしても大丈夫、と策を練っているとか。「バカじゃないのか」と崔監督も話していた。ぼくも同意見だ。そうでなくとも、日本の映画入場料は世界でももっとも高いのに、値上げを考えているとは。

■経営者は料金を安くすることで、もっと多くのお客を呼び込む努力をすべきだろう。日本の映画配給システムを改善しない限り、日本映画の明日はないかもしれない。去年、日本で制作された映画は約600本あるが、そのうち200本は未公開であるという。このへんに最大の問題がありそうだ。日本社会は今「チェンジ」しなければいけないところばかりという気がする。1時間半たらずいて、もりあがった会場をあとにした。本日もしこしこ執筆作業。あまりすすまずテレビをつけたら久米宏氏がキャスターの番組。「井戸端会議」の域をでず、面白くない。敢えていわせていただけば「つっこみが浅い」のである。元手をかけていない作りだなと思った。これはラジオのやり方である。ラジオで出来ることをテレビでやっても仕方がないと思うのだが。
by katorishu | 2008-12-10 23:52