コラム


by katorishu
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東京もシャッター通りが増えつつあるようだ 

  3月17日(火)
■春らしい天気になった。こんな日に散歩をしない手はない。品川運河にそって羽田空港方面にあるき、立会川までいった。釣り船や屋形船が運河に係留されていて、桜並木の土手はのんきな雰囲気だ。しかし、立会川駅ちかくの商店街は、軒並み間口一間ないし二間程度の小さな店のつらなりで、一瞬、時代が逆流して「昭和」にもどったようが気分になる。いちように、どこか寂れていて、都内というより、どこかの地方都市の駅裏という雰囲気だ。

■この先にある蒲田など「京浜工業地帯」に位置する街である。おそらく中小零細とそこで働く人が多く住む街のようだ。今度のアメリカ発の大金融危機の影響をもろに受けているのではないか。この街に15時半から19時半すぎまでいたが、人通りもすくなく、活気がない。お年寄りも多いと感じた。珈琲店の二階で3時間ほど執筆作業をしたあと、駅近くの蕎麦屋にはいった。夕食時だというのに、客が少ない。手打ち蕎麦屋で1年ほど前にはいったときは、半分以上席が埋まっていたのだが、この日、一組の客がいるだけだった。

■天ぷらつきのナントカ蕎麦を食べビールを飲み、30分以上いた。出るとき客が一人はいってきただけ。素人くさい中年の痩せたおばさんが、注文をとるのだが、慣れていないのか、声をかけても背をむけたままで手持ちぶさたである。奥の座席の一角は閉鎖してしまい、景気の悪さが如実に感じられる。ほかの店もシャッターのおりているところが多い。「閉店します」という張り紙のはってある店が何軒もあった。街が疲弊しているな、と思った。

■なんとなく昭和40年代から30年代後半あたりにもどりつつあるな、と感じる。ただ決定的に違うのは、あのころは街をいく人も飲み屋などで見かける人も、みんな若かった。当然のことながら元気があった。エネルギーにあふれていて、なにか新しいものを生み出す意欲にもえている人が多かった。過日、おもむいた京都でもそうであったし、日本中の街で消費が落ち込んでいる。こんな状態があと1年もつづくと、多くの店がつぶれてしまう。店が続々と消えてなくなる町は、廃墟に近いものになる。

■それなりの年金をもらい、それなりの財産もあって「困らない」生活をしている人も一定数いるのだろうが、多くの国民は先行き不安でいっぱいで、鬱の人も増えているようだ。物事を真面目に考える堅実派も増えているとのことだが、やはり活気のないのは、いけない。だいいち町を歩いていて楽しくない。政財官に期待はできないし、さてどうしたらいいのか。ひとりひとりが元気のでるよう努力するしかない。

■アメリカでは多額の公的資金をつぎこんだ保険会社AIGの幹部社員にひとり平均4000万円のボーナスがでるということで、オバマ大統領や国民が怒っている。あの種の会社ではもともとモラルなどない人が出世して幹部社員になっていくのだろう。AIG傘下の保険などにはいらなければよかったと思うが、途中で解約をすると大損になる仕組みになっているので、そのまま継続するしかない。腹立たしいことである。
by katorishu | 2009-03-17 22:53 | 社会問題