コラム


by katorishu
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北朝鮮問題解決の鍵は中露が握っている

 4月6日(月)
■北朝鮮の「飛翔体」についてマスコミも派手に報道している。北朝鮮は人工衛星と主張しているが、ミサイル等の武器であることはまちがいない。一説にはアメリカを会談の場にひきずりだすためのデモンストレーションというし、一説には後継者問題で国内の引き締めをねらったともいわれている。

■いずれにしても、困った国である。言論の自由のない国は、どのような国でも「悪い国」というのが、ぼくの基本認識である。権力者を世襲させるのは、結局は国や民族の弱体化につながる。悲惨な状況にある国民をどうしたら独裁者のクビキから解放させることができるか。ポイントは、中国とロシアである。

■この2国をまきこまずに、北朝鮮問題の解決はむずかしいだろう。日本が単独で経済制裁などしても、効果があるとは思えない。アメリカと中国、ロシアをまきこんだ外交力こそ、北朝鮮に核開発の道を歩ませない唯一の手段ではないか、と素人考えで思う。とくに中露である。この両国に見放されたら、「北朝鮮王朝」は終わりなので、かなりの程度言うことをきくだろう。両国を日本の期待する方向で動かすのは至難のわざとは思うが。日本としては、地道な努力を積み重ねるしかないだろう。いまの外務官僚にその力があるかどうかは、わからない。

■ところで――脚本家連盟には1000人ほどの人がいるが、食べられているのは100人ぐらいということで、ほかの人はなんで食べているのか――という質問がありましたので、私見ですがお答えします。
 日本脚本家連盟と日本放送作家協会とは別組織です。放送作家協会の会員は1000人強ですが、脚本家連盟のメンバーはもう少し多いようです。

■1000人のうちには、高齢で現役を引退している人も相当数います。元々つとめていたり、他の職業をもっていたり、主婦で夫が稼いでいたり……で、脚本書き専業の人は今も昔もそれほど多くないと思われます。調査をしたわけではないので、山勘ですが。

■放送作家協会員にかぎっては、最近は「構成作家」が多く、フリーライターなど他の仕事をしたりしている人も多いようです。文芸家協会やシナリオ作家協会にはいっている人もいます。なお、日本脚本家連盟は共同組合と同じ形態であり、監督官庁も厚生労働省で、一方、日本放送作家協会は文化団体であり文化庁が監督官庁であり、別の団体です。
 構成員はかなりの部分重なりますが。

■日本の映画やドラマの市場は小さいので、1000人もの書き手が常時「食べられる」ことは、物理的にありえないですね。シナリオ作家協会も含めて、脚本書きだけで食べられる人は、私見では200人ぐらいがいいところでしょうか。
 舞台台本を書いたり、ゲームソフトのシナリオを書いたり、コピーライターの仕事をしたり、ラジオ、テレビに出演したり――と「メディアミックス」の時代ですから、仕事の幅は相当ひろがっているようです。

■それなりの長いキャリアをもつぼくでも、脚本書きだけしていた時期は10年ほどです。特にテレビは時代の風俗と密接に関連しているため、「作家性」をもった人は「時代と合わない」こともしばしばで、注文がなくなったり、自ら意にそわない作品は書かないという人もいます。いずれにしてもオカネを得るためだけで書いているわけではない――という人も一定数います。生計費を稼げない人は、「食えない」俳優などと同様、さまざまな「仕事」をしているものと推定されます。「才能」で勝負する職業人は、どこも同じです。

■ところで、従来の形でのテレビドラマは今後衰退の一途をたどると予想されます。かわって新しいの表現の場や形をさぐる動きが水面下ではじまっており、大手企業も参入の意欲を見せており、こちらにはかなり期待をもてそうです。末席ながらぼくもちょっと関係しています。当初は紆余曲折があるかと思いますが、いずれ定着してくるでしょう。柱になるのはネットです。善し悪しは別にして。
by katorishu | 2009-04-06 22:52