コラム


by katorishu
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世界の「電子ゴミ」の7割が中国に。そして朝鮮戦争再発の懸念

 6月9日(火)
■Record Chinaが記していることだが、 世界の「電子ゴミ」の7割が中国へいっているという。世界では毎年2000万~5000万トンの電子ゴミが生まれ、そのうちの約70%が中国へ、残りはインドやアフリカなどの発展途上国へ輸出され、現地で重大な環境汚染問題になっていると指摘している――とのこと。

■「電子ゴミの終着駅」と呼ばれる中国広東省スワトウ市やナイジェリアのラゴス、ガーナの首都・アクラ周辺などでは、電子ゴミの解体や金属の回収が何の予防措置もなされないまま行われており、作業に従事する人々の身体や環境に深刻な影響を与えているという。

■以前、試写会で「マニュファクチャリング・ランドスケープ」というカナダ人カメラマンのつくったドキュメンタリー映画を見たが、そこでも「電子ゴミ」が中国で廃棄され、そこで子供までが解体作業などに従事している姿がうつしだされていた。こういう光景は日本で普通に生活をしていると見えてこない。

■あのドキュメンタリー映画を見たとき、先進工業国がここまで荒涼とした「罪つくり」の光景をつくりだしたかと慨嘆した。こんな調子だと人類の未来も長くはないなと思ったことだった。便利さや効率さを極端に追い求めて工業化をおしすすめてきた成れの果てが、あの荒涼として生き物もすめない光景につながる。

■現在、地上に電子ゴミやそのほか自動車、家電製品などの廃棄物があふれかえっており、それは今はおもに「発展途上国」に運ばれ処理されている。先進国の人間には見えないので、存在しないことになっているが、じつは違う。地球は狭い。いずれ必ずこの光景は自分たちにはねかえってくる景色である。そのことに多くの人が気づき社会のシステムを自然と調和したものにかえていかないと、大変な事態になる。

■本日、田中宇氏が本日配信のメルマガで、朝鮮戦争が再び起きるのではという懸念について書いていた。ぼくもその可能性を否定できない、と今年になってから思いはじめている。朝鮮戦争というと、日本の戦後復興の起爆剤となったもので、あの戦争がなかったら、戦後日本は「奇跡の成長」などなしとげられなかったはずである。今、朝鮮半島での戦争を密かに期待している層がいるのではないか。詳細は以下の田中氏のサイトで。
http://tanakanews.com/090609korea.htm

■じっさい未曾有の経済危機など、戦争勃発によって一挙に解決する、と心の底で思っている経済人はいるはずである。疲弊したアメリカ経済も朝鮮半島での戦争が勃発したら、おそらく「特需」によって回復軌道を描く。すでに経済はデフレであるが、デフレは歴史上、戦争によってしか解決されなかった、という文章をどこかで読んだ記憶がある。食えなくなれば人は生き延びるために何でもする。こういうときにこそ力を発揮すべき政治の世界に、人材が乏しいというのも不幸なことである。今日本をふくめた世界が崖っぷちにある。
by katorishu | 2009-06-09 21:42