コラム


by katorishu
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国際シンポジウム『テレビがつなぐ東アジアの市民』

 7月17日(金)
■放送文化基金35周年記念の国際シンポジウム『テレビがつなぐ東アジアの市民』に顔をだした。「交流から対話にむけて」というサブタイトルのあるシンポジウムで、中国と韓国からもパネリストが出席した。3部にわかれ、1部が「日中韓番組交流の現状」、2部が「共同調査からみる日中韓の視聴者比較」、3部が「テレビ文化を通した対話にむけて」であった。

■午前10時から始まり、18時ごろまでつづく長丁場であったが、大変興味深いシンポジウムだった。ドラマをつうじて異国への誤解、偏見が薄まったと調査で証明され、ドラマのもつ「もうひつとの側面」が注目された。日本では中国ドラマの人気がまるでなく、ブームは「韓国ドラマ」であるが、これも中国ドラマに「冬のソナタ」のようなヒット作がひとつでも出れば、空気はかわる。ただ、共産党の一党独裁の国なので、海外で通用するドラマは数がすくないのが実情のようだ。

■その他もろもろ興味深い意見、情報などが披露された。日本の漫画が原作の『花より男子』は、台湾、日本、そして韓国の3ヵ国で独自に制作されたことを、本日はじめて知った。この作品を制作した韓国の制作会社の代表が、制作までの「裏話」などをまじえ、大変興味深いことを話した。同じ素材が三カ国で制作されたというには、初めてのことではないか。内容は見ていないし、漫画原作というだけで、退いてしまうが、見れば案外面白いのかもしれない。韓国版は近々日本でも放送されるそうで、そのプロモーションの趣もあったが、制作者の真摯な姿勢、テレビ局と闘う姿勢には、感動をおぼえた。

■ところで、この原作、中国で、著作権者に許可などもとめず「勝手に」制作してしまったらしい。そのまま放送されるのだろう。タイトルをかえたり、一部設定もかえているのだろうが、盗作といっていいだろう。著作権無視の横行する中国の問題点のひとつである。ところで、中国では台湾ドラマと香港ドラマは「外国ドラマ」の範疇にはいるそうだ。
 このシンポジウムは、8月23日、18時よりNHKで放送されるそうだ。恐らく教育テレビだと思うが。拝聴に値する内容だと思う。ただし、放送ではもっとも面白いところがカットされているかもしれない。
by katorishu | 2009-07-17 22:58