コラム


by katorishu
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今の日本に必要なのは情熱とハングリー精神

 10月23日(金)
■「鬱」の状態にはいりつつあることに対し、複数の方から励ましのメール等をいただき、ご配慮に感謝します。私見では日本全体が今、鬱というエーテルにおおわれているのでは、と思ってしまう。本日渋谷まででかけたが、行きも帰りも鉄道で「人身事故」があって遅延した。いかに自らの命を絶つひとが多いかをシンボリックに表している。

■本日は日本放送作家協会とNHKとで共催している「テレビドラマ大賞」の最終審査の日。ぼくが司会をつとめた。まだ公表していいのかどうか、わからないが、結果がでており、佳作に残った人には連絡jしているので、当ブログで書いてもかまわないのでは、と思う。900編以上の応募の中から選ばれた8編について審査したのだが、残念ながら大賞受賞作はなしということになった。

■新人なので少々の破綻があってもいいが、これだけは絶対に書かずにいられるかという熱い情熱を感じられる作品が皆無であった。受賞作はNHKで制作し放送されるので、新人には大変な励みになるはずで、出来るだけ受賞作をだそうということで議論を重ねた。しかし、受賞のレベルに達する作品はなかった。900編以上の応募があったのだから、1編ぐらいは突出した作品があってもいいはずなのに。司会をやっていてずいぶんと疲れた。

■最終候補に残った作品の書き手は、30代40代である。団塊の世代のジュニアに該当するのかもしれない。別の機会に某大学の教授が、最近は学生に感受性を教えなければいけないんですよと話していた。もしかして、感性のあり方が、ある世代を境にして変質しているのかもしれない。ぼく流の解釈では、やはり本を読まなくなったことが影響しているのではないか。物事を本源的に考えるのは、言語によってである。深くものごとを考えるためには、思考力が必要である。思考力は多く読書によって最も鍛えられる。本を読まない人の激減が、思考力を弱い人を多く生み出し、それがそっちょくに応募作品に反映しているのかもしれない、と思ったことだった。
by katorishu | 2009-10-24 00:07