コラム


by katorishu
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松井秀喜は平成の古橋広之進になった 

  11月5日(木)
■アメリカのワールド・シリーズで松井秀喜が大活躍しMVPを獲得した。暗いニュースばかりの日本社会に久々に明るいニュースをもたらした人として、その精神力には感嘆する。ぼくなどプレッシャーに極めて弱いので、晴れ舞台の緊張する場面で一二分に力を発揮する松井の胆力やスキルは、なおさらすごいと思う。

■テレビのニュースがトップで報じていたが、これはうなずける。敗戦直後、疲弊し自信を喪失していた日本人に、水泳の長距離で泳ぐたびに世界新記録を更新した古橋広之進の存在がどれほど励ましをあたえたか。当時の社会を記憶にとどめる人でないと、わかりにくいかもしれない。大人も子供も驚喜したものだ。もちろん、テレビはなくラジオの中継と新聞で知るのみであったが。

■今や当時を実感として知る人は少数派になりつつある。松井の活躍は戦勝国アメリカの選手を力強いストロークで引き離す古橋の活躍を思い出させてくれる。プロレスの力道山の空手チョップも国民の喝采をあびたが、古橋の活躍は敗戦間もないときであったので、感激も一層強かった、と記憶する。

■本日は永田町界隈にいく。スーツにネクタイをしめて。政権交代したからなのかどうか、もろもろ陳情にきたと思われる人が多い。会話のはしばしから「市民運動家」と思われる人も、目立った。ぼくは右も左も「運動家」をいわれる人があまり好きではない。その類の人はしばしば「原理主義」にとらわれているので。白か黒かではなく、グレイゾーンにこそ価値があると思っている。こういう日本の価値観をもっと世界にひろげられるといいのだが。
by katorishu | 2009-11-05 22:27 | 文化一般