早稲田、高田馬場
2004年 12月 02日
早くも師走である。この1年、いろいろやるべき計画をたてたが、半分も実現しないまま最後の月になってしまった。水曜の夕方は毎週、早稲田大学第二文学部の表現芸術系の演習。出席をとらないので、怠けたい学生はこなくなり熱心な学生が残った。およそ15人ほど。「もぐり」の生徒が、いつも数人。
適度な数である。教室の椅子の配置をかえ、四角に並べ替え、談論の雰囲気ですすめる。
(高田馬場駅)
今年度で早稲田の講義も終わりである。講師料は交通費程度と格安だが、いろいろ得るところはあった。高田馬場駅や地下鉄早稲田駅など普段はほとんど降りることもない駅だが、何度も通い、周辺の店も何軒かいった。
学生にはとにかく日本が現在、危機的状況にあり、タイタニック号の上でポーカーゲームをやっているようなもので、この先、日本というシステムを根本的に変えないと、大変な事態になる……とことあるごとに話した。
作品を書く上でも「今」という現実「2004年,5年」という時代がどういう時代で、どんな曲がり角にたっているか、鋭く見据えて書くようにと、繰り返し強調している。
我々プロ作家も同じだが、単に売れればいいという問題ではない。
メディア業界もふくめて、現況のシステムを変えるバネになるのは、異論があるかもしれないが、インターネットであるという気がする。
光ファイバーがほぼ全戸に敷かれるようになると、情報の伝達手段に革命的な変化が起き、新しいシステムも構築されるだろう。
光があれば影も当然あるが、インターネットの光に期待したい気分だ。