コラム


by katorishu
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鳩山政権、迷走がいわれるが、もう少し長い目で見ていきたいもの

 12月17日(木)
■長編小説の改稿を終え、今朝編集者に送る。本当は1000枚ほどになる「大作」(?)だが、なんとか削って570枚ほどに。時代小説家や歴史小説家がまだ誰も本格的に手をつけていない素材をあつかったので、資料調べそのほかで随分時間がかかった。不明のことも多いのだが、テーマは大きい。映画化ということも念頭においた。関係者から、こちらも少し動きだしたとの連絡jを受け、ややほっとする。「異文化摩擦」をメインテーマとしているので、この関連で、あと数冊は書けると思った。が、理屈は通っていても、論文ではないのだから、小説として面白くなくては話にならない。さらに売れる見込みがないと、厳しい出版不況の折り、版元も二の足を踏む。書いた本人は面白くなったと思っているのだが。さて、どういうことになりますか。

■相変わらず鳩山政権について批判の嵐が吹いている。経済が低迷しており、改善の兆しが見られないことと、公約通りに予算作成が進んでいないこと、それに普天間問題で揺れており、これでは日米同盟が崩れる、という批判も多いようだ。
 経済にしても外交にしても、今の時代、そう単純なものではない。良かれと思ってやったことが、結果として悪とでる場合もあるし、短時日で事の良否をだせるものではない。もともとベストのことなどあり得ないし、ベターであれば、それでひとまず良しと思うしかない。なにしろ、今は民主党政権に変わりうる政党はないに等しいのだから。

■とにかく、長すぎた一党支配の体制が崩れたのである。あらゆることが疲弊し、腐臭をはなつまでになった社会は、政権が変わったからといって、そう簡単に修復するものではない。もう少し長い目で見守っていく必要があるのだろう。バブル崩壊後、小渕政権をはじめとして、歴代の自民党政権がとった「バラマキ」政治のツケが、いま巨額の財政赤字となって、国民にのしかかっている。このことを、忘れてはいけないのだと思う。前政権の「負の遺産」をどう処理していくか、大変むずかしい問題で、解決の糸口をさぐるだけで最低1年間は必要だろう。

■1年も待てない切羽詰まった中小零細も多いにちがいなく、そういうところには緊急の血止めの処置が必要で、その点、亀井静香金融担当大臣の発言は説得力をもつ。しかし、あくまで「緊急対策」である。長期的に見た社会の「土壌改良策」が必要であり、ここに税金を効果的に注いでほしいものだ。文化の土壌をおろそかにしたところに、明日の日本の再生も回復もない。

■この点で、民主党政権は新人、若手が多いためか、かなり心許ない。ところで、一見無駄や迂遠のようでいて、あとからじんわり効いてくることもある。碁の布石など、その典型例である。緊急の経済対策も必要だが、同時に5年10年後を見据えた政策も大事である。文化という土壌が貧相であったら、これからの世界、単なる「エコノミック・アニマル」でいつづけることも、難しくなる。どうか復活折衝で、一考してほしいもの。どうも与野党議員も、霞ヶ関の官僚も、その点への配慮が欠けているように思えてならない。
 不景気とはいっても、やはり年末である。どこの食べ物屋も、それなりにお客が入っている。まずはほっとする。こちらは入らずに素通りだが。
by katorishu | 2009-12-17 21:03 | 政治