コラム


by katorishu
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どこもかしこも消極的姿勢の人が目立つ

 3月10日(水)
■最近肌寒い日がつづく。経済も冷え込んだままで、好転の兆しはない。巨大な財政事情、さらに一層深刻さ増す少子高齢化社会問題等々、明るい要素はすくない。そんな中、なにか明るい材料はないものか、ネットなどを検索したりして、見つけようと思うのだが、見あたらない。個人レベルでは未来に明るい展望をもっている人がいるが、それは例外で、大半の人や組織は明るさを見いだせない――というのが実情のようだ。

■まだ時代小説作家も歴史小説作家も本格的にとりあげていない素材の長編小説の改稿がようやく終わり、版元に送った。当初1000枚を越す長編であったが、いろいろな要素をとりいれすぎていたので、編集長のアドバイスをいれ、要素を絞った。半分の長さになり、版元では出しやすくなったのではないか。この作のために集めた素材は、また別の作品にと思っている。

■どうも、天の邪鬼なところがあるので、「ひとの扱わない」作品を書きたいのだが、今の時代、「多くの人に馴染みがないので、売れない(見ない)」との意見がでて、形にならない。形にするための意欲が、その段階で薄れてしまう。テレビなどでも「定番もの」「シリーズもの」「みんなが知っているもの」が流行である。

■社会のエネルギーが枯渇している端的な表れである。珍しいこと、人の知らないことを形にして、それを世に問うという積極果敢な姿勢が、テレビメディアはもちろん、出版界からも失われてしまった。「第二の敗戦」などと今の時代をいう人がいるが、とんでもない。「敗戦」直後は新しいものに果敢に挑戦する人にあふれていた。今は「敗戦」をさけるため、初めから「戦う」気もない、消極派が大半である。

■そんななか、積極果敢に新しいステージを構築したり、新しい試みにチャレンジする人もいるところにはいる。幸いにもぼくの周囲にはそれなりに、そんな意欲あふれる人がいる。柱はやはり人である。人材である。スキルと意欲の両面をもちあわせた人が、劣化への坂をくだる歯車にブレーキをかける役割を担うはずで、そこにわずかの希望がある。逆にそこにしか希望は見いだせないようだ。
本日は珍しく人に会わず、近くのコーヒー店でコーヒーを飲み、帰路コンビニで「年々歳々日本人は信じられないほどバカになっている」を特集している「サピオ」を買った。
by katorishu | 2010-03-10 22:58 | 文化一般