コラム


by katorishu
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電子出版のセミナーに顔をだしてみた

5月25日(火)
■渋谷で行われたアゴラ起業塾というのにいってみた。元編集者でアゴラブックスの編集担当氏が電子出版関連の話をするというので注目していたのだが、ほぼぼくが知っている範囲を越えた情報はなかった。ただ、彼が最近出版した著書を参加者全員に配布したので、あとでじっくり読もうと思う。

■電子出版はビジネスモデルとしては未だ不透明な分野だが、将来的に紙の本を凌駕するだろう。iPadの人気にひきずられて、他の斬新なツールがあいついででてくれば値段もさがるし一気に活性化する。そんな中、旧来の出版社や取次店は現状のままだと、生き残る可能性は少ない。要は内容なので、ものを書くひと、ものを創るひとを大事にしなければどうしようもない。

■本日は昼間、新橋界隈をデジカメで小一時間撮影してまわった。素人で、しかも高級カメラではないので、あまり良い写真はとれなかったが、面白い素材はあつまった。新しい「ステージ」での表現の試みにつながることである。駅前広場には一面にテントがたち古本市をやっていた。本というと自然に吸い寄せられ、5冊ほど買った。ガルシア・マルケスの短編集他、これから読むのが楽しみである。80年代の早い時期からワープロを使用していたし、ぼくにとっては紙で読むのも、画面で読むのも、あまり違和感はない。アゴラ塾の講師は、29歳以下の層を「デジタル・ネイティブ」とよび、彼等にとっては紙の本よりスマートフォンや携帯で接する活字のほうが馴染みが深い、この層が変えていくであろうと語っていたが、その可能性が強い。

■新聞の老舗、朝日新聞が赤字決算になったとか。現在のマスコミを象徴している出来事といっていいだろう。朝日新聞にはひところ8000人もの社員がいたが、今は減少しており、最終的には4000人ほどになりそうだと聞いた。そうしなければ生き残れないのである。新聞についでテレビも危ない状況にある。一方、出版は規模が小さく小回りがきくので、なんとか生き残る可能性が強い。いずれにしても、大変な時代になったものである。ただ、明治維新や第二次世界大戦後の「激変」にくらべれば、まだ「小さな変化」である。もしかして今は明治維新等に匹敵する「大変化」がはじまったばかり、といえないこともないが。いずれにしても「個」の才や意欲、努力が正当に評価されるようになることを期待したい。
by katorishu | 2010-05-26 00:39 | 新聞・出版