コラム


by katorishu
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 昨日も今日も「線路に人がたちいる」惨めな日本

 5月26日(水)
■日本脚本家連盟と日本放送作家協会の総会にでた。いろいろな意見がでたと記すだけにとどめよう。人の考えや評価は、じつにさまざまである。違いがでるのは、まず情報に多寡のある場合。それと、バイヤスのかかった見方をする場合で、同じ現象、事象への評価がおおきくずれる。同じことにたいし、AさんとBさんではまったく評価がわかれてしまうことは、われわれの生活で、しばしば経験することである。

■どこにポイントをおくかで対象への見方がかわり、場合によっては「見える」ものが「見えなく」なる。普天間移設問題についても、同じことがいえる。沖縄の住民サイドにたつか、日米同盟重視の立場にたつかで、評価がまるでちがってくる。沖縄の住民にあいかわらず米軍基地をおしつける「本土」――この構図は相変わらずだ。

■鳩山総理の姿勢だが、激変期の最高指導者としては素直すぎるようだ。したたかに、しなやかに、時に策略をもちいてでも己の信じるところを突き進む。そんな胆力と知力が必要なのだが、この「坊ちゃん政治家」には「ないものねだり」だろう。鳩山氏にしても小沢氏、さらに牛の口蹄疫で感心しない姿勢の赤松農水相にしても世襲政治家である。衆議院議員の3人に1人がなんらかの形で「世襲政治家」であるとか。自民党にいたっては4割が世襲である。こんな国は世界でも希有である。

■この悪弊を打破するところからはじめなければいけないのだが、そう簡単には改まりそうにない。ここは、小沢氏が総理になるか、思い切って若手の議員、たとえば原口氏あたりを抜擢するかして、
強力な政策をうちだして欲しいものだ。おそらく6月中に策士、小沢氏は一か八かの賭けにでるのではないか。衆参ダブル選挙、ということも念頭においているだろう。勝手な山勘だが、マスコミの予測は多分はずれる。

■いずれにしても、政治が混迷していては、やがてやってくる「未曾有の大危機」に対処できない。ギリシア財政危機でヨーロッパの景気が低迷し、世界的株安がおきていて、日本はきわめて危ないところにいる。よほど効果的で果断な政策をうちださないと、日本発の「財政危機」が世界経済をどん底に追い落とす。その衝撃はギリシャ危機どころではない。世界大恐慌の火種はまだ残っていて、その火種のひつとつは日本にあるといっていいだろう。

■駅では昨日も今日も「線路に人がたちいった」との表示。自殺である。これが通常のことになってしまった。それと車両故障、ポイント故障なども多く、電車の遅れも日常化している。こんな時代は、ぼくの知る限り、なかった。おぞましい時代になったものである。
by katorishu | 2010-05-27 00:06 | 社会問題