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タブーに切り込む「週刊ポスト」が最近おもしろい

 8月2日(月)
■最近、週刊誌のなかでは「週刊ポスト」が面白い。週刊文春や週刊新潮は、ひところの面白さが消えた。政治面ひとつとっても、民主党のあら探しに終始し、この国の政治を実質的に動かしている厚い「岩盤」にはあまり触れない。情報がないのか、あるいは突っ込んで取材できない「裏事情」があるのかどうか。

■その点、「週刊ポスト」は従来「タブー」であった領域に果敢に切り込んでおり、「トップ屋」といわれたフリーランス記者の気概のようなものを感じる。今週号では「覆面官僚座談会」と銘打って、財務省、経産省、外務省、総務相の主要官庁の課長クラスが出席し、本音の本音を語っている。彼等は一様に、小沢一郎氏がひっこんで管直人氏が首相になって「ほんとによかった」「官僚の手のなかで期待通りに踊ってくれる」と手放しの喜びようだ。

■彼等、官僚たちは管内閣のことを「空きカン」と読んでいるとか。頭はからっぽでも蹴っ飛ばせば大きな音をたてて飛んでいくからだという。財務省の洗脳がみごと効果を発揮し、政治家とマスコミはこれにはまっており、官僚某氏は「(洗脳が)効き過ぎた」と正直に述懐している。今や、管氏と仙石氏が財務省への忠誠度を競っているのが現実である、と官僚たちは語っている。せっかく政権交代で実現しかけた「事業仕分け」「国家戦略室」「次官会議廃止」など政治主導のスキームが官僚の手によってつぎつぎとつぶされている、とポストは指摘する。

■そんな政治の内幕話のほか、例の官房機密費問題で鈴木宗男議員に上杉氏がインタビューした記事や、地デジにからんだ「利権」の問題点、大阪府知事の橋下徹氏が以前「同和地区育ち」であることをあきらかにした――といった記事もある。橋本氏の「正義感」や人並み優れたパワー、果敢さは、自己の複雑で屈折した思いと体験によって育まれた――とポストは記している。

■あれやこれやポストは、従来マスコミでタブーになっていた類のことに果敢に切り込んでいる。ウェブで簡単に情報を検索できる時代、地べたを這いずりまわるようにして集めた情報こそ価値がある。官房機密費問題ひとつとっても「週刊ポスト」編集部には読者からの電話や手紙が異例ともいえる多さで舞い込んでいるそうだ。週刊誌ならではの「ゲリラ的取材」を刊行するところこそ、生き残る。逆にいえば、そういうところしか生き残れない。そういう時代である。他の週刊誌も「原点」にかえって新聞、テレビとは別の角度から切り込んで欲しいものだ。
by katorishu | 2010-08-03 00:16 | 新聞・出版