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ハマコー氏逮捕に思う日本政治の後進性

 8月12日(木)
■浜田幸一元衆議院議員が「背任容疑」で先日逮捕された。端的にいって「ヤクザ」がそのまま国会議員になったような人で、当人もそれを自認し、またそれが「大衆的」だとして人気を得ていたのだろう。パーフォーマンスにたけた人で、エンターテイナーとしては面白いが、政治家としてはまったく失格である。

■以前、千葉で事業をしている人に聞いたが、土木工事ほか税金の投入がからむ案件の場合、ハマコーさんに口をきいてもらうと、すぐ通る。逆にハマコーに睨まれたら、まったく仕事がなくなる、と話していた。「ハマコーさんの意向でほとんど決まってしまうんです。それが千葉です」とその人は話していた。

■前近代的な政治を鮮やかすぎるほど率直に体現化した政治家で、こういう人が「選良」といわれる議員である限り、日本は民主国家でもなく、「アジア的停滞」の典型国家であると思っていた。そんなハマコー氏を、数字がとれるからと使いつづけたテレビ局の罪も大きい。彼が口角泡をとばして罵倒する姿に、影響をうける「何も考えない」人もいて、そうでなくとも品のない政治を、おとしめることに大きく貢献した。今回の詐欺事件でも、彼がもしテレビの常連コメンテーターをしていなかったら、実現しなかったかもしれない。テレビに出続けることで、社会的信用を少なからず付与されていたともいえる。

■とっくに政治家としても政治屋としても「終わっている」ひとを「現役」たらしめていたのは、テレビの「政治情報番組」である。テレビが政治を娯楽ショーとしてあつかうことで、国民と政治の距離を縮めたという人がいる。確かに政治を身近なものにした「功」は認めるが、同時に「世論調査(ポピュラー・センチメント)迎合政治」というとんでもない政治を日本に根付かせたほか、ただ「人気」があり「面白そう」というだけで、政治家になる人を増やしたこと等々「罪」も大きい。

■こういう「馬鹿者」がいるから、国の舵取りは政治家にまかせておけない。頭のよいわれわれ官僚が基本的にお膳立てしなければ国の運営ができない――といった思い込みを、「エリート官僚」たちに与えるのに、大きな役割を果たしたということもできる。なにしろオリンピックで金メダルをとっただけで、議員になれる国である。これに近い国はぼくの知る限り、旧ソ連のロシアである。ヨーロッパの後進国ロシアはスポーツ選手が政治や経済の随所で力を発揮している。ロシア通の話では「スポーツ・マフィア」などといわれ、一定の力をもっているそうだ。

■政治にかぎらず、今の日本全体に決定的に欠けているのは「知」である。知の土壌を豊かにしなければ日本の再生はありえない、というのがぼくの持論である。反論する人もいるかと思うが、ぼくはそう信じている。ハマコー氏逮捕のニュースを聞いて、あらためて思ったことだった。もっとも、個人としてはハマコー氏は十分に面白いし、興味深い人物で、嫌いではない。しかし、国の運命を左右する政治家や政治に影響力をあたえる、となると話は別である。こういう人物を2度と政治家に選んではいけない。
by katorishu | 2010-08-12 21:29 | 政治