コラム


by katorishu
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財務省の掌で踊る「管総理」では根本的には何も変わらない

 9月7日(火) 
■「世論調査政治」にはうんざりである。大マスコミの調査はほとんどが電話調査だが、使われる電話は一般電話で、携帯電話などは対象外である。日中、自宅にいて一般電話にでる人たちはどんな人たちなのか。仕事に熱中したり、ビジネスで飛び回っている『現役』とは無縁の人が多いはず。現に、ぼくなど一般電話にはほとんどでない。留守電にメッセージが入っていて、必要と思われる人にはこちらから電話をかけるが。人との連絡は携帯かメールであり、一般電話はファックスの際使う程度だ。こういう人が急増しているはずだが、今のような調査会社丸投げの「世論調査」はこういう状況の変化に対応できていない。

■インターネットが普及する前に一度だけ一般電話で「世論調査」を受けたことがある。熟考してこたえるわけではなく、面倒くさいと思いつつ適当なことをいった。それが「世論」となるのだろう。自らの体験に即しても、こういう「世論調査」は実情を正確に伝えていない。あくまで一資料にすぎないのに、テレビも新聞も「これが国民世論だ」と強調し、国民をあおる。それに素直にのってしまう「ナイーブ」な国民も問題だが。

■インターネットでの調査と数字が逆転していることを、マスメディアの人たちはどう考えているのか。自分たちにとって都合の悪い情報には口をつぐんでいる。マスコミの誘導でつくりだされる「世論」に従って政治をやっていたら、必ず日本は道をあやまる。すでに誤った道を歩いているからこそ、社会のあらゆる面で劣化がすすんでいるのだが。「平時」ならともかく今は「非常時」といっていい状態だ。

■こういうときこそ「強いリーダーシップ」を発揮する「ぶれない」リーダーが必要とされるし、そういう人でないと道を切り開いていけない。市民運動と一国の政治とは根本的に違うのである。老獪(ろうかい)で狷介(けんかい)、かつ野獣のような凶暴さを隠し持つ、外国や国際金融資本等とも戦略的に対していかなければいけない。リーダーは良きブレーンを周辺に配置し、清濁あわせ飲みつつ困難な問題に柔軟かつダイナミックに対処していかなければいけない。そのためには胆力や強い意志が必要で、孤独に耐える精神も必須である。「お仲間」といつも語らっているような人では無理というものだ。

■そもそも「毒のない実力者」など、形容矛盾である。「クリーン、クリーン」などとお題目のようにとなえている人がリーダーになって、うまくいった国が果たして歴史上あっただろうか。「クリーン」をお題目のように唱える人はたいてい「なにもしない」人である。「無謬性」を誇る官僚のお膳立てにのって、その振り付け通りに踊っていれば、確かに「クリーン」でいられる。しかし、それで事がすむのは社会が安定して多くの人が満足感を抱いている「平時」の時である。

■今後日本が直面する事態は相当深刻である。国のシステムを根本的にダイナミックに変えていかないと、救われない。こういう時代、気力と胆力、老獪さをあわせもったリーダー以外、トップ・リーダーになってはいけないのである。過去何代かの自民党の「世襲」の指導者も、官僚の描いたシナリオにのって踊っているだけでリーダーシップがまるでなく、深刻な事態を回避させる手をうてなかった。

■今の政界で強いリーダーシップをもった政治家は……残念ながら小沢一郎氏以外にいない。(自民党時代の小沢氏にはなんの共感も覚えなかったが、ほかにリーダーにふさわしい政治家がいないので、消去法でいくとこの人になる)。小沢氏が「テレビ・新聞嫌い」なのも、むしろ好感がもてる。テレビメディアで長年飯を食ってきたぼくがいうのは天に唾するようなものだが、今のテレビは「功罪」の「罪」の部分があまりに多すぎる。政治も大きく変わらなければいけないが、テレビ等のマスメディアもかわらなければいけない。いまだにテレビでしか情報を得ていない人は、事の本質がわからず、たぶん歴史の流れから置き去りにされることだろう。
by katorishu | 2010-09-07 14:04 | 政治