子役という仕事、取材
2004年 12月 17日
来春、出版予定の『子役という仕事』の取材で、新浦安駅近くにいく。かつて香港のスター、ブルース・リーなどと競演し、日本でもGメンなどのテレビドラマで活躍した、「アクションスター」の倉田保昭氏にお話を聞く。
氏はアクションクラブを主催し、創造学園大学教授としても後進の指導にあたっている。最近、キッズアクション教室を開設、本日がその第一日目。東京と大阪、さらに上海、香港などを基盤に「アクションスター」の育成に情熱を燃やしている。
氏の役者としての活動は上海など外国であり、最近、日本ではほとんど役者としての仕事はやっていないという。日本の芸能界ばかりでなく、日本の文化、社会についても、外から覚めた視線で見ている。当然、批判的にならざるをえず、ぼくの考えとも、ほとんど一致した。
子供たちの「動物」としての能力低下も著しいし、困難を克服していく粘りに欠け、すぐあきらめてしまう。一人っ子、少子化のマイナス部分が社会のいろいろな所にでてきており、憂うべき事態である。「極める」とか「修行」とか「修練」といった言葉もすでに死語になりつつある。
このままでは、日本は取り返しのつかないほどおかしくなってしまうに違いないが、そのことにリーダー層が無頓着すぎるという点でも、一致し、2時間近くのインタビューがまたたく間にすぎた。 58歳というのに、贅肉はまったくなく、精悍な表情、引き締まった体躯。謙虚で沈着。久しぶりに「古武士」の風格のある人に出会ったという気がした。