コラム


by katorishu
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webの時代だが、アナログも捨てがたい

 11月20日(土)
■久しぶりに部屋の掃除をした。大半は書籍や資料類で、整理整頓が悪いので、仕事部屋などまるで物置のようになっている。足の踏み場もないというのが当たっている。ビニール袋にいれて10袋ほど捨てたが物置状態はすこしも変わらない。それにしてもよく買ったものと思うくらい、雑多な種類の本や資料であふれている。ぼくの脳のなかみもおそらくこんな具合なのだろう。

■ウェブの時代と思いながら、一方で旧来のアナログも捨てがたい。最近、やや厚めのB5判のノートを活用している。ページを中央で二つに折り、思いついたことから、会議での記録等々、なんでもいいから時系列でメモをとる。Bの堅さのシャーペンをつかい、ときに消しゴムで消す。こんなアナログの手法が案外役に立つのである。

■以前は項目、課題別にノートを何冊もつくっていたが、外出するとき忘れてしまったり、どこかにまぎれこんでしまったりして、メモをとったという「気休め」にはなるものの活用しにくかった。ずべてをひとつのノートにしてから、記憶がほどよく整理されたようで、すこし頭が良くなったように感じる。(あくまで感じるだけですが)

■今年の1月睡眠薬の服用をやめたことの効果が今頃になってでてきているようだ。20年来常用してきて、副作用も当然でており、週の半分ほどは時差ボケのようなものだった。急に眠くなるし、口ももつれたしり、脳の回転も悪くなる。当然仕事にも悪い影響をあたえる。今年1月よりまったく服用していない。ようやく元にもどったかと安堵の気分だ。その気分のなかで、ここ2年ほどで書いた原稿を読み返してみて、欠陥にきづく。現在、数冊になるはずの原稿の改訂作業を行っている。自分自身で納得いかないものはだしたくない、と自戒する。

■それにしても、多くの出版社が、とにかく「売れるもの」「売れそうなもの」と思ったものしか出版しないというのは困ったものだ。なにが売れるかは、じつはよくわからないのだが、彼らは従来の成功体験にもとずいて判断をくだす。売れるかどうかわからないが「これは世に出すべき」と思うものを出していかないと、いけないと思うのだが。場当たり的な措置では一時的なシノギにしかならない。関係者は百も承知なのだろうが、目先の利を得ることしか考えないし、すでに「自転車操業」に追い込まれているところも多いはず。

■ウェブの大波のなかで、そういう姿勢ではいずれ溺れ死ぬ可能性が強い。テレビもしかりである。ここが踏ん張りどころと思うのだが、「読みやすいもの(見やすいもの)」「安直なもの」にばかり傾斜する。消費者がそれを求めているというのだが。心ある人はそんなものを求めていない。読み応え、見応えのあるものを、提供していかないと。新しい試みとう冒険をおかしてほしいものだ。新しい試みは「せんみつ」ほどにうまくいく確率は低い。10に1つ成功すれば上々である。しかし、あえてチャレンジする。それが大事である。現在、ぼくが関係者と試みていることは、2に1つの確率でうまくいくと思っているのだが。さて、どうなることやら。こういう時代、「オプチミストは成功する」という言葉をかみしめたいものだ。
by katorishu | 2010-11-20 14:27 | 文化一般