コラム


by katorishu
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人材難が日本の諸悪の根源

 2月19日(土)
■昨日は銀座の某スタジオで行われた「歴メン・土方歳三」のナレーション撮りに立ち会った。ナレーターは女優の戸田菜穂さん。3月14日より配信開始の「Fan+」の中の「目玉商品」。クラウドコンピュータを活用したWeb上の新しい「市場」といったもので、NTTと角川が提携してつくりあげたもの。予想外に早く終わったので銀座でコーヒーを飲みながら、自分も含めた日本の来し方行く末を考えた

■夕方、渋谷に移動し、月例の勉強会で講師として90分ほどしゃべった。現今のメディア状況について。20代、30代の若い人も多いが、60代、70代のひともいて、用語ひとつとってもどう表現してよいのか苦労する。マスメディアの裏話もまじえ「ここだけの話」もしたので、かなり満足していただいたようだ。それはいいのだが、いろいろ頭を悩まさなければいけないことが山積しており、本来の執筆作業がほとんどすすまず、焦っている。

■それにしても、現今の政治状況は危機的である。どこを向いてもお寒い状況で、危機的という形容詞がつくことばかりだ。日本が崖から転がり落ちることを回避し、劣化した社会を立て直すには、やはり政治の力が必要である。ところで、政治とは極言すれば「国民からどのように税金をとり、どう使うか」である。この役割、従来は霞ヶ関の官僚が実質的に担ってきた。自民党政権がその上に乗り、いわば蜜月状態でやってきた。右肩上がりの経済がつづいている間は、それなりにこのシステムが機能していたが、バブル崩壊後、行き詰まった。そのあげくに実現した「政権交代」。

■現政権が見事、国民の期待を裏切ってくれた。春にでも政権運営は完全に行き詰まり、内閣不信任案が可決される可能性が強い。その前に菅政権が先手をうって解散に踏み切るかどうか。どちらにしても、国民はもうすこし「賢い選択」をしてほしいものだ。そのためには、まず情報をあつめ、それを個人の知力、洞察力でどう判断するかである。

■情報に基づいて人はさまざまな判断をくだすのだが、集める情報に偏りがありすぎると、当然判断も誤る。マスコミで報じられることと、インターネット上で行き交うこととの間に、大きなギャップが生じている。どれが真実か悩む人も多いのではないか。一点留意して欲しいことがある。ボーダレス化の時代、従来のように国内の問題は国内で・・ということは通用しないということだ。我々の身近な出来事、問題も、世界と密接につながっている。従って、政界のことを知らないとより良い判断はくだせない。日本のテレビと新聞からのみ情報を得ている人は、必然的に判断を誤る。

■世界情勢の動きを考慮せずに、国内問題を解決することはできない。政治家の基本的な資格として、世界とのつながりを深く考え、5年後10年後を見通す知力、洞察力をもち、かつ「情味」をもった人・・・が必要になっている。情けないことに、その範疇にはいる政治家が実に少ない。ほかの業種、組織においても同じである。どこもかしこも「人材難」。これが日本の諸悪の根源であり、ここを解決しないと、劣化をとめる手立ても生まれない。
by katorishu | 2011-02-19 06:53 | 社会問題