コラム


by katorishu
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 「リレー走者」としての自覚

 12月25日(土)。
 短編戯曲「まぼろよ」を、前夜から朝、さらに午後までかかって完成。添付メールでレクラム舎の鈴木一功氏に送る。来年2月、三軒茶屋の小劇場で公演するものだ。
 折り返し一功氏から電話あり「面白かった」との言葉に、一安心。
 途中、朝日新聞社会部記者から電話取材。「ガンジーの会」の活動について。
 過日、朝日の関西版に載った「ガンジーの会」の記事を、東京版にも載せたいとのこと。ついては、追加取材をしたいとのことで、30分ほど、個人的意見もまじえ話す。
 「リレー走者」としての自覚_b0028235_374661.jpg
(写真は京葉線車内から)
 ガンジーの会の活動は、イラクへの自衛隊派遣に反対する運動として、リレーハンストを行うといった形ではじまったのだが、ぼくの中では一種の「文化運動」となってきている。
 先進国、とくにアメリカ主導の「大量生産、大量消費」の資源浪費のシステムにブレーキをかけないと、地球の環境は悪化し、天然資源は枯渇、いずれ食糧争奪の争いが起き、とんでもない世の中になる。
 人類はいずれ滅亡するのだとしても、滅亡を遅らせる必要がある。われわれの時代で石油資源などの天然資源をほとんど使いきって、子々孫々に伝えないことは、現代人の傲慢であり、驕りである。そんな流れを阻止するには「欲望」を抑制するしかない。しかし、単に欲望を制限しようとしても出来るものではない。
 欲望の対象を「物」から「精神的なこと」に変えることで、この流れをとめたいという思いがぼくにはある。他の動物と違って人間だけに備わっている過剰な欲望。これを否定することはむずかしいだろう。対策として、過剰な欲望を、「スポーツ」や「芸術」といったバーチャルな領域で消費させ、そのことに生きる喜びを味わう。その方向に人類はカジを切ったらどうなのか。
 週に一度の断食を続けながら、そんな思いが日増しに強くなり、次第にこれしか人類を救う道はない……という確信に変わってきている。
 現在、地球にはおよそ60億の人間が生きている。先祖からの遺伝子をたまさか引き継ぎ、存在しているわけだが、一種の義務として、次の世代にバトンタッチをしていく「走者」の役割も果たしているのだと思う。命と命の連鎖である。
 なぜそうしなくてはならないのか……といった問いに、明確な答えはだせないが、とにかくそうしなければ人類は滅んでいく。先祖代々の「走者」がいて、一定の役割を果たしてきたからこそ、今の世界があるのである。物質的欲望に目がくらんだ現代人はそのことを忘れているのではないか。
by katorishu | 2004-12-26 03:30