コラム


by katorishu
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東電、政府は被曝データを隠し、財務省は10%の増税を企図 

 4月25日(月)
■原発事故の後遺症はとどまるところを知らない。5年10年とつづく可能性があり、日本は大変な重荷を背負ってしまった。ひとえに東電と経産省、それに時の政府が原子力発電は安全で安価そしてクリーンというお題目をとなえたことに責任がある。さらにマスコミである。本当は大きな危険が潜んでいるのに安全神話をつくるために一大合唱をくりかえした。そうして、危険に目をつぶり、同じ場所にいくつの原発を作ってしまった。

■それが大地震によって覆されたということである。東電や政府は素直に失敗でしたと頭をさげて改心すればいいのに、事故発生以来、都合の悪いデータ類を隠し、嘘に近い情報をながしつづけた。本日発売の週刊ポストが、『管官邸が隠した「被爆データ6500枚」』という特集をしている。

■「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(通称SPEEDI)が事故発生直後から作動し、放射能のデータを集め、放射能の拡散状況の試算図を合計6500枚作成したのだが、なんと政府はそれを隠し続けた。おかげで、飯舘村の住民は避難が遅れ1ヶ月ほど放射能の被爆さらされた。





■これは「政治犯罪」であると週刊ポストは断罪している。原発は安全であり、よって大震災以降も原発を稼働させ、新たに作り続ける、それが日本にとって絶対に必要であるとの空気を醸成するために、記者会見などでずっと都合の悪い情報を隠し続けたのである。

■一方で管政権は「復興構想会議」なるものをたちあげ、経済とは縁のなさそうな「文化人」をメンバーにし、いち早く復興には増税が必要とぶちあげた。大新聞の論説委員クラスが2人メンバーにはいっており、世論調査では増税賛成が過半数をしめると例によって「数字」をだして、これが日本の民の声であり民の意志であるとの「世論」をつくりだそうとしている。

■すべて財務省のお膳立ての上で動いていることは、関係者なら周知のことである。来秋には10%の増税が予定されているという。財務省は大震災を奇貨として、念願の消費税値上げを実施に移す「野望」に燃えている。

■将来的には増税g必要かもしれないが、その前にやることがある。それに、これだけ疲弊した日本で、増税路線に踏み切れば、日本経済の相当部分は破滅する。民から薄く広く税をとって傷をつけ、抹殺をし、それでなにを「復興」させようというのだろうか。復興ビジネスに期待をかける土木建築関係者の思惑や願望もわかる。復興で金儲けをするのも、営利追求を第一とする企業なら当然で、法に触れない限り、悪いことではない。

■しかしその代償として、民の暮らしがさらに圧迫され、中小零細企業の多くが倒産し、失業者が巷にあふれるのでは、本末転倒というものである。「庶民派」をかかげた「市民活動家」の管直人氏だが、権力につくと豹変し、権力の座にありつづけるために党の仲間を裏切り、公約をことごとく破棄し、自民党政権以上に強権政治をすすめようとしている。あきれるしかない。この国が劣化の坂を転がり落ちることは、どうやら避けられないようだ。

■その速度をゆるめ奈落の底まで落ちるのをふせぐため、なにより必要なことは、このアマチュア政権が一日も早く終わりをつげることである。そのあとにくる政権も、これほど劣化した状況を前にたいしたことはできない。ただ、今よりましという程度。ベストはおろかベターもないが、劣化をすこしでも少なく遅くさせる。そこにしか望みをかけられない日本の不幸を思う。
by katorishu | 2011-04-25 21:19 | 政治