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日本は悲劇から新しい価値を創り出すのが得意。ただ原動力となる「若さ」が不足。Webで補えるかどうか

 4月29日(金)
■今朝の朝日新聞で、『敗北を抱きしめて』などの著書がある研究者ジョン・ダワー氏が、日本は過去の二つの悲劇(関東大震災、太平洋戦争)から創造的な社会をつくりだした、今度の悲劇も克服していくはずといった意味のことを話している。力づよい言葉だ。

■ダワー氏の指摘するとおり、日本は満身創痍になりながも、いずれこの大悲劇を克服していくと思う。ただ、日本の近代が経験した先の2つの悲劇と決定的に違う点がある。「少子高齢化」である。先の大悲劇に際しては、比較的若い世代が圧倒的に多く、そこから新しい芽が輩出したのだが、残念ながら今は圧倒的に「若さ」が不足している。

■若いというはそれだけで価値をもつ。年齢にかかわりのないパワーをもつ人もいるが、それは例外的。やはり若さのもつ可能性、生物としての盛りは、中高年層には圧倒的に欠けている。昨日、恵比寿の録音スタジオで「歴メン・土方歳三」の第8,9,10回の台詞撮りに脚本家としてたちあった。イントネーション、読み、そのほか諸々、「作者」としての注文もあり、約7時間かなり緊張して「若者」につきあった。





■主な登場人物の土方歳三、近藤勇、沖田総司の声をやるのはいずれも20代の若者。ほかの7,8人の男女も大半が20代から30代の男女。彼らは明るいし、パワーがあり、ともに仕事をしていて心地よかった。現場には技術者など含め30人近い人がいたが、ぼくが最高齢。プロデューサー、演出は50代。技術スタッフのチーフ格をのぞくと、多くは30代から40代。

■みんなきびきび動き、見ていて気持ちがよい。緊張して何度もとちる役者もいて、この役には無理だなと思うこともあったが、一定条件のなかで行うので「理想」通りにはいかない。何をいいたいかというと、大きな悲劇という土壌から新しい価値を創造していくのは、過去のどのケースでも主体を担うのは若者であった。

■若さ故の無知もふくめた、やみくもに突っ走るパワー。これが起爆剤として必要なのである。今度の東日本大震災という大悲劇に際し、ぼくがもっとも危惧するのは「若者の少なさ」である。パワフルな若者はいるが、それが大きなエネルギーとして盛り上がるには、少なすぎる。

■いずれはダワー氏のいいうように日本は新しい価値を生み出していくであろうが、おそらく時間がかかる。これから生まれてくるであろう新しい命をも含めて「パワー」に期待するしかない。つまり時間が相当かかるということ。新しい命がパワーをもつには、あと20年はかかるのではないか。

■「あと20年もかよ」と、長嘆息するしても始まらない。時間や空間を縮めるメディアとして過去の大悲劇の歳にはなかったものがある。インターネットである。これを有効に使えば、もしかして「若さの圧倒的少なさ」をある程度補えるかもしれない。若さをすでに失った者として、インターネットの可能性に賭けたい気分だ。じっさい有為の士と、過去の経験を生かして、この最先端のメディアの有効活用に日々思いを凝らしている。さて、本日は北千住で、平均年齢がおそらく60歳ほどの会議に顔をだす。20代30代がゼロというのはよろしくないが・・・いかんともしがたい。
by katorishu | 2011-04-29 07:41 | 文化一般