コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

「文化」関連の予算があまりに少ない日本。先進国中最低。憂うべき事態

7月1日(金)
■早寝早起きを心がけている。昨夜など午後の9時ごろ眠って、さきほど午前1時半に目が覚めパソコンを開いた。もちろん、これでは睡眠不足になるので、また少し仮眠をすることになるが。このところ、いろいろな人に会ったり、名刺交換したり、それなりに神経をつかうので、脳機能はフル回転。昨日は放送作家協会会長の市川森一氏と国会図書館の館長室を訪れ、長尾館長に「ご挨拶」。館長室を訪れるのはこれで2度目。部屋に飾られている論語の文字が、長尾館長ご自身の書かれたものであると、初めて知った。格調のある文字で、味わいがある。

■長尾館長は元京大総長で学者肌の温厚な方だ。記者発表があったので、ここに記してもいいだろう、放送脚本・台本と現代音楽の音符、それにアニメ・マンガ資料について、文化庁と国会図書館との間で「協定」が成立した。一歩を踏み出したばかりだが、ともかく「国が動いた」ことは事実。長尾館長の尽力のたまものである。「関係者」の一人として感慨深い。





■そのあと国会図書館館内で昭和初年の雑誌新聞の資料調べ。昭和初年の雑誌は今やほとんどマイクロフィッシュ化されている。20年ほど前は現物を手にして読むことが出来たのだが。傷みが激しいので、マイクロフィッシュ化、デジタル化は仕方がないのだろうが、現物とは違う。手触り、質感そのほかもろもろ、現物の良さは格別。国会図書館は法定納本制度によって図書や雑誌類はすべて所蔵することになっているが、まだまだ整備などが足らない。館長も述懐されていたが、予算が少なすぎるのである。

■国の財政事情の劣化にともない文化予算は増えるどころかますます減らされており、内情をよく知っていればいるほど、憂えることも多くなる。日本は文化に力をいれているフランスなどの10分の1程度だ。「知の土壌」が豊かでないと、その上に咲く花や実る実も貧弱なものになっていくのだが。政治家は「文化は票にならない」ので、熱がはいらない。先進国のなかでは国家予算に占める文化関係の額は最低である。こういうことは時間をかけて、じっくり(マイナスに)効いてくるのである。充分憂うべき状態だ。

■国会図書館の運営にも端的に反映され、たとば古いマイクロフィッシュの読み取り機があるのだが、これがじつに使いにくく、いらいらする。とっくに廃棄して新しいものに変えていかなければいけないのだが。予算がないので、あまり役立たない古い読み取り機を使っている。じっさいに国会図書館に足を運び、調べものをしてみると、よくわかる。一頃にくらべ、来館者が少ないように思えた。6階食堂の混み具合に来場者数が端的に反映される。昼飯時であったのに少ない。昼食は館内の食堂で新メニューの「国会丼」を。カツ丼と親子丼をミックスしたもので700円。思わず微苦笑した。
by katorishu | 2011-07-01 02:30 | 文化一般