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第36回創作テレビドラマ大賞選考会。ドラマの成否をわけるのは一に脚本、二に脚本。

 10月21日(金)
■このところ寝不足が続いているせいか、心身ともに疲れている。宮沢賢治はじめ現代の童話を読もうとしたところ、どうも内容がすっと入ってこない。ノンフィクションだと疲れていても比較的すっと頭にはいってくるのだが。よくないことは、すべて寝不足のせいにしておこう。昨日は、放送作家協会とNHKの共催による第36回創作テレビドラマ大賞の最終審査会があり、去年にひきつづき司会をした。脚本家5人とNHKおよびNHKエンタープライズのプロデューサー、ディレクター5人、計10人による選考。毎度のことながら審査員の評価が別れた。どこに目をつけるか、どの観点からみていくかで、作品の評価が180度変わる。スポーツなどと違って「絶対的基準」があるわけではないので、賞をとるとらないは、多分に運に左右される、とぼく個人はいつも思っている。

■2時間ほどで選考が終わり、大賞がでた。そのあと雑誌の「月刊ドラマ」のためにあらためて小一時間、選考を再現する。雑誌のページに適度におさまるようにしつつ、審査員の意見、批評を、雑誌の読者の興味をつなぐように配慮しつつの司会。10人が何をいったか概略頭にいれておかなきればいけないし、脳機能をフル活動させることになる。寝不足だと脳機能は半分ぐらいしか働かないので、内容の要約をとりちがえたり、いくつかミスもした。ただ「生放送」でも「ライブ」でもないので、そこは編集者が適当に案配してくれるだろう。





■ところで、最終に残った作品の質である。850編を越える応募があった。そこから4次にわたる選考をへて最終候補に残ったのは9編。ぼくも10人の審査員も、先入観を排するため、タイトルだけで、性別、年齢など一切知らないで審査会にのぞむ。数多ある「懸賞ドラマ」のなかで、公正な選考が保たれている賞ではないかと思う。

■36回ということは36年間続いてきたということで、この賞から個性ある脚本家が輩出した。もしこの賞がなかったら、日本のテレビドラマはかなり違った様相を呈したのではないか。さて今回の応募作だが、9編を読んだ限りでは全体的に水準は低いといわざるを得ない。昨年は大賞をとった「夜明けのララバイ」のような異色作があった。去年佳作となった作も今年であったら大賞を受賞したはずである。今回はドングリの背比べという印象であったが、それでも接戦の上、大賞がでたので主催者の一人としてホッとした。作者は49歳の女性。従来は30代の人の受賞が大半であったので、この年齢での受賞は久しぶりだ。まずはおめでとう。

■大賞受賞の脚本と審査の模様は来月発売される雑誌「月刊ドラマ」に掲載されるので、興味のある方はぜひ「月刊ドラマ」を買って欲しい。以前に比べこの類の雑誌の売れ行きが落ちていると聞く。テレビドラマそのものが以前に比べ力を失い数も減っていることの端的な反映だが、テレビドラマの火を消さないためにも、「月刊ドラマ」の売り上げが伸びて欲しい。なお去年の受賞作「夜明けのララバイ」は来年2月か3月にNHKの全国放送で放送される予定。二人の女子中学生の「奇妙な友情」を描いた話で、従来のNHKのドラマからはみだした異色の内容だ。大賞受賞となったので制作されることになった。話題作になるのではないか。こういうところから、ドラマの新しい可能性が広がるといいのだが。

■ドラマの善し悪しを決めるのは脚本である。脚本が悪くてはどんな名役者、名監督がかかわっても、良い作品に仕上がらない。これが鉄則だが、この10年ほど、制作の現場で脚本軽視が進んでいるという声を聞く。今のテレビドラマが面白くないとしたら、その理由の80%は脚本軽視からきている、と断言してよい。
by katorishu | 2011-10-21 20:43 | 映画演劇