ブロック経済化が進む世界、やや懸念される状況
2011年 11月 19日
■午前中、家を出て、港区立図書館でモダニズム関係の書籍の一部をコピー。ここにはぼくにとって良い本が比較的そろっているので、よく利用する。御成門から虎ノ門まで歩き、某官庁、そして本郷の東大、とよく動いた。会議等、それに類すること。皆さん優秀な人が多く、そういう人と話していると、こちらも活性化される。個人的には、なんとか劣化の度をつよめる流れになとかブレーキをかけたい。口でいうは易く実行は難しではあるが。
■今朝の朝日新聞一面に「アジア大経済圏構想」という文字が躍っていた。東南アジア諸国連合ASEANの首脳会議で日中韓など6カ国が加わる「広域自由貿易圏」づくりを進めることで合意をしたとのこと。現在焦点となっているTPPに対抗する意味がある。TPPには中国も韓国も参加していないし、これはアメリカ主導で展開されるもので、表の理由とは別に中国、ロシア包囲網の側面をもつ。この包囲網にたいし中国等が巻き返しをはかろうとするものだろう。日本は、こういう動きをも巧みに利用して戦略的に動く必要がある。
■どちらも端的にいってブロック経済圏である。ブロック経済にあっては、仲間うちでは連携、協力がすすむものの、枠の外にある国には高いガードをもうける。必然的に排他的になり、「自由貿易」という名称はいいが、運用次第でブロック化に拍車がかかる。危険な兆候ととらえる視点も必要である。
■第一次世界大戦も第二次大戦も、勃発の引き金になったのは、ブロック経済である。日本もABCD包囲網(アメリカ、イギリス、オランダ、中華民国)で真綿でクビをしめられる状況に陥り、結局太平洋戦争につっこんでいった。現在、世界的に経済が停滞し、大恐慌の一歩手前であり、かなり危惧すべき状態である。今後、多くの国が生き残りのためブロック経済化をすすめる可能性が強い。世界的にすこの傾向がすすむと、アジアでの緊張も一気に高まる。
■鍵を握るのは中国である。良くも悪くも21世紀の初頭は中国の動向が世界を左右する。日本はよほど腰をすえて戦略的に動いていかないと、ひどい目にあう。すでに対米交渉では、何度もひどい目にあっている。それに対して「忍従」か「屈従」という姿勢をとる日本外交。これを機会にもっと『自主独立」の外交交渉をしてもらいたいものだが、その人材がいない。悲しいことである。