コラム


by katorishu
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「被災地産の食物等を食べて応援」は幻想で、地元農家は買いたたかれているという

 12月6日(火)
■よく飲み屋や食べ物屋で「福島を応援しよう」と張り紙があり、福島産のものを食べて福島を応援し農家を助けようといった情報に接するが、「農家の婿のブログ」が、「食べて応援」は幻想だ! 「買い叩かれている」と暴露している。確かに東北や茨城県の農作物を扱う飲食店は多い。農林水産省も「食べて被災地を応援」することを呼びかけ、今や国をあげた取り組みとなっている、とのことだが、裏があるようだ。

■「足元見られてケツの毛毟られてるのが現実ですわ」とブログは訴えている。さもありなんである。被災地を応援という大義名分のもと、被災地の農家から買いたたいて、もうけている業者がいるらしい。それが例外であるといいのだが。ブログはこう記す。 「米がね、業者にクソ安く買いたたかれてるんスよ それが食品会社やら、外食産業に流れ込んでるんですよ」「直聞き情報として1俵8000円提示 中通りの伝聞情報として、1俵5000円提示 野菜だって似たようなもんでしょう 今日1玉98円の白菜を見ましたよ」





■すべてがこういう風ではないと思いたいが、こういう現実のあることも忘れてはならない。世の中にはいつも火事場泥棒のように、人の不幸を金儲けの手段に使う人や組織があるものである。例の「市場経済原理主義」によれば、相手がどんなに不幸な状態にあっても買いたたいて利益をあげれば、それが「正しい」のである。

■いつのころからか、そういう価値観が力をもってしまった。戦前の教育をうけた人が社会の中枢にいたころは、そういう価値観に強い嫌悪をしめす人も多く、「金持ち」必ずしも尊敬されなかった。戦後教育を受けた団塊の世代や、その子供たちが社会の中心になるに従って、アメリカ式経済原理主義が鎌首をもたげ、それが大手をふって闊歩している。日本ばかりではなく、ヨーロッパなどにも広がっているが、その行く末がどういうことになるのか、現今の欧州の経済危機が具体例を示している。

■前述のブログは記す。「農家儲かってねーっすよ 足元見られてケツの毛毟)られてるのが現実ですわ まあ彼らは大抵こんなことを言ってたりしますね『私共は復興を支援しております。食べて応援しましょう!』ふところ温まってるのはテメー等だけだクソったれ」これが現実である。ぼくも大震災後、福島産や茨城産だと、意識して買ったり食べたり飲んだりしていたが、退きたくなった。
by katorishu | 2011-12-06 23:22 | 社会問題