コラム


by katorishu
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映画『ドラゴン・タトゥーの女』を見た。迫力はあるが、後味はよくない

  2月20日(月)
■封切られたばかりの映画『ドラゴン・タトゥーの女』を有楽町で見た。『ミレニアム』3部作として映画にもなったスウェーデンのベストセラー小説をハリウッドで映画化したもので、監督は『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー。
白夜のスウェーデンを舞台に、数十年に及ぶ血族の因縁と猟奇的ミステリーに彩られた物語が展開する。【キャスティング選考も話題になった天才ハッカーのヒロインを演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』のルーニー・マーラ。彼女と協力し合うジャーナリストを、『007』シリーズのダニエル・クレイグが演じる。(シネマトゥデイ】)

■期待して見たのだが、虐待やバイオレンスが勝ちすぎで、これでもか、これでもかと暴力シーンがつづき、少々辟易した。主役のタトゥーの女性の存在感は抜群で、いい味をだしている。彼女の幼いころのトラウマもわかる。彼女が一種「スーパー・ウーマン」ぶりを発揮してブルジョア一家の犯罪をあばき、べつの大金持ちから大金を奪う・・・という展開には、溜飲がさがる。ただ、ハリウッド映画にありがちの過剰な暴力シーンは、あまり好きではない。なにより終わった後、爽快感を得られなかった。この映画、興行成績もトップクラスとのことで、じっさいTOHOシネマズ日劇の900人入れる劇場は半分近く埋まっていた。テレビでがんがん宣伝していたこともあるが、閉塞状況のつづくなか、多くの人の苛立ちが深く潜行していて、そんな潜在心理がこういうクライム、暴力シーン多用の映画に足を運ばせるのだろうか。150分ほどの長編だが、長さを感じさせない迫力のある一作である。ただし、映画館をでたあと、もっと心温まる佳作を、口直しに見たい、と思ったことだった。
by katorishu | 2012-02-20 08:19 | 映画演劇