コラム


by katorishu
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福島の原発避難者に「仮の町」。いっそ「(新しい)試みの町」にすればいい 

 3月7日(水)
■戦後の日本で、国や民の将来についてこれほど多くの国民が真剣に思い、語り、懸念を表明したことはは、終戦直後の混乱期はともかく、前例がない。いずれ目に見える形で日本はかわる。多くの人が感じている以上に、大きく変わる。日本という国の運営システムが行き詰まり、なんとかしなければと多くの人が思うなか、大震災が襲ってきたのである。「天罰」というより「天啓」と考えるべきなのだろう。

■日本人よ、目をさませ。もう一度、足をしっかり地につけて、自然を忘れずに一から出直せ。そういう警鐘を天が鳴らしたのだ。そう思って来し方行く末を考えることが、今ほど大事なときはない。今朝の朝刊一面に、原発避難者に「仮の町」をつくる計画が福島ですすんでいると出ていた。福島の双葉郡の数町が避難の長期化をみこして、たとえばいわき市に、住宅や商業施設、医療施設を建設するというものだ。

■いっそ、ここを21世紀日本の「未来の町」として位置づけ、家賃を無料にして有為の若者などに引きつけることも関係者は考えて欲しい。「未来都市」というと、SF漫画にあるようなきわめて人工的、無機的な町を想像してしまうが、ここはたとえば佐藤春夫が描いた「美しい町」のようであれば、と早起きして朝刊を読みつつ思ったことだった。「災いを転じて福となす」という言葉をかみしめたいものだ。
by katorishu | 2012-03-07 05:10 | 社会問題