コラム


by katorishu
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東京都の想定では首都直下地震で死者9700人。もっと被害は大きくなる可能性

 4月19日(木)
■東京都がだした地震被害想定によると、首都直下型地震が起きた場合、死者が9700人にのぼるという。焼失・倒壊家屋は30万棟、避難民は339万人に。以前だした数字を1.5倍に修正した。東京都防災会議がつくったもので、マグニチュード7・3で、空気が乾燥し、火災被害が大きくなる冬の午後6時で算出したものだ。火災被害の大きいのは、大田区と杉並区と足立区である。住宅密集地区は都内の随所にあり、街を歩いていて、ここに地震がきたら大変だな、と日頃から感じてきた。これはあくまで都内に限る被害であり、隣接する千葉や横浜、埼玉などをくわえれば、被害はさらに増大する。想定外のことが起こるのが災害であり、乗り物の混乱、首都高速道路の落下、そのほか諸々を考えると、東京都の想定被害の数倍にのぼる可能性も強い。

■大地震発生時、どこにいるかで生死をわけるに違いない。近代文明が発達しても、自然の脅威から免れるものではない。備えはしておいたほうがいいだろうが、大災害を前にしては「気休め」程度。自然を克服できると尊大な思い込みをしたところから、人間はおかしな方向に歩き出した。傲慢になり、敬虔さを忘れた。都市への一極集中をあらためたり、これからやるべきことも多いが、大地震は明日やってきても、おかしくはない。自然への畏怖、そして自然を自在にあやつれるという尊大さ傲慢さを捨て、一から出直す「勇気」をもつところから、新しい人間の歴史がはじまる。原発など愚の骨頂である。
by katorishu | 2012-04-19 19:38