台湾問題研究会
2005年 02月 04日
寒い一日。ノンフィクションの執筆ほか、やらなければならないことがいろいろあるのだが、気分転換と勉強を兼ねて、汐留の共同通信社本社の13階食堂の一角で行われた「台湾問題研究会」に顔をだす。国際問題のアナリストとして独自の視点でメルマガを発行するほか「非米同盟」やイラク関係での著書も多い田中字氏の主催する勉強会。
共同通信の外信関係の論説委員などの報告があり、その後フリーディスカッション。20人ほどで、ビジネス関係者と思われる人のほか、なかなか台湾問題に詳しい人もいて、興味深かった。最近テレビのコメンテーターとしてワイドショーに出ている有田芳生氏などの顔もあった。(有田氏はテレサテンについての著書があるので、その関連か)
事務局長のサカイさんという龍谷大学教授の話では、今後月例会にしていくとのこと。
中台関係が国際政治におよぼす影響は大きく、この問題の背後にはアメリカがあり、当然日本もその波を強く受ける。李登輝元台湾総統とのインタビューの話など興味深かった。
台湾は台湾で、中国は中国で、それぞれの事情をかかえており、アメリカは中東で手一杯なので、しばらくは「現状維持」が続くであろう……というのが多くの人の意見だった。
中国と台湾が北東アジア情勢の鍵となることは確かだが、ここでも日本のプレゼンスは弱く、日本外交は「無能」であるというのが、田中字氏の意見……。
右にも左にも偏らずこの問題を研究していこうということだが、発言者の中に中国を「中共」と呼ぶ人もいて、おやっと思った。さまざまな立場の人がいるようだ。
終わって、軽く一杯……ということになったが、ぼくは帰って仕事をしなければならないので、共同通信の論説委員氏と名刺交換をしただけで早々に失礼する。
始まる前、二階ロビーで、共同通信の元モスクワ特派員で外信部長をやったこともあるT・Hに偶然会う。「こんなところで、なにやってるの」とH。学生時代の「悪友」でひところ毎日のように会っていて、新宿そのほかによく遊びにいった仲だ。「俺、お前」の仲であったが、しばらく会っていなかった。彼はすでに定年退職して、現在、調査部に嘱託かなにかできているようだ。
往時茫々。少年老い易く……である。近々会うことを約束する。
電車の中で戯曲「オットーと呼ばれる日本人」(木下順二作)を読了。ゾルゲ事件の尾崎秀樹をモデルにしたものだ。やたらと台詞の多い戯曲で、重厚で理屈っぽい。昔はこういう芝居をやっていて、多くの人が見に行っていたのである。改めて、今の芝居の「軽さ」を思い、時代の移り変わりを実感した。