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近頃珍しい「無頼派」の編集者を偲ぶ会。小学生時代の彼の作文の巧さにびっくり

  2月13日(土)
■昨日、九段にあるホテルグランド・パレスで畏友、村上直哉氏を偲ぶ会に出席。村上氏は朝日出版社副社長で、「飲み仲間」の一人であった。享年67。彼とは『テレビ芸能職人』という本をだしている。村上氏は英語の教材や英語の辞書などの編集にたずさわり、社に大きく貢献した人だが、写真集などのほか、斬新なアイディアの本を数多くだしている。

■以前、写真家の篠山紀信氏と組んで宮沢りえの中学生のころの「ヌード写真集」をだし大ベストセラーになったが、その仕掛け人も村上氏。村上氏をふくめた10人ほどでよく「飲み会」を開いていたが、そこに村上氏は「宮沢りえ写真集」の確か「見本」を2冊もってきた。きれいな写真集だった。じゃんけんで勝った人がもらうことになり、僕のほか某女優が勝った。今ではあの写真集も「児童ポルノ」に抵触する恐れがあるとして、絶版になっている。まだぼくの仕事部屋のどこかに埋まっているはずだ。石原知事が提唱した条例が通ると保持しているだけで「罪」になる、困ったことだ、といつか村上氏が話していた。あの条例はその後、どうなったのか。

■写真は村上氏が小学校4年のときに書いた作文で全国児童生徒作文コンクール入選作。一読して、そのうまさ、巧みさに驚いた。
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接続詞など一切なく最後まで論理的に的確に表現し、読ませる。早熟で大変な読書家であったと、高校の同窓生の挨拶。入社したころ出張の際などいつもスペインの哲学者オルテガの著作集を持ち歩き読んでいたという。最近、あらためてオルテガの「大衆の反逆」を読んでいるので、そうか彼も愛読者であったのかと思い、感慨新た。

■村上氏のお父さんは「脚本家」で一時、女剣戟の大江美智子一座の座付き作者もしていた。NHKのラジオドラマも書いていた。その血もあるのか。文才があり、しかも私生活では、今や数少なくなった「無頼派」。それも命を縮める原因になったのではないか。僕などと飲むときは終始穏やかに微笑して聞き役に回っていたが、偲ぶ会であらためて村上氏の「もう一つの顔」を知ることとなった。因島で生まれ育ち、いわゆる「村上水軍」の末裔でもある。惜しい人を亡くしたとあらためて思った。
by katorishu | 2013-02-23 15:46 | 文化一般