コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

アメリカのテレビドラマ『グリー』他を見て感嘆!日本のドラマは1,2周後れている

 5月4日(土)
■最近地上波テレビほとんど見ていないので、うとくなっているのだが、2時間ドラマが復活しているという。ドラマの復活は結構なのだが、多くは刑事もの。連続ものも刑事シリーズが圧倒的に多く、あらためて見る気も起こらない。以前、自分が刑事物のシリーズドラマをそれなりの本数書いていたので、天にツバする気分ではあるが。
 一方、アメリカのテレビドラマを見ていると、彼我の違い・落差に愕然とする。

■「アメリカのテレビドラマが面白いですよ」とテレビ評論家他複数の人からいわれ、この数ヶ月、宅配のレンタルから取り寄せて見てみた。なるほど、構成、演出、役者のうまさ、金の掛け方、どれひとつとっても溜息がでるほどだ。日本製は陸上ランナーでいえば1,2周後れという印象だ。最近見たのは『グリー』と『ナース・ジャンキー』。いずれも45分前後のシリーズで1話でエピソードが完結する形。





■とくに『グリー』に感嘆した。20世紀フォックスので制作で2009年に放送開始。何度かシリーズ化されている。原題の「glee」とは「気分を解放し歓喜すること」と合唱部の「合唱」の二重の意味をかさねている。チーム一丸となり歌とダンスの芸術性を競いあうパフォーマンスを軸に展開する。音楽だけ聴いていても、楽しい。『オハイオ州ライマにある架空の学校、ウィリアム・マッキンリー高校の合唱部(グリークラブ)を中心に描かれるミュージック・コメディ・ドラマ。

■ウイキによれば、『プロのダンサーやミュージシャン、ブロードウェイでの舞台経験などを持つ実力派のキャストたちが、60年代~90年代のスタンダードから最新のヒットソング、著名なミュージカル・ナンバーなど、毎回幅広いジャンルから名曲をカバーするパフォーマンス(ショウ・クワイアー)が見どころのひとつ』という。
 放送開始直後から瞬く間に人気を博し、異例の早さで第3シーズンの製作が決定したほか、サウンドトラックが3作品連続で全米アルバム・チャートの1位を記録するなど、全米で社会現象を巻き起こした。

■日本では2010年にFOXチャンネルでシーズン1の放送を開始し、2011年にシーズン2の放送を。さらに2011年4月にNHK BSプレミアムでシーズン1が放送された。
 俳優の演技もさることながら、歌唱力のうまさ、迫力に感嘆する。これぞブロードウエイと思った。脚本では日本も対抗できると思うが、美術、背景、演出、時間の掛け方等々、まるで「大人と子供」という印象をうけた。
 ひところ「ジャパン・ハリウッド」を日本でも根付かせ、世界にソフトを売っていくべきと、いろいろなところで「ピエロ」になることを承知で言い続けてきたが、いくつかのアメリカ製のテレビドラマを見て、自説を撤回したくなった。多文化、多民族国家における様々な価値観のぶつかり合い。そこから生まれるダイナミックなエネルギーが、まず土壌としてないと、文化・芸術は育たない。エンタメも同様である。

■少子高齢化で「縮こまった」社会を見ていると、日本のソフトが海外で、かつての自動車のように勝負することは当分無理である、と残念ながら思ったことだった。 小学生以下の子供、およびこれから生まれてくる子供たちに期待したいものだが、数がすくなくては勝負にならない。「日本問題」の大半は「少子化」が「多産化」に転換すればほとんど解決する、と敢えて嫌われる仮説を提示しておこう。
by katorishu | 2013-05-04 11:30 | 映画演劇