コラム


by katorishu
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自転車はなぜカッコウいいか

 9月1日(日)
■はやくも9月になったが、猛暑はあいかわらず。体力の弱っている人も多いのではないか。体力の衰えをふせぐには、睡眠を十分にとり栄養バランスのよい食事をし、さらに適度の運動をすることだ。この3つを日々こなしていれば、基本的に病気にかからない、とボク自身は思い込んでいる。以前はこの3つがでたらめで朝、朝刊がきて目を通してから眠る生活をしていた。物書きは不健康で短命。それでもいいといった気分もあって、不規則な生活をしていたのだが、この国の「行く末」を見てみたくなり、出来るだけ長生きしようと思いがかわった。

■世相ウオッチャーとしては、先行きはかなり暗鬱になると予想しているが、そこをどう切り開いていくか、今後の人類の課題である。当ブログでも書いたが、自分もふくめて今の大人には期待できない。今の小中学生および、これから生まれてくる子供たちに期待をかけるしかない。世の中をかえるきっかけは、最初は小さなところからはじまり、それが集まって中流の流れになり、やがて大河になる。今、自転車が変化にむかっての「細流」であると思っている。東京以外はどうなっているのか知らないが、、最近、道路を走るスポーツ・サイクルが目立つようになった。車の運転手からみると、危険、邪魔という意見があるらしいが、自転車側からみれば車こそ危険そのものである。




■ママチャリは除外して、スポーツ・サイクルで颯爽と走る男女を、ボクはカッコウいいと思う。なぜカッコウいいのか。まず前傾姿勢。これは獲物を狙う獣の姿勢と相通じるところがある。ぼくはBBCのアニマル・プラネットをよく見ていて、サバンナを走るライオンやチータなどの走りを「かっこういい」とかねがね思ってきた。あれと通じるものがあるのである。前傾姿勢ではしる彼らの九割まではスリムで筋肉質だ。無駄肉とは無縁で、ダイナミック。なにより自分の力で、大地を「踏みしめて」とはちょっと違うが、風をきって移動する。そこに爽快感を感じるのである。じっさい、自分で体験してみて、その良さをあらためて実感する。この爽快感を多くの人が実体験することで、価値観がすこしづつでも変わる糸口にはなるのではないか。

■スポーツ・サイクルには前輪、後輪とも何段にもきりかえるギアがついていて、道路の状況に応じて切り替え、走る。ぼくは人類が発明した乗り物のなかで、自転車こそ最高傑作のひとつであると思っている。最近では通勤に自転車をつかっている人も増えているらしい。ラッシュアワーで無言のままおしくらまんんじゅうをしているより、ずっと賢い時間のすごし方である。体を自力で動かすことが「快楽」につながるので、労を厭わなくなる。

■その効果も大きい。残念ながら日本では、オランダなど欧州のように自転車専用の道路が整備されていないので、車の排気ガスを吸ってしまう。それが難点だが、エコへの関心がさらにつよまり、自転車専用道路ができ、多くの人が「普通に」自転車で移動するようになれば、それはもう「意識革命」である。そうなれば、きっと社会は変わる。良い方向に変わる。今後、社会がエコ重視で贅肉のない方向にむかうか、さらに複雑化し限られた地球の資源を食いつぶしジ・エンドの方向に向かうか、今が分岐点である。どちらかを選ぶかで、人類社会の未来がきまる。鍵をにぎるものは、いろいろとあるが、そのひとつは自転車である。以前、中国や韓国では自転車は貧乏人の乗るものなどという価値観があった。いまはどうなのか知らないが、自転車イコール貧乏人と思っているとしたら、いまだ後進国というべきだろう。ぼくには車に乗っている人のほうが「貧相」で「病的」に見える。自転車に乗っているひとは、総じて健康で、年齢にくらべ若々しい。カッコウいいのである。
by katorishu | 2013-09-01 08:17 | 文化一般