コラム


by katorishu
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昭和20年代から続いているアマチュア劇団「劇団かに座」の107回公演『煙が目にしみる』を見た。

11月17日(日)
■もう昨日になってしまったが、横浜の馬車道際にある関内ホールで、劇団かに座の第107回公演『煙が目にしみる』(堤泰之作)を見た。死んで火葬にふされる二人の男と、遺された家族の物語で、コメディの要素もあって楽しめる。昭和の20年代からアマチュア演劇団をつづけている田辺晴通氏の努力と精進には、頭がさがる。この劇団、オリジナル脚本ではなく、たいてい既成のプロ作家の脚本を上演する。

昭和20年代から続いているアマチュア劇団「劇団かに座」の107回公演『煙が目にしみる』を見た。_b0028235_241117.jpg演出は田辺氏がおもにこなし、舞台のセットも手作りで、アマチュア劇団の良さを存分に発揮している。もちろんセリフなどプロの俳優にくらべたら、棒読みに近い人もいて、もどかしい思いもするが、プロの芸達者にはない素朴な味わいもあり、楽しめる。じつはぼくも2作ほど脚本を提供しており、田辺氏宅の裏手にある「稽古場・倉庫」に何度か足を運んだ。悩みは転勤などで慣れたと思った「役者」が抜けていくことだという。それと「効率化」「合理化」の波が文化面に押し寄せていて、例えば相模鉄道の「グリーンぽけっと」が廃止された。これは痛いと田辺氏。公演の切符を売ってくれる場所が減っていくのである。





芝居は見物客がいてこそ意味がある。本は読み手がいてこそ意味があるように。それでも本日の「楽」は、関内の小ホールはほぼ満席。出だしの遺族がでてくるところは、やや単調だなと思っていたが、物語の展開とともに、核心に入っていくことができた。最後は遺族たちの故人に対する感動の言葉で観客をひきつける。亡霊となった二人の故人は、「認知症」と見られているおばあちゃんとは会話をかわせるという設定だ。

■パソコンのハードディスクの古いものを見ていたら、かに座むきかと思える戯曲がでてきた。3億円の遺産がはいることになった若い女性が、じつの父親をさがして1億円を進呈したいと思うところから、3人の男が登場して……といった設定だ。
 カミサンと一緒だったので、ひさびさに横浜港の大桟橋などに足をはこび、最後は中華街に。ま、息抜きの一日にはなった。
by katorishu | 2013-11-18 02:06 | 映画演劇