コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

戦争は人類の愚かしのさの極み。『日朝大戦争余聞』お読みいただければ

1月6日(月)
■世の中は仕事始め。ぼくのような「自由業」には始めも終わりもなく、仕事だか遊びだかわからない時間がだらだらと続く。それでも生活を比較的規則正しくしようと心掛けている。午前8時ごろには起きて、晴れた日には運河ぞいの道などを自転車で走ってコーヒー店にはいり、資料を読んだり、携帯パソコンで原稿を書いたり。ぼんやりしたり。

戦争は人類の愚かしのさの極み。『日朝大戦争余聞』お読みいただければ_b0028235_185324.jpgそれにしても、今の時代の流れに素直にのっていけない。何かが違うのである。世の中間違っているとはいわない。いつだって人間は間違えてきた。勘違いをしてきて、多くの人を追い詰め、殺してきた。その最たるものが戦争である。依然として東アジア情勢は一歩間違うと局地戦になる可能性が消えない。日本、中国、韓国、そして北朝鮮。厄介な関係である。遡れば、日本も韓国(朝鮮)も中華帝国の強い影響のもと、一種の属国的あつかいだった。



■文化も生活様式も、国家運営のシステムも、ほとんどは中国の真似から出発した、といって間違いないだろう。江戸時代までは中国がモデルだったのである。近代になって西欧列強が中国を軍事侵略して植民地にしたことで様相がかわった。近代日本はとにかく欧米列強においつくため「富国強兵」策をとり、欧米を真似て中国や朝鮮半島に侵出した。北からは大国ロシアが圧力をかけてくるし、当時の「国際常識」で考えると、日本だけが非難されるイワレはない。

■が、満州事変をへて太平洋戦争につきすすむプロセスをつぶさに観察すると、当時の軍部、とりわけ陸軍の指導者たちのやり方はほめられたものではない。あれを「聖戦」であったと美化したい人も増えてきたようだが、もっと歴史を勉強して欲しい。そもそも「聖戦」などがこの世にあるのかどうか。戦争はどんな理由があるにせよ、惨めで残酷で忌まわしい。戦争の可能性がでてきた現在、指導層は戦争をさけるため、巧みでしたたかな外交力を発揮するべきで、緊張感を煽るべきではない。ナショナリズムに政治家がひきずられると、ロクな結果にならない。これも歴史をひもとけば歴然だ。

■豊臣秀吉の「文禄・慶長の役」など、愚行の最たるもので、あまりに愚かしいので、歴史小説家もまともにとりあげることを避けてきた。このアジア最大規模の大戦争をまともにとりあげると10数巻の長さを必要とする。で、戦争そのものではなく、不意にやってきた戦争によって平穏に暮らしていた庶民の夫婦がどのように翻弄され、不幸にも「敵・味方」同士になってしまったか――それを作家的想像力を駆使し、かつ史実をも十分尊重して書いてみた。『日朝大戦争余聞』である。KADOKAWAの電子書籍ブックウォーカーで配信中。「惑惑星」という屋号で、恐らく個人ではただ一人参加。「荒唐無稽少女・雲母」など「新人作家」の意欲的な作品もある。今後、ぞくぞくと新人、新鋭作家の作品を載せていく予定なので、ぜひ「惑惑星」にお立ち寄りください。パソコンでもスマホでもタブレットでも読めます。以下のURLです。
http://bookwalker.jp/search/?qcat=0&word=%E6%83%91%E6%83%91%E6%98%9F
by katorishu | 2014-01-06 18:10 | 文化一般