コラム


by katorishu
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小説を読むと脳に長期的な影響を与え、脳が活性化する。アメリカの研究チームが実証。

 2月5日(水)
■YAHOOのBuzzニュースによると、人は小説を読むことで脳に長期的な影響を与えることが、アメリカの研究チームによって判明したという。読書が脳を刺激するということは既に実証されており、例えば、「香水」「コーヒー」という言葉を読むだけで、脳の中の嗅覚に関する部分が活性化する。最新の研究によると、読書が脳に及ぼす影響は、短期間ではなく長期に渡ることがわかった。

■アメリカ・ジョージア州アトランタにあるエモリー大学の研究チームで、数日かけて1冊の小説を読み続けている間、その脳の中ではどのような変化が起きているかを調べたところ分かったという。チームでは、学生21人に協力してもらい、19日間、MRIを利用して、脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法を毎日撮ってもらった。まず最初の5日間は本を読まない状態でMRIを撮った。次の9日間は、学生達に夜にロバート・ハリスの小説「ポンペリ」を30ページ読ませ、翌朝に撮影。さらに、小説を読み終わった後の5日間、MRIを撮り続けた。その結果、読書中はもちろん、読書から数日たった後でも、左側頭葉内部での連結が高まっていることがわかった。言語、記憶、聴覚をつかさどる部分であり、この部分の活性化は、「意味の具現化」を行っている可能性を示唆している、とのこと。





なにかを「想像する」時、想像しているだけでも、実際に起きる神経連結と同じ連結が脳の中で起きていることを示すことで、たとえば、泳ぐことを想像すると、実際に泳いでいる時と同じ神経伝達を引きおこす可能性がある。この実験により、小説を読むと、人は小説の主人公になりきることも不可能ではないということがわかった、と論文の主任執筆者のグレゴリー・バーンズ。「小説を読むと、感情移入により主人公になったような気分になることはわかりきったことですが、今回の実験で、これが気分の問題だけではなく、実際に脳の中も、まるで主人公と同じ行動をとっているような活動状況になっていることがわかった」

■脳内の変化は小説を読んだ5日後まで残り、読書が脳に長く変化を与え続ける可能性を示している。読書が言語処理領域を増強し、「意味の具現化」の影響を通じて脳に長期の影響を与えることを明らかにした、大変面白い研究だ。よく年配者から「最近、小説を読みにくくなっている。ノンフィクションは頭に入ってくるが小説は億劫なので、読まない」という声を聞く。こういう人こそ、脳の柔らかさや活力を保つために読書、それも想像力に頼る小説を読んだほうがいいのでは?

■認知症の予防などにも大いに役立つはず。もっと多くの人が小説を読み、想像力を働かせれるようになれば、若返るし、若い人の世話になる時間を少なくさせることも出来る。出版界も活性化するし、ものを深く考えるヨスガになると思うのだが。実際、古典などを改めて読み返すと面白い。映像作品では味わえない快楽のひとつ。この文化装置を活用することで、脳を若く保てれば、だいいち生き甲斐もわくし楽しい。そういえば80過ぎても若々しい人は、小説を結構読んでいる。ま、比較的若い人や価値観の違う人とあって、意見交換をするのも、脳の活性化に役立つものですが。お年寄り、およびお年寄り予備軍の方々、参考にしてください。

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by katorishu | 2014-02-05 16:38 | 文化一般