コラム


by katorishu
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小泉・細川両元総理の「脱原発」コンビが「自然エネルギー推進会議」を設立。

 4月16日(水)
■ウクライナ情勢が混沌としたまま解決の目途がたたない。一歩間違うと「欧州大乱」になりかねない。なんとか平和的な解決に向かって欲しいが、予断を許さない状況だ。いずれにしても、今後の世界秩序に変化をおよぼす出来事で、中央アジア、中国、中東などにも微妙な影響をあたえていく。東アジア情勢とも無縁ではない。世界は有機的につながっており、地球の反対側で起こったことも、瞬時に伝播していき、経済、社会に影響をあたえていく。それが幸か不幸か、21世紀という時代である。

■ウクライナ情勢の根底には「エネルギー問題」が横たわっている。具体的には天然ガスである。周知のようにロシアとウクライナは天然ガスおよび核兵器で密接な関係にある。ウクライナはソ連時代につくられた古くて膨大な核兵器の「貯蔵場」なのである。アメリカの軍事アナリストの論文をKINDLE経由で読んでいるが、この問題、今後どう波及するか、注目である。当然、日本とも無縁ではない。





■ものごとの判断の基礎になるのは「情報」である。情報の多寡が判断の適否に重要な影響をおよぼす。インテリジェンスの分野でも、九割以上は「公開された情報」を重視している。新聞、雑誌、書籍などを系統的にあつめていくと、バラバラに見ていたのではわからない「流れ」や「関係性」が鮮やかに浮かびあがってくる。地味で時間をかけた作業が、情勢分析ではもっとも大事なことだ。CIAなど海外の諜報機関の活動の大半は、映画などで見るのとは違って、まるで図書館の司書のような地味活動である。

■ところで、都知事選で騒がれた細川・小泉元両首相のその後はどうなったのかと思っていたところ、15日、二人が中心となって一般社団法人「自然エネルギー推進会議」(仮称)を立ち上げるという。5月7日に都内で設立総会を開き、今秋の福島現知事選や来年春の統一地方選で「脱原発」を主張する候補との連携や支援を検討する。
推進会議の代表には細川氏が就任する。発起人には両元首相のほか、哲学者の梅原猛氏、歌舞伎俳優の市川猿之助氏、作家の瀬戸内寂聴氏らが参加。女優の吉永小百合も賛同人に名前を連ねるとのこと。

■時間がかかるかもしれないが、「自然再生エネルギー」を中心とした「エコ・社会」「リサイクル社会」を地上に築いていかないと、人類が長く生き延びることはむずかしい。今生きている人間が「快適で便利な生活」をするために、未来の世代が使うべき化石燃料そのほか自然の景観、水などを蕩尽してしまうことは、許されることではない。100年200年後のことも頭にいれて、限られたエネルギーを大事につかう。「もったいない」や「足るを知る」という日本の伝統文化、伝統的慣習を、「世界に誇るべき文化」として、率先して世界に発信していく。東京オリンピックが良い機会になると思うのだが‥‥残念ながらそうなる可能性は少ないようだ。しかし、希望の芽はある。
by katorishu | 2014-04-16 08:31 | 社会問題