内外とも多難の年。「ただならぬ」気配を感じる。
2015年 01月 03日
■新年あけましておめでとうございます。
今年こそ良い年に、とほとんどの人が思っていることでしょう。ただ、内外の政治、経済情勢を冷静に見ていくと、「ただらなぬ」気配といったものを感じてしまいます。
直接の武力行使こそ行われていませんが、すでに米ロの「戦争」ははじまっているといっていいようです。主戦場は「経済」です。どちらも、中国を味方にひきつけるべく、外交戦を仕掛けており、水面下では熾烈な「情報戦争」が戦われています。
■ヨーロッパ経済も疲弊し、改善の兆しはみられません。中東は「イスラム国」の出現等で、混乱に拍車をかけそうです。更に、原油、天然ガス安等で打撃を受けた「政権」にNOをつきつける勢力が力を増しています。東アジア情勢も好転のきざしはなく、どこも一触即発の気配です。
国内に目をむけると、今年はアベノミクスの失敗が明らかになりつつあり、景気は失速、夏頃にはひどい事態になる恐れもあります。
安倍政権は旧来のバラマキ路線で「既得権益」を「保守する」方向にハンドルをきっており、日本が混迷から脱出して飛躍するための社会運営システムの根本的な変革に、まるで手をつけていません。「公務員改革」「行政改革」「少子高齢化」対策等々、なにもやっていないに等しい。
■所得格差がひろがる一方なのも、気になります。多少の格差は資本主義の宿命であるにしても、極端な格差は日本の風土になじみなせん。なのに、当局は格差是正につとめる姿勢が弱い。この政策にはいずれ「しっぺがえし」がくる、と予言しておきます。
日本人は総じて「お人良し」であるにしても、それほどバカではなく、コケにされるほどお人好しではありません。
■ま、こう記すと、今年は「暗い年」になってしまいそうですが、個人レベルでは、小さくとも夢や希望があるし、努力次第で道は開ける。その程度には、まだ「良い国」であります。
ひとつ銘記しておきたいのは――世の中、常ならずということ。
だから盛者必衰があるのです。
これも歴史の示すところです。
■今の日本は「敗者」の側にいる人が過半かと思いますが、これが固定することはなく、「富者」がいつまでも富者であることは、むずかしい。富者でない者にとっては、そこに「希望がある」。といったら、ルサンチマンがすぎるといった批判をぶつけられるでしょうか。
それにしてもメディアのだらしなさも、昨年は目立ちました。秘密保護法が成立し、早くも腰がひけてしまっています。
■本年も思いついたこと、気がついたことを、フリーランサーの立場から折々、勝手につぶやいていきます。「なに寝言いってるんだ」と思う御仁もいるでしょうが、「なるほど」「そうだよ」と思う人もいるはず。
よろしくお願いいたします。
★新年、本棚からたまたま手にとって読んだのは「ロマンティックな狂気は存在するか」(春日武彦著)。
読み進むうち、想がわいてきた……。
★拙著「渋沢栄一の経営教室Sクラス」のほうも、よろしくお願いいたします。