コラム


by katorishu
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地球温暖化の怖さ

 3月31日(木)。
 ロイター通信が、地球温暖化で北大西洋の海流が消滅の恐れがあると伝えている。
 アメリカのオレゴン州立大学の研究者アンドレアス・シュミットナー氏が科学雑誌『ネイチャー』に発表したもので、「大西洋北部地域を温暖にしている主要海流が地球温暖化によって同地域に到達しなくなれば、漁獲に多大な影響が出る恐れがある」とのことである。
地球温暖化の怖さ_b0028235_0415244.jpg ロイター通信によれば、海洋学者はこれまでにも、温暖化で北極海の氷が溶けて海水が薄くなると、南から北に暖かい海水を運んでいたこの海流が弱まったり、消滅する可能性があると予想している。さらに、シュミットナー氏は、「大西洋と南欧の海水を循環させる海流が消滅すれば、北大西洋のプランクトンが本来の半分以下に減少する」と指摘している。
 プランクトンは、海流の消滅により深層の栄養豊富な海水から隔絶され、減少するという。

 映画『ザデイアフターツモロウ』で温暖化により、海流の変化がおき地球が逆に「氷河期」のようになる怖さを、描いていた。
 あれは仮想の話で、SF映画の類ではあるが、それが現実のものになる可能性も否定できない。現に、以前、ヨーロッパがシベリアなみの寒冷の地になる恐れがあると、アメリカ・ペンタゴンの報告書でも指摘していた。
 先進国の人間が「暖衣飽食」の生活をし、石油などの地下資源を過剰に消費した結果であり、こういう生活を、今後とも続けていけば、とんでもないことになる。
 心ある科学者は繰り返し指摘しているのだが、ビジネス論理が先行する社会のなか、政治家も国民も、なるべくその方面の情報をシャットダウンして、ひたすら目の前の「快楽」「欲望」の充足にいそしんでいる。

「京都議定書」なども発効したが、十分ではない。今後、日本の人口は減っていくが、地球全体の人口は急増する。
 このまま物的な「欲望全開」の文化、システムをすすめていったら、どういうことになるのか。
 小学生でもわかり理屈だが、世の大人たちは、あまり関心がないようだ。
「質実剛健」とか「質素」などという言葉も、死語になりつつある。杞憂だといって嘲笑する向きがあるかもしれないが、ぼくは心から、地下資源の大量消費文化に危機感を抱いている。 
 温暖化で地球の生態系が狂い、人の住めない地域が増えだしてからでは、もう遅いのである。オーストラリアに生息するコアラは危機感が薄く、山火事が起こっても火がすぐ近くまでこないと危機を危機として認識せず、逃げ遅れて焼け死んだりする。
 現在の先進国の人間はコアラなみである、といってはコアラに失礼かもしれない。   
by katorishu | 2005-04-01 00:49