北野武監督・脚本・編集の映画『龍三と7人の子分たち』を見た
2015年 03月 26日
■北野武監督・脚本・編集の映画『龍三と7人の子分たち』の試写を、ワーナーブラザーズの試写室で見た。家族にも社会にも相手にされず、居所のない引退した老ヤクザ。
■これまでの北野武監督作品とは、趣をかえた「ヤクザものコメディ」で、従来の北野作品にあったアナーキーでとんがった部分があまりない。プロデューサーの森昌行によれば、「今回は違うテイストの作品を」と制作側の要望を伝えて企画された作という。ビートたけしが「Web新潮」に発表し『ヤクザ名球会』をもとに脚色した。北野作品としては初めて「本読み」を行ったという。いわば「普通の作り方」をしたというべきか。
■仕上がった作品はコメディ映画として、それなりのレベルにいっていると思う。ただ、中高年を意識した作で、かなり「笑い」をとりにいっている分、「老年ヤクザ」の凄さや、悲しさ、切なさなどがちょっと不足していると感じた。中高年には溜飲のさがる作だとは思うが。若い層がどう反応するか。4月25日、ロードショー公開。