コラム


by katorishu
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言論の自由と週刊誌

4月4日(月)
 毎週、週刊誌を数冊、買って読む。月曜日は「週刊現代」か「週刊ポスト」のうちどちらか。火曜日は「週刊朝日」か「サンデー毎日」のどちらか。木曜日は「週刊文春」か「週刊新潮」のどれかを買って、喫茶店で読む。
言論の自由と週刊誌_b0028235_051984.jpg眉唾ものの記事もあるが、ときになるほどと思わせるものもあり、世の中がどう動いているか、割合よくわかる。深く考えさせるものだと、月刊誌に及ばないものの、新聞やテレビでは描かない「暴露もの」などもあって、それなりに愉しんで読んでいる。
 以前、必ず読んでいた「噂の真相」が休刊になってしまったのは残念だが、週刊誌ジャーナリズムはまだ健在であると思う。

 権力をもった政治家や財界人、人気者にとっては、週刊誌など迷惑な存在で、定期便のように時折メディア規制の法案を考えたりしている。そんな中で、新聞やテレビなどの大マスコミに比べ、週刊誌は陰に陽にある圧力のもと、かなり頑張っていると思う。
 本日買ったのは「週刊現代」。ライブドアとフジテレビの「戦争」を特集している。
 真偽のほどはわからないが、週刊現代によれば、孫正義と三木谷浩史と堀江貴文の「IT長者」がじつは「密約」して、経団連に対抗して「IT業界の経団連」のようなものを作ろうとしているとか。
 ソフトバンクの子会社のSBIの北尾某とか、妙に気の強い「白馬の騎士」がでてきて、ライブドアが劣勢になったと、マスコミは一斉に報じた。しかし、この三者が密約していたとなると、事態は別の方向に動いていく。
 記事によると、3人の狙いはテレビや新聞、出版社などを傘下におくフジ・サンケイ・グループで、当初から密約して動いている……というのである。
 記事を否定的に見るエコノミストのコメントをのせてバランスをとっているが、火のないところに煙は立たないのたとえもあるので、事実だとすると、フジとの闘いは今後どういう展開になるかわかrない。
 さらにライブドアの「謎の美人広報」とか「ホリエモンの口説き文句」等々、いかにも「週刊現代」らしい切り口で、迫っている。
 言論の自由と週刊誌_b0028235_0515095.jpg
 今週号では、「小泉純一郎の躁と鬱」と題して、京都刑務所から出所した「小泉純一郎の元義兄」なる人物の証言を載せている。
 小泉家の恥部を知る人物とのことで、この人物の言動によっては、自民党内で「政局」になるかもしれない、と前参議院議員の平野貞雄氏のコメントなども併記している。

 これまで週刊誌情報から、権力者の「腐敗」が暴露されるケースはいろいろとあった。ぼくは、「暴露雑誌」が出ているうちは、日本の民主主義もかろうじて機能していると思っている。周知のように独裁国家では言論の自由はない。
 逆に言論の自由がないところは、独裁国家かそれに準じる国であるといってもよい。少々、荒っぽい権力者があらわれむちゃくちゃなことをやっても、言論の自由さえあれば、その類の権力者は消えていくものである。
 
 4月1日から「個人情報保護法」が施行された。さらに政府は「人権擁護法案」どの提出を狙っている。法案の字面だけみて判断してはいけない。法案をつぶさに読めば、根底に自由な言論活動を制限していこうという魂胆が見え隠れしている。
 権力をもつものはほとんど例外なく「スキャンダル」を本人ないし周囲にかかえこんでいるものだ。独裁的権力者が言論の自由を嫌うのは、自分自身の不正、腐敗、スキャンダルを暴露されるのがいやであるからある。そうして、放置しておくと権力基盤が崩れる恐れがあるので、規制や弾圧を加えていくのである。
 逆に考えれば、言論を封殺しようとする権力者は、どこかで不正を行っていると判断してもよいかと思う。清廉潔白なら、なにも隠すこともなく、自由なジャーナリズムを恐れることはないのだから。

 今後とも、この種の週刊誌が今の内容で発行されつづけることができるかどうか。じつは、法律の運用次第でかなり微妙な情勢になりつつある。
 すでに天皇家についてや差別問題などで言論のタブーが存在しており、タブーは増えつつある。自主規制という名の不自由さも依然、改善されていない。
 多少ともマスコミで仕事をしていた経験から、はっきりいえる。日本には、ほんとうの意味での言論の自由はなく、一定の条件のもとでの「自由」でしかない。とくにマスメディアにおいては。
 
by katorishu | 2005-04-05 00:53